SCP-2540

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SCP-2540アノマリーが存在するために必要な4次元空間を表す図

アイテム番号: SCP-2540

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2540は、サイト-81の、外壁に標準的な鋼合金の代わりとしてプレキシガラスのパネルを用いた異常物質収納庫にて保管します。SCP-2540の性質により、この収納庫は常時5人以上の人間の対象を収納するのに十分な大きさが必要で、セキュリティ要員は、SCP-2540の近くに現れた人間の対象を処理するのに十分に近い場所にいなければなりません。

さらに、SCP-2540のその性質によりビデオ監視は不適切であると判断され、常に手動での観察を必要とします。現地担当のセキュリティ要員は、この任務をこなすのに十分であることが確かめられています。

いかなる状況においても、SCP-2540の1メートル以内に立ち入ってはいけません。SCP-2540の輸送の際、SCP-2540の位置を操作するのに十分な能力がある電磁石のみを利用して行われなければなりません。

説明: SCP-2540は、キーライム(Citrus aurantiifolia)1としてのみ知覚される、時間的異常として定義されている現象です。SCP-2540がどのようにしてライムとして見えているのかは、SCP-2540の起源と同様に未だ良く分かっていません。

SCP-2540は、時間を越えた自由移動の実現可能性を示唆する仮説、ティプラーの円筒の原理2に基いて動作しています。初期の観察において、SCP-2540の性質は非確定的でした。ティプラーの物理学との関係性がある現象は指摘されたものの、極端な速度で運動する無限大の円筒、または有限なサイズの円筒はいかなる種類のものも確認されず、この仮説には疑問が呈されました。この内のいずれか一方は、「真なるティプラーの円筒」の要件を満たす上で必要な要素です。

1987年、財団の物理学者アレクサンドル・ヒルベルトは、SCP-2540が4つかそれ以上の空間次元内に存在する無限長の円筒の物理的表象であり、これが人間にはライムとして見えるという形で我々の世界と交差しているのではないか、と仮定しました。ライムとして見える異常性は、完全な物理的相互作用性を備えています。;これにより更なる空間次元をまたぐことの影響は現時点では不明です。セキュリティプロトコルでは、SCP-2540に対し電磁石によってのみ相互作用を与えることを求めていますが、これは物理的な接触がSCP-2540の特性による影響を発生させる恐れがあるためです。

これが成される手法は現在不明ですが、SCP-2540が示す異常性の回転はその長大な影響範囲において時空間的な「牽引」を引き起こし、円筒内に物体を引っ張り込み、時空を超えてそれらを排出します。現行の理論では、SCP-2540は、円筒にランダムに間隔をあけて存在する、未知の数の「漏出」点の一つであり、結果として他の「漏出」点からのアクセスポイントとなっています。大抵の場合、この物体の転送は継続的な空気の流出と一致しますが、時折ヒトを含む重要なオブジェクト転送の原因となる事が判明しました。

SCP-2540が起こす時空的牽引により、ビデオ監視装置は撮影フレームの大幅な視覚的混乱が発生する為、SCP-2540の映像を適正にキャプチャすることができません。この性質は、人間の視力にまったく影響を与えていないようです。

インタビュー2540-1: 2540-Alphaの被験者
以下のインタビューはSCP-2540の中から現れた最初の人間に行われました。対象者は、およそ47歳のロシア系成人男性です。対象者は、当初はハワイアン印刷のTシャツとカーゴパンツを着て、腰の下の体の部分を明らかに欠如した状態で出現しました。傷は密封されているように見え、これは恐らくティプラーの円筒を介した転送の性質、その一端に起因するものであると推測されます。対象者は、下半身の欠如による不快感を報告しませんでした。翻訳者は財団のインタビュアーと対象者とのコミュニケーションを容易にするため、インタビューに携わりました。

質問者: グレゴリー·ベネット博士
回答者: SCP-2540-Alpha ボリス・タンジェン 翻訳者経由
インタビューの日付: 1989/9/12

ベネット博士: こんばんは、SCP-2540-Alpha。私の名前はベネット博士、本日のインタビューを担当する者です。

SCP-2540-Alpha: はい、はい。まぁいいんじゃないか。だが、私のことはボリスと呼んでくれ。私の足がどこに行ったか、何か知らないか?

ベネット博士: 我々は現在、あなたの足がどこにいったのかを把握している最中です、タンジェンさん。あなたが我々の格納区画で見つかる前に、あなたが何をしていたかを教えてもらえますか?

SCP-2540-Alpha: もちろん。妻と私はコスメルで休暇を取っていて、陽の光を浴びようと砂浜に行っていた所だった。何か飲もうかと思い、バーに行って…確かSkinny Limmyを頼んだんだったかな?バーテンがカクテルに入れるためのライムを手渡してきて、気付いたらここに。

ベネット博士: なるほど。その日付を教えてもらえますか?タンジェンさん。

SCP-2540-Alpha: 2045年の…、7月、23日?だったと思う。

ベネット博士: ここへの転送時に、何か気付かれたことは?

SCP-2540-Alpha: 何か… 酸っぱいもの?口の中が、酸っぱく感じた。それと、誰かを驚かせてしまったかもしれない。

ベネット博士: 誰かを驚かせた?

SCP-2540-Alpha: そう感じただけだがね。誰かが私を見て、驚いた。

ベネット博士: その誰かについて何か説明することはできますか?

SCP-2540-Alpha: 肩をすくめる 何も分からんのだよ。たぶん私は目を開けていなかったか、もし開けていたとしても、何も見る事は出来なかったに違いない。上手く伝えられないんだが。

[記録終了]

SCP-2540-Alphaの対象者は、面談の終了時にサイト81に拘留され、SCP-2540の性質の継続的な研究の一環として監視下に置かれました。

インシデントログ2540-1: 1995/03/15

SCP-2540の定期調査中、空間の歪みがSCP-2540の近傍に形成され始めたことが観察されました。現地要員のイベント目撃者は、この歪みを通して何か巨大な、無定形の存在を垣間見た気がしたと述べました。その後まもなく、歪みは霧散しました。

インシデントログ2540-2: 1995/06/23

セキュリティ担当者は、SCP-2540の封じ込めセルの中に空間の歪みが形成され、その後すぐSCP-2540は室内にメカジキを丸ごと排出し始めたと報告しました。セキュリティ担当者は、2540-1の記録のそれと同様の感覚があったと報告しました。発生後まもなく、空間的な歪みは、いくつかの未知の言語と思われる文字が刻まれた約3トンもの石版群を排出しましたが、大部分は収納房の床や互いにぶつかり合い、粉々に砕けました。すべてのセキュリティ担当者とメカジキは無傷で脱出しました。

インシデントログ2540-5: 2001/11/02

ログ2540-2におけるそれと方法論的に類似したいくつかのインシデントを受けて、財団心理学者は、4次元空間内にいる存在が時間的異常の裂け目近くにいる人々と接触し、コミュニケーションを図ろうとしているのだと判断しました。それに伴って、この存在との意思疎通を容易にする試みの為に、追加の財団言語学者が招集されました。次に空間の歪みが発生した際に、知的存在であれば財団担当者とコミュニケーションを取る上での基礎として利用できる暗号が封入されたカプセルが、開口部に打ち込まれました。

インシデントログ2540-6: 2002/02/24

SCP-2540の観察時に、圧搾された、紙状材料のように見える大きな巻き物がSCP-2540の中から現れました。この巻き物はいくつかの文字で覆われていて、すぐにおおざっぱな英語で書かれたものと判明しました。読み取れる意味の最良の推測は、以下に記載されています。

ハロー、たくさんの、まったく取るに足らない、肉質/フワフワ? の友人たる生き物たちよ

私が、ここに、このツール/デバイス/アクセラレータ? を落としたのは、私が[判読不能]で、すぐには戻らないからだ

うまくいけば、あなたがたにとっても、あまりにたくさん/しばしば?、有害ではないだろう

しかし私は、正に必需品である[判読不能]をこの場所にきちんと設置する

私は許されたか?これがあなた方のツイていない宇宙と交差していることを

それは潜在的に、異なる/バナナ?3 場所に転送される

しかし、これは、私を 返却可能/存在/継続?しそうにない 他の/巨大な 何かはそれを動かす為にここにある

たぶん、あなたはそれを理解できないだろう[判別不能]4 おそらくそうだろう

ありがとう、そしてごめん!

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