SCP-2516
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アイテム番号: SCP-2516

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2516-1は故人であり、SCP-2516-1の遺体は処分されました。SCP-2516-1の遺体処分の詳細については補遺A-2516-2を参照してください。

アンドラ公国にあるSCP-2516-2の入口は鋼鉄製のセキュリティゲートで封鎖されており、フランス側の出口は1.25mのコンクリートで塞がれています。SCP-2516-2を利用していた鉄道路線は変更され、トンネルに通じる線路は除去されています。

説明: SCP-2516-1は東ヨーロッパ系の男性であり、勾留下に置かれた時点では身長1.82m、体重71.2kgでした。SCP-2516-1は一切の異常な性質や能力を示しませんでした。しかしながら、SCP-2516-1は、存在しない”タウレッド”という国家からやって来たと主張しました。タウレッドという名の国家の存在に言及している記録もまた発見されていません。SCP-2516-1は急性呼吸窮迫症候群のため、1974年9月7日に死亡しました。

SCP-2516-1は勾留時にスーツケース・書類カバン・パスポートを所持していました。スーツケースの内容物は別々の衣服3着・腕時計2つ・洗面用具であり、SCP-2516-1はこれらのアイテムを収容室内で所有することが許可されました。書類カバンには、申し立てによるとタウレッドにある投資会社から、日本の東京にある[編集済]社に宛てた、将来性のある投資の機会についての情報が含まれていました。SCP-2516-1から没収されたパスポートは、おそらくタウレッド国によって発行された渡航文書です。パスポートはタウレッドの市民権を掲げ、未承認の紋章を含むにも拘らず、見た所は本物で、国際民間航空機関によって設定された基準を満たすものでした。パスポートにはパリ・東京・アメリカ合衆国・ドイツの、関連する国で使用されている物と一致する空港スタンプが押され、タウレッド国際空港のスタンプも含まれていました。

SCP-2516-2は、アンドラ公国と隣国フランスの国境にある長さ300mの単線鉄道トンネルです。SCP-2516-2はSCP-2516-1の出現地点であると考えられています。SCP-2516-2に派遣された探索チームは、アンドラ公国側の入口から始まる、トンネルの異常区間について記録しています。

  • 0~50m: 水の流れる音が、トンネルを奥に進むにつれて強く聞こえてくる。流水の発生源はトンネルの可聴範囲内に発見されなかった。
  • 50~100m: 音の強さが増し、重力が9.81m/s2から15.32m/s2に増加。
  • 100~200m: 音は一貫した鳴り響く音へと変わり、トンネルの中心に進むにつれて、重力が周波数の増加と共に変動する。1.02m/s2から38.21m/s2の間の変動が記録された。
  • 200m~250m: 50~100mの距離で現れたものと同様の効果。
  • 250m~300m: 0~50mの距離で現れたものと同様の効果。

回収情報: SCP-2516-1は1954年6月に収容されました。パリ国際空港のセキュリティチェックにおいて、空港職員はパスポートに問題を検出したとしてSCP-2516-1を勾留しました。一次留置の期間に、SCP-2516-1は自身がタウレッドという、空港職員にとっては未知の場所から来たと主張しました。地図上で位置を特定するように求められた際、SCP-2516-1はアンドラ公国を指し、タウレッドが地図上に存在しない事および空港職員が示す知識欠如に混乱・興奮状態に陥りました。空港の警備職員は現地当局に連絡を取り、SCP-2516-1は地元ホテルの警備された部屋に移されました。この出来事を聞きつけて異常性を疑った財団工作員が、当局に警告することなく、ホテルの部屋からSCP-2516-1を連れ出し確保しました。SCP-2516-1は来たと主張する国家およびパリに到着する前の旅路についてインタビューを受けました。SCP-2516-1の辿った旅路を遡る過程で財団職員はSCP-2516-2の異常性質を発見し、封じ込め手順が制定されました。

補遺A-2516-1: SCP-2516-2の発見を記録する初期のメッセージが添付されています。

彼がタウレッドから、あるいはアンドラから、いずれにせよ通って来たトンネルを見つけた様です。とにかくトンネルを封鎖して歩き始めましたが、非常に身体が重く感じられて、動くのが困難になってきました。前方で誰かの叫ぶ声を聞いて、一体何が起こっているのか確かめるために進みました。途端に身体が軽くなりましてね、全くのところ、6フィート簡単にジャンプ出来たぐらいです。危うく天井に頭を打つところでしたよ。反対側から出れば、タウレッドかどこかに出られるはずだと考えて歩き続けました。反対側にいたのが仲間だけと知った時は落胆しました。彼に何が起こったにせよ、それは我々が体験できるものではなさそうです。

SCP-2516-1初期インタビューの記録もまた文書には含まれています。会話はフランス語から翻訳されています。

ヘドリック博士: さて、幾つか質問をさせていただきたいのですが、宜しいですか?

SCP-2516-1: 嫌だね! 何一つ告げずに何日も閉じ込めやがって! 質問するのは俺の方だろうが!

ヘドリック博士: 貴方は何処から来たのですか?

SCP-2516-1: タウレッドのハートン・タウンからだ。せめて電話ぐらいさせてもらえないか? 俺には妻と小さい娘がいるんだよ、きっと心配してる。

ヘドリック博士: なぜ旅行なさったのですか?

SCP-2516-1: 東京に出張する事になってた、あんたもこの事は全部知ってるだろう。なぁ、頼むから-

ヘドリック博士: 何という会社に勤務しておいでですか?

SCP-2516-1: フレディック&サンズ投資会社だよ。俺は会計士だ。何であんたは俺を此処に閉じ込めるんだ?

ヘドリック博士: タウレッドを離れた際の電車について何か教えていただけますか?

SCP-2516-1: 前に言ったことが全部だ。カーフォードで電車に乗って、パリで降りた。それで終いだ。

ヘドリック博士: 列車がトンネルを通過した際、貴方は何をしていました?

SCP-2516-1: トイレに入ってたな。それがどうした?

ヘドリック博士: 何か、貴方から付け加えたい事はありますか?

SCP-2516-1: ああ、俺をどれだけ長くここに閉じ込める気なんだ? 家族が待ってるんだよ。

ヘドリック博士: 有難うございます、█████ ██████████、以上です。

SCP-2516-1: おい戻ってこい、まだ全部話してないぞ! 俺を閉じ込められるわけないんだ、何も悪いことはしてないのに!

補遺A-2516-2: SCP-2516-1は1974年9月7日に死亡しました。家に帰りたいというSCP-2516-1の最期の要求に応えて、ヘドリック博士はSCP-2516-2の異常性質の活性化の試みを承認しました。SCP-2516-1の遺体は火葬され、遺灰が電動の鉄道カート上に置かれました。カートはSCP-2561-2のフランス側の入口にある線路に配置され、モーターが起動しました。SCP-2516-1の遺灰はSCP-2561-2の反対側に出現しませんでした。しかしSCP-2561-1の出発から15分後、遺灰で満たされた骨壷と一枚のメモを載せた、同一の電動カートがフランス側に出現しました。メモは以下に添付されています。

アンドラ公国に埋葬するために

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