SCP-2550
評価: +7+x

アイテム番号: SCP-2550

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2550はサイト-24「鳥小屋」で健康管理を目的とした少なくとも50m3の屋外スペースを含んだ標準的な鳥類保護設備に収容されることになっています。SCP-2550は必要に応じて散発的に、管理された栄養素を含んだ補助食品を添加した北大西洋イカからなるダイエット餌が給餌されることになっています。SCP-2550は決してPhoebastria albatrusの他の個体に引き合わせてはいけません。

隔週で、SCP-2550はセロトニン濃度を上昇させることでPhoebastria albatrusの脳科学作用を変えるようにデザインされた特注の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を投与されることになっています。これに加えてSCP-2550は週に3度日常的な運動と精神療養のためにサイト24外部の鳥類生息地構内へ移送されることになっています。

説明: SCP-2550は生物学的には一般的にPhoebastria albatrus、またはアホウドリとして知られている種の1個体です。未解明の手段によってSCP-2550は人間の唸り声、溜め息、啜り泣きのような非言語の発声を行うことができます。SCP-2550は少しの知性も表面的には示さず、同様に通常のPhoebastria albatrusの範疇を超えた発声のための高度な生物学的基礎を有しません。加えて、その発声に暴露された全ての何の異常も示さないPhoebastria albatrusに、SCP2550と同様の非言語の人間的発声表現を感染させる異常な性質を示します。SCP-2550-Aと指定されたこれらの感染した鳥は生涯この異常な性質を保持しますが、他の個体を感染させる性質は示しません。

SCP-2550の標準的な動作は何の異常も持たないPhoebastria albatrusのそれから、著しく逸脱しています。SCP-2550は基本的に巣と定めた特定のエリア内に留まり、極稀に食餌のために顔を出す程度です。過去、あまりに長い期間食餌を放棄したがために食餌を強制する必要がありました。典型的鳥類における動機づけや介護方法はSCP-2550においては有効ではありません。ギュンター博士の主張の根拠として、Phoebastria albatrus用に特別に調製した選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を投与する厳格な療法はSCP-2550の振る舞いを矯正する試みの数々の成功に貢献しました。

SCP-2550が巣から出る時は、構内にいくつか設置された枝の内の1本に留まり、異常な発声を生じます。その発声が人間のそれと同様の意味を持つと仮定するならば、ほとんどの場合それは精神的な苦痛による溜め息のように聞こえます。この"溜め息"以外の発声は、収容の初期段階において数日間啜り泣き、呻き叫んだこと以外には観察されていません。SSRIの投与が全体的な振る舞いの改善に意味があったとは到底思えませんが、少なくともそれが施されたSCP-2550は少々活発的となり、自発的に食餌を取らせることに成功しました。

補遺: ████/██/██、封じ込めエリアでSCP-2550の自然の生息地の様子を再現することでより好ましい収容環境となるのではないか、という提案がサイト-24の鳥類心理研究会の4:1の可決票によって実行に移されました。SCP-2550はこのプロセスの間、専用の収容セルに移動されました。1以降の1週間でSCP-2550の精神状態が劇的に悪化したことが観測されました。8日目、SCP-2550は収容エリアに含まれる他のPhoebastria albatrusとの違いを曖昧にするために、樹皮、枝葉及び各種落ち葉や破片を取り除きました。注目すべき点として、SCP-2550を鎮静し収容方法が以前の状態に戻るまで苦悩に満ちた泣き声を発していました。このイベント後の現在SCP-2550は著しく無気力でSSRI治療への耐性がより強くなりました。より強力な精神治療薬の完成を急いでください。

実験ログ2550-45k-σ-θ:

日本列島の南に位置する伊豆諸島のSCP-████の異常な[編集済み]を含むエリアを定期巡回中のエージェントが、人の立ち入らない植物相関内で人間集団の発声を聴いたと報告しました。SCP-2550はその本当の性質を確かめられる前に、暫定的にSCP-伊豆-Primeと名付けられたPhoebastria albatrusの小さなコロニーとして発見されました。本土から遠く離れた伊豆諸島の地理も相まって研究は難航しましたが、SCP-2550が実質的にこの異常現象の原因であると断定されました。この時の研究者のメモは、荒野に野放しとなっている間SCP-2550が抑圧された鬱の症状を示しておらず、また時折人間のような笑い声や嬉しそうな感嘆の発声を示していたことを記録しています。その後SCP-2550-Aの全ての例は根絶され、SCP-2550はサイト-24で最終的な収容のため捕獲されました。

最初の封じ込めの際、現在の無気力な状態に陥る前に―恐らくSCP-2550-Aやそのコロニーの破壊という外的刺激によりもたらされた疲労により意識を完全に失う前に―その輸送容器内で数時間にわたりヒステリックに叫ぶ様子が記録されています。SCP-2550はその後収容下において19日間にわたって食餌の強制を必要としました。

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