SCP-2545
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アイテム番号: SCP-2545

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2545は空にした状態でサイト-███の低価値品保管施設に保管します。 SCP-2545はサイト-███の低優先度Safeクラス収容室に保管します。維持管理はレベル2研究員1名に割り当てられます。日に3回、食物500グラムをSCP-2545に投入します。週1回、SCP-2545は10%満たされた状態になるまで中身を空け、余剰内容物を焼却します。内容物を実験環境下以外で消費することは認められません。SCP-2545を24時間以上空のままにしないでください。

説明: SCP-2545は高さ120cm、直径40cmのプラスチックと木材で出来た樽です。蝶番が付いたプラスチック製の蓋で密封されています。樽の内側には9つの黒い輪が等間隔で描かれており、それぞれ容積の10%増大を示しています。回収以前は片方の側面に金属製の掬いが取り付けられていました。

これまでのところ、SCP-2545の内部に配置した時に異常特性を示したのはグミベア1のみです。樽のおよそ10%がグミベアで満たされると、それらグミベアの一部は自律行動を開始し、樽から出ようと試みます。これらの生命を有したグミベアはSCP-2545-1に指定されます。自律化は無作為に発生するようですが、典型的にはいつ如何なる時でも数十個だけが活性化します。

自律化したSCP-2545-1個体は身体の接着性を変化させる能力を獲得し、これによって樽の側面を這って脱出しようとします。各SCP-2545-1個体の平均移動速度は1mあたり90秒です。SCP-2545-1個体は単独では殆ど膂力を持ちませんが、協力すればSCP-2545の蓋を開けることが可能です。

SCP-2545を出た後、全てのSCP-2545-1個体は近隣の食品を見付けてSCP-2545に持ち帰ろうと試みます。SCP-2545-1個体群は原始的な集団意識の存在を示唆する行動様式を見せ、大きな食品をSCP-2545まで運ぶために協力します。食品をSCP-2545の中に置くと、樽の中にいる全てのSCP-2545-1個体はグミベアの層の下へと沈んでいきます。完全に沈んだ食品は、その食品本来の色と風味を有する同質量のグミベアの塊に変換されます。この採食行動はSCP-2545が90%満たされると一時的に停止します。しかしながら、SCP-2545が90%満たされた状態で24時間が経過すると、対象はSCP-2545-1の生成を再開して自身が溢れるまで採食を続けます。

実験ログ: 20██/██/██、█████████研究員の監督の下、██████████次席研究員が実施した実験。Dクラス職員1名が実験のために同席。SCP-2545は実験期間を通して容量50%に保たれる。

実験#1: リンゴをSCP-2545内に配置。リンゴはグミの層の下に沈み始め、直ちに同質量の赤および白のグミベアの塊に置換された。白いグミベアはリンゴの、赤いグミベアはリンゴの皮の味がすることが確認された。

実験#2: 蝋細工のリンゴをSCP-2545内に配置。リンゴは沈んだ後に再浮上し、辛うじて樽の縁を越えられる程度の速度で樽から射出された。

実験#3: 生きたネズミをSCP-2545内に配置。ネズミは沈んだ後、実験#2と同様に低速射出された。

実験#4: 死んだネズミをSCP-2545内に配置。ネズミは沈み、ネズミを下回る質量の赤いグミベアの塊に置換された。この直後、ネズミの骨格と毛皮の塊が排出された。赤いグミベアは試食を行わず廃棄。

実験#5: キュウリをグミベアの層に半ばまで沈め、沈んでいない部位をD-67583が掴んだ状態に保つ。SCP-2545-1個体群がキュウリをよじ登り、D-67583の手からもぎ取ろうと試み始めた。この試みは失敗した。およそ2分後、キュウリの沈んでいる部位がへし折られ、同質量のキュウリ味のグミベアの塊に置換された。

実験#6: D-67583は片腕を肘まで沈めるように指示された。D-67583は躊躇ったものの、数分後に同意。特に変化の無い5分間の後、彼は腕を引き上げることを許可された。

実験#7: 150グラムのグミミミズをSCP-2545内に配置。[データ削除済]。

実験#8: D-67583がSCP-2545の外層にナイフを当て、僅かに木材を傷付ける。反応無し。

実験#9: D-67583がベレッタ9mm拳銃(空砲を装填)をSCP-2545に向けるように指示される。1個のグミベアが高速射出され、D-67583の右目に命中。D-67583は大声で暴言を吐き、空砲と気付くまでにSCP-2545に向かって4回発砲した。D-67583がSCP-2545に接近したところ、2個目のグミベアが高速射出され、D-67583の左目に命中。彼は再び暴言を吐き、この時点で保安職員が入室して彼を沈静させた。SCP-2545に損傷は加えられなかった。

補遺#1: 20██/██/██、███████の“██████ ████”店から動くグミベアについての報告が浮上した後に、当該アイテムは財団の注意を引きました。発見時に蓋は閉まっていましたが、数体のSCP-2545-1個体がSCP-2545の密封状態を破り、変換するための食品を捜索していました。店舗の在庫調査でグミベアを扱っていないことが確認され、全ての従業員は前日まで樽は無かったと主張しました。SCP-2545は回収され、クラス-A記憶処理が全ての目撃者に施されました。

補遺#2: 20██/██/██、サイト-███低価値品保管庫で収容違反が起こりました。保管庫とSCP-2545を収めていたロッカーのドアはどちらも半開きで発見され、鍵穴には小さなゼラチンの塊が押し込まれて、全てのタンブラーを事実上“未施錠”に固定していました。サイト-███の四分円区画-3にあるスタッフルームも同じ状態であり、自動販売機の商品を含む全ての食品が消えていました。SCP-2545は約85%満たされた状態でロッカーの内部から発見されました。

補遺#3: 20██/██/██の収容違反において回収された保安映像の転写。

0125-0308、サイト-███、低価値品保管庫

0125: 記録開始。

0126-0202: サッカーボール大の球体が四分円区画-1を転がって通過し、四分円区画-3の低価値品保管庫に到着する様子が複数のカメラに記録される。

0203: 小さな点(一塊のSCP-2545-1と推定)が球体から分離し、保管庫のドアを登り始める。

0204: 保管庫ドアの鍵穴に到達した点が消える。ドアが開く。

0205: 球体は保管庫の中に入り、SCP-2545のロッカーに到着する。この時点でロッカーは保管庫ドアと同じように開錠される。

0206: 球体が崩れ、SCP-2545-1の集団がロッカーに入る。

0207: SCP-2545は集団によってロッカーから押し出され、収容室の外に転がされていく。

0208-0219: SCP-2545が四分円区画-3を転がされて通過し、四分円区画-3のスタッフルームに到着する様子が複数のカメラに映る。

0220: 休憩室のドアが上述した2ヶ所のドアと同じように開錠される。SCP-2545が室内に転がされていく。

0221-0253: SCP-2545-1個体群は休憩室の中心でSCP-2545を直立状態に戻そうとする。続く32分間に、推定200体のSCP-2545-1個体が食器棚・冷蔵庫・自動販売機にある全ての食料品を発見してSCP-2545の中に入れる。

0254-0307: SCP-2545は脱走時と同じように、しかし僅かに遅い速度で、施設を転がされてロッカーに再配置される。

0308: 記録終了。

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