SCP-2550-JP
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注記: あなたが閲覧しているのは該当ファイルのアーカイブ版です。

当ファイルは現行文書の過去のバージョンです。そのためロックされ、アーカイブされています。内部に含まれる情報は不正確であるか、最近の利用可能なデータを反映していない可能性があります。

詳細については、この異常存在の現任の収容監督官(jrickwood@scp.psychology)まで連絡するか、あなたのIntSCPFNサーバー管理者までEメールを送ってください。

— ジョン・リックウッド、心理学部門長


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被害者の夢のイメージを抽出した画像

アイテム番号: SCP-2550-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 処置2550-ウィワットの実施は、SCP-2550-JPの実験目的以外では現在禁止されています。全被害者はサイト-990に移送され、SCP-2550-JP研究に用いられます。

説明: SCP-2550-JPは処置2550-ウィワットの実施が決定された財団職員に発生する昏睡現象です。被害者に身体的・精神的な共通点は存在せず、経歴上も他に共通点は見られません。処置2550-ウィワットが実施前に中止された全ての事例に於いて、SCP-2550-JPは発生しませんでした。

SCP-2550-JPは基本的にレム睡眠下にある職員に発生します。処置2550-ウィワット実施の1時間前までに職員が睡眠していなかった場合、その場で一切の予兆無く昏睡します。昏睡状態の度合いはGCS5(E1V1M3)1です。

被害者は、睡眠中、もしくは昏睡直後に赤い空・赤い海・白い人型実体群という要素を含む夢を経験します。その内容は被害者によって異なりますが、基本的な流れは同一です(補遺2550-JP.1を参照)。

補遺2550-JP.1: 探査

以下は、ファウンデーション・コレクティブ職員による被害者の夢界の探査ログです。

探査ログ


日付: 2009/02/18

対象者: D-73194

探査者: ハートリー博士

記録者: ダンヴィル上席研究員


<記録開始>

[2名が夢界に進入すると、赤い空と赤い海が広がっている。ハートリー博士は白いカラス、ダンヴィル上席研究員はノートの形態を取っている。目の前にはD-73194の他に、数百体程度いると思われる白い人型実体群が確認できる]

ハートリー博士: 失礼。デイビッド、と言ったかな?何が起こっているか理解─

[サイレンの音が鳴る。人型実体群の向こうにサイレンが立っており、そこから音が出ていると推測される。D-73194は耳を塞いでおり、サイレンが止むまでそれを続けた]

ハートリー博士: ─何が起こっているのか、理解しているかね?

[D-73194はハートリー博士の方を振り向く]

D-73194: …わ、わからない。ここは何だ?お前たちは何なんだ。

ハートリー博士: 私と彼女は財団の研究者だ。そして、君は今夢を見ている。

D-73194: 夢?

[人型実体群が次々に海に飛び込み始める]

ハートリー博士: そうだ。このまま行けば、現実の君は一生目覚めなくなるだろう。

D-73194: そ、そんな!俺はどうすれば!

ハートリー博士: 落ち着くことだ。そして、私に今君が感じていることを話してみろ。

D-73194: 俺が?ええと、その、すごく雲が怖い。

ハートリー博士: 雲?

[空を見上げると、暗雲が出現し始めている。頭上には巨大な黒い穴が空いている]

ハートリー博士: なるほど、あれか。だが何故怖いと感じる?

D-73194: わからない。でも、あれが大きくなり続ければ、俺は、終わってしまうって感じるんだ。

ハートリー博士: 終わる?死ぬということか?

D-73194: わからないけど、ただ終わるって何故か思うんだ。あれが、終わりそのものに思えてきて。

[暗雲が増加し、空の大半を覆っている]

D-73194: ああ、来る。終わりが来る!

[D-73194が海に飛び込む]

ハートリー博士: 待て!

[D-73194が飛び込んだ瞬間、黒い穴と暗雲の大半が消失する。周囲の人型実体は1体も確認できない。再びサイレンが鳴り、ハートリー博士が羽ばたきながらサイレンに接近する]

ハートリー博士: お前は、自我を持った実体か?

[暫くの間静寂。ハートリー博士が嘴でサイレンをつつくと、地鳴りと共に海がせり上がり、サイレンを飲み込む。ハートリー博士が離れると、海は老年男性のような形状に変化する]

海: …お前たちは、そこまで夢に詳しいのか?

ハートリー博士: …質問に答えるつもりはない。だが、私の質問には答えてもらう。お前がこの夢を見せているんだな?

海: 私は、救っているのだ。お前達から、哀れな魂達を。

ハートリー博士: 魂?

海: お前たちは、夢がどれほどの大国か知っている筈だ。お前たちがたった1回と軽視する滅亡で、どれほどの魂が犠牲になるか知っている筈だ。

ハートリー博士: 何を言って─

海: この空の上の水は、最早在るとすら呼べなくなった者たちの血だ。たった10と数回の悪行で、お前たちはあれほどの命を弄んできた。私が気づけば、これほどの命が弄ばれてしまったのだ。これ以上それを許すわけにはいかない。

ハートリー博士: 処置2550-ウィワットのことか。だが、それでどれほどの命が救われると思う?それで奪われる命と、救われる命を天秤にかければ、自ずと答えは出る。

[海が頭を抱えた形状に変形する]

海: ああ、そうか。お前たちはそうしてこの無垢なる聖域を汚したというのか。なんと愚かな。なんと外道な。

[海が形状を崩し、元の形状に戻っていく]

サイレン: お前たちが無思慮に、欲望のままに聖域に踏み入った罪は、お前たちの終わりによってのみ償われる。

[海が完全に凪の海の形状に変形する]

<記録終了>

探査ログ


日付: 2009/03/03

対象者: ダンヴィル上席研究員

探査者: ハートリー博士


<記録開始>

[ハートリー博士が進入すると、赤い空と赤い海が広がっている。既に白い人型実体群が飛び込み始めており、老年男性の形状をした海の前に、現実と同じ姿のダンヴィル上席研究員が立っている]

ダンヴィル上席研究員: 私の夢から、一刻も早く去ってください。

海: それでいいのか?このままでは、お前は死よりも恐ろしい苦痛に曝されることになる。…少なくとも、お前の数百の国民たちはそれを望んではいないようだが。

ダンヴィル上席研究員: 構いません。私は財団職員として働く中で、自分の命を犠牲にする覚悟をしてきました。いつ死ぬかも、死ぬよりも苦しいことになるかもわからない職場に身を置くことになるわけですから。何より、その無惨な努力の果てに大勢の命が救われる訳です。これほど素晴らしい終わり方はありませんよ。

[ため息]

海: お前は愚かだ。自らの心がここまで恐れているのに、理性だけで終わりを受け入れようとしている。心の準備が出来るだけましとでも思っているのだろう?

[ダンヴィル上席研究員が無言で頷く]

海: 哀れなものよ。そうした誤れる信念によって、あらゆる者たちの尊い命が弄ばれ、この聖域が血で染まっていくことさえわからないとは。お前がそれほど強い信念を以て私の警報を受け入れないならば、私はもうお前を穴から隠さない。その外道の罪のままに、その素晴らしい生を終えてしまうといい。

[海が元の形状に変形し始める]

海: だが、忘れるな、お前たち。私は必ず、その全霊で以てお前たちに報復してみせる。

[海が完全に凪の海の形状に変形する]

<記録終了>


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