アイテム番号: SCP-2515-JP
オブジェクトクラス: Keter Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-2515-JPの遺体は継続監視の為サイト-81NNの極低温保管庫に収容されています。SCP-2515-JPはサイト-17の修復が完了し次第、現在別サイトで収容されている他のアノマリーと同様にサイト-17への返還が予定されています。
下記の説明はSCP-2515-JP無力化以前の内容です。サイト-17の機能回復後に更新が予定されています。
説明: SCP-2515-JPは頭部が鶏に置換された身長182cmで体重90kgの人型実体です。生命反応を欠いているにも関わらず意思を持って活動していることから超常的な医療技術、有機的コンピュータ、死霊術などが作成に用いられていると推測されるものの情報の不足から断定には至っていません。鶏冠と瞳は茶褐色で、総長不明の著しく長い舌を有しています。オブジェクトは付近に汚れが存在する時、舌を用いてそれを舐め取る様子が観測されています。SCP-2515-JPはバケツ型の容器を保持しており、内部には総数不明の切断された人間の下肢が存在します。オブジェクトは常に容器から下肢を取り出して摂食し続けており、容器を奪取する試みは激しい抵抗を誘発します。外見から推測される容器の内容量を遥かに超えた人間の下肢がどのように供給されているのかは不明です。SCP-2515-JPの腹部には「RBW」と刻印されています。
SCP-2515-JPは自身が所在する建造物の電子機器に対する干渉力を有しており、特に監視カメラと扉の電子ロック、テキストファイルの編集機能に対して著しく高い干渉力を発揮します。現在サイト-17はオブジェクトの影響下に置かれています。サイト内での移動が制限され、サイト外への脱出は困難、電子ロックが解除されたことで複数のアノマリーが収容違反しています。外部への連絡は原因不明の要因により正常に機能していません。
SCP-2515-JPはサイト-17の解放と引き換えに以下の要求を行っています。対応は暫定サイト司令部により協議中です。
- サイト-17の全職員は毛髪を自主的に除去する事
- サイト-17の全職員は性器を自主的に腐食させる事
- サイト-17の全職員は自主的に肥満体型になる事
- サイト-17の全職員は両足を除去し、鶏の足に置き換える事
- サイト-17の全職員は自主的に便失禁し、犬のように吠える事
SCP-2515-JPはサイト-17の輸送車両待機エリアでコンテナ付きトラックと共に発見されました。輸送予定に無く、財団データベースにも未登録の車両が存在することを不審に思ったエリアディレクターは、武装警備員と共にトラックの検査を行いました。コンテナ内にはSCP-2515-JPの他に特筆すべき物品は存在せず、トラックの運転席にも発送元を特定可能な痕跡は残されていませんでした。
下記の補遺はサイト-17で発見された監視カメラの映像記録、SCP-2515-JP無力化後に行われた簡易調査により取得された情報です。
補遺-1: 映像記録 - 無力化
映像記録
日付: 2022/02/17
注記: ギアーズ博士および██████博士は、サイト-19から移送され一時的にサイト-17で収容されていたSCP-███の脅威を免れるため観察ブースへ避難していました。
[記録開始]
[00:01]: (ギアーズ博士は手元の端末を操作し、██████博士は観察ブース内で呼吸を整えている)
██████博士: 一先ず危機は去ったか。しかし、我々はこれからどうすればよいのだ。
ギアーズ博士: SCP-2515-JPの無力化と収容違反の鎮圧が目下の最優先事項です。現在の収容違反状況はSafeクラスが10件、Euclidクラスが22件、Keterクラスが1件。Keterクラスの収容違反が複数発生した時点で核弾頭を起動する必要性が生じます。
██████博士: それはそうだが、そもそも核弾頭までたどり着けるかも怪しいぞ。ギアーズ。万が一辿り着けたとして、SCP-2515-JPが妨害してくる可能性は非常に高いと言わざるを得ん。全くなんなのだあのチキン頭の怪物は。
ギアーズ博士: 私はあのアノマリーを何処かで見た覚えがあります。
██████博士: らしくもない言い方をするじゃないか。普段の君なら──
[03:10]: (SCP-2515-JPが徒歩で観察ブースの後方から接近する)
SCP-2515-JP: おやおやおや。懐かしい顔がそろってるじゃねえか。
[██████博士が驚愕の表情を示す。ギアーズ博士は端末の操作を継続している]
██████博士: 何の用だチキンヘッド。いや、そもそもお前は何故こんなことをしている。
SCP-2515-JP: 気になるかあ。そりゃ気になるよなあ。俺もそうだった。いつも気になってた。うんうん。わかるわかる。
██████博士: おふざけに付き合うつもりはない。
[██████博士はギアーズ博士へ顔を向ける]
██████博士: ギアーズ。電子ロックは取り戻せそうか。
ギアーズ博士: 解錠権限は取得できました。施錠権限は私のクリアランスでは不可能と見るべきでしょう。他は各種訓練用のサイト機能を掌握しました。
[██████博士は顔をしかめる]
SCP-2515-JP: おいおいおいおいつれないじゃねえかよ。せんせえたちよお。昔はよく構ってくれたってのにさあ。頼んでも無いのに。
██████博士: 何のことだ。私は貴様なんぞ見たことも無い。
[SCP-2515-JPがバケツ型容器に手を入れると同時に、██████博士の右下肢が消失する]
[██████博士が転倒、SCP-2515-JPが容器から人間の下肢を取り出して摂食する。摂食された下肢は██████博士と同色のズボンを着用している]
██████博士: [絶叫]
SCP-2515-JP: うんめえなあ。いつまでも食えちまうぜ。おお、どうしたどうした。そんな大声でわめいてっとこわーい奴らが来ちまうぞ。へっへっへ。
[██████博士が活動を停止する]
SCP-2515-JP: [舌打ち]気絶しやがったか。さて、次はそっちの無口なギアーズせんせだ。おい。こっちを見ろ。
[ギアーズ博士は端末の操作を続けている]
ギアーズ博士: 肉体再生率48%ですか。これなら問題ありませんね。再収容は困難ですがサイト-17の核弾頭起爆と比較すれば被害軽微と判断します。
SCP-2515-JP: なにぶつぶつ言ってんだ。さっさとこっちを見やがれ!今からてめえの足をしゃぶりつくしてやるよ。神経がつながったまんまだからいてえぞお。
[SCP-2515-JPがバケツ型容器に手を入れようとする]
ギアーズ博士: SCP-682を解放します。
[SCP-2515-JPが動きを止める]
SCP-2515-JP: はぁ?馬鹿いっちゃいけねえよ。ギアーズせんせ。あんなもん解放したらあんたお陀仏だよ。ん?いっぱい人死んじゃうよ?生き残れたとしても処刑されちゃうよ?怖くてできねえよなあ。
ギアーズ博士: 私がこのボタンをタップすれば水槽への塩酸供給が停止します。
[ギアーズ博士の指が端末へと接近する]
SCP-2515-JP: やめろっつってんだろてめえ!止めねえと──
[ギアーズ博士がSCP-2515-JPへ視線を向ける。指は端末の直前で止められている]
ギアーズ博士: サイトの電子機器に対する干渉を全て解除し、バケツをこちらに引き渡して下さい。また再収容に抵抗しないで下さい。██████博士の足を元に戻してください。
SCP-2515-JP: 嫌なこったね!どうせハッタリだろ。最初からアレを解放する気なんてない癖に。
ギアーズ博士: 私がSCP-682の解放を躊躇わない合理的な理由が3つ存在します。まず現在のSCP-682の損傷率では超高密度透過プラスチックによって構成されている観察ブースを破壊できません。2つ、SCP-2515-JPの脅威を放置すればサイトの核弾頭を起動することになり、この場でSCP-682を解放しなかった場合よりも多くの人的損害が発生します。3つ、本件に関する如何なる懲罰もアノマリーの私刑より苛酷にはなりません。交渉に応じる気は無いとのことですので実行します。
SCP-2515-JP: よせやめろ、頼むそれだけはやめてくれ。
[ギアーズ博士が端末をタップする]
[09:31]: (サイト全体にKeterクラスアノマリー収容違反警報が発せられる)
SCP-2515-JP: [絶叫]
[SCP-2515-JPの全身が激しく泡立ち、高温を発しながら肉体が液状化、徐々に崩壊する]
[SCP-2515-JP腹部の刻印から黒煙が噴出する]
[観察ブース内の空間に亀裂が発生する][ノイズ]
[ギアーズ博士は床に落下している端末を手に取ると、SCP-2515-JPの活動が完全に停止する様子を見届け、画面を再度タップする]
[24:05]: (訓練用の警報が停止する)
[記録終了]
ギアーズ博士の証言: 当時の私がSCP-682の解放を交渉材料として提示したのは██████博士とSCP-2515-JPの会話からです。SCP-2515-JPの口ぶりは彼や私を以前から知っているかのようでした。その上私たちと日常的に交流を持つような存在と言えば、アノマリーか職員であると判断しました。私と関わりのある既知の要注意人物とアノマリーにSCP-2515-JPと該当するような人物は存在しなかったため、消去法により職員と判断しました。財団職員であれば、誰であれ682の恐ろしさは知っているはずです。
補遺-2: 簡易調査 - オブジェクトの起源
SCP-2515-JP研究チームによりオブジェクトのサンプル分析が行われました。その結果、SCP-2515-JPは過去に財団でレベル1清掃員として雇用されていたハンク・██████████(以降、ハンク)と遺伝的に同一の存在であると判明しました。ハンクは業務中に受けた精神的・肉体的傷害を理由として財団を自主退職しています。記憶処理を受けて退職したハンクは母親と共にサンフランシスコの実家で生活していましたが、RBWワーキングサポートグループの講習から帰宅せず行方不明となりました。同団体への調査によれば、活動実績および組織体系に多くの虚偽が存在すること、要注意団体との接触歴があることから、ハンクの失踪およびSCP-2515-JPの出現に高い関連性を有すると推測されています。グループの拠点として記載されている住所のビル内から電話機と机の残骸、死霊術関連の呪具が発見されました。発見された呪具には別タイムラインより霊魂を強制的に召喚した痕跡が残されていました。