アイテム番号: SCP-2534-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2534-JPはサイト-81E5の夏宮博士の研究室にて、段ボール箱の中に収容されます。新たなSCP-2534-JPの収容が決定した場合、可能な限り新たな段ボール箱は使わず、使用中の段ボール箱に収容してください。
説明: SCP-2534-JPは共通のマーク(以下、SCP-2534-JP-a)が付与されたAnomalousアイテム群です。SCP-2534-JP-aは、「甘」「侃」「苛」の3つの漢字を品字様1の形で組み合わせたものが図案化され、円の中に配置されたデザインです。
現在収容されているSCP-2534-JPは4点です。いずれも破壊耐性を有していないため、破損を防止する観点から現在はアイテム単体の異常性を確認する目的での実験は禁止されています。
| アイテム番号 | 説明 | SCP-2534-JP-aの位置 |
|---|---|---|
| SCP-2534-JP-1 | 誰かが見ていると涙を流す日本人形。 | 後頚部 |
| SCP-2534-JP-2 | 注がれた高級ワインを消失させるワイングラス。 | 底面中央 |
| SCP-2534-JP-3 | 電流を流すと磁場が通常の逆向きに発生する銅線のコイル。 | (銅線にまたがる形で)側面中央 |
| SCP-2534-JP-4 | 背中を向けると視線を感じる万引き対策用ポスター。 | 右下隅 |
SCP-2534-JP-aが付与された非異常性のアイテムは発見されていません。しかし、非異常性のアイテムにSCP-2534-JP-aを付与して異常性を持たせる試みはいずれも失敗に終わっています。SCP-2534-JPからSCP-2534-JP-aの一部または全体を除去する試みは異常性保護のため禁止されています。
SCP-2534-JP及びSCP-2534-JP-aの作成者は判明していません。現在発見されているSCP-2534-JPが全て日本の東北地方で発見されていることから、当該地域にSCP-2534-JPを作成している存在が生息または所在している可能性が指摘されていますが、調査にかかる費用の膨大さからその捜索は無期限に延期されています。
収容経緯: SCP-2534-JPがAnomalousアイテムとしてサイト-81E5にて収容されていた際、収容中のアイテム███点の中で10点以上のアイテムにSCP-2534-JP-aが付与されていることは判明していました。しかし、アイテムそのものの異常性および重要性の低さから詳細な調査は保留されていました。
2032年6月、サイト-81E5において低脅威度物品収容ロッカーの存在する東部地区の土地が売却対象となった際、当ロッカーに収容中のAnomalousアイテムを全てアノマリーオークションへ出品することが決定されました2。その出品リストの作成中、サイト-81E5職員である夏宮博士からSCP-2534-JPの収容申請書が提出されました。申請書には、SCP-2534-JP-aが付与されていたAnomalousアイテムのうち4点が収容対象として列記されていました。
SCP-2534-JP収容申請書
(前半部分は申請手続き上の夏宮博士及びSCP-2534-JPの詳細な記録のため省略)
備考: 現在、我々財団は先の見えない経営難に瀕しています。5年前に発生した嘆きの給料日事件を皮切りに、財団の財政状況は急落の一途を辿っています。
かつてはその場しのぎだったはずのSCiPオブジェクトの売却は、今や常套手段となっています。いや、そうせざるを得ないのでしょう。怪物を閉じ込める箱は壊れ、超常を見張る人員は枯渇し、怪奇を検知するプロトコルすら機能を停止しているのが現状なのですから。
しかし、そうして異常を売り払っていった財団に、果たして何が残るのでしょうか。
現時点で、財団の稼働中のサイト数は最盛期の10分の1以下に縮小しています。数々の人命と引き換えに確保した異常も、人類を守るために闇の中で生きる覚悟を決めたはずの職員たちも、今となってはその多くが財団の元を離れています。このまま異常の切り売りを当然のように続けていては、やがて財団はがらんどうの空き箱に成り果てるでしょう。おそらくは、皆さんも想像している通りに。
これまで財団は、人類が健全で正常な世界で生きていくために異常を収容し、保護し続けてきました。財団の未来が危ぶまれている今、何より保護しなくてはならないのは、その理念そのものしかありません。幸いにも、私の研究室にはインテリアと本棚を売り払ったおかげで十分な空きスペースがあります。怪物を閉じ込める事は出来なくとも、些細な異常性しか持たない小さなアイテムを保管しておく事くらいなら可能です。
故に今こそ、我々にはSCP-2534-JPの収容が必要なのです。たとえそれが、この世界にとって取るに足らない異常であったとしても。
経理部門による協議の結果、収容対象として挙げられたアイテム群の想定落札価格の合計が高額ではなかった事からこの申請は受理されました。指定の4点がアノマリーオークションの出品対象から除外され、SCP-2534-JPとして収容されました。それ以外のサイト-81E5に収容されていたAnomalousアイテムは、SCP-2534-JP-aが付与されていたものも含めて全てがアノマリーオークションへ出品されています。
現在は、夏宮博士を担当者としてSCP-2534-JPの研究が進められています。



