SCP-2555-JP
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『SCP-2555-JP』に関連する4つの報告書が検索されました。



警告

報告書閲覧の際には適切なセキュリティクリアランスレベル(SCL)を提示する必要があります。職員が閲覧できるのはSCLに適合した報告書のみであり。上位のSCLを有していても下位の報告書にはアクセスできないことに留意してください。




SCiPNETにようこそ。適切なSCLを提示してください。

user: Yusuke Tuda
ID: Re-76kj554h

SCLを照合しています……

SCLの照合が完了しました。

ようこそ担当職員様。指定のファイルを展開します。


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SCP-2555-JPの霊素撮影画像

アイテム番号: SCP-2555-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2555-JPはサイト-888の収容ユニット2555-JPに収容されています。収容ユニット2555-JPにはメトカーフ非実体反射力場発生装置が3組の予備設備と共に設置されており、SCP-2555-JPを恒常的に固定しています。5名の警備員が収容ユニット2555-JP付近に配置され、3名の技師がメトカーフ非実体反射力場発生装置の制御・点検を行っています。

SCP-2555-JPの収容業務に当たる職員は、継続的な内容の記憶のため、クラスV記憶補強剤1をその業務期間の終了まで週に1度服用し続ける必要があります。

説明: SCP-2555-JPはヨーロッパオオカミ(Canis lupus lupus)に類似する形態をとるタイプΓ霊体2です。通常の状態では情報生命体として振る舞いますが、多くのヒトにその情報を記憶されるほど霊体として現実に出現します。SCP-2555-JPの振る舞いは実際のヨーロッパオオカミのものとほぼ一致しています。当報告書ではSCP-2555-JPのタイプΓ霊体、情報生命体として特異的な行動をヨーロッパオオカミの生態に準え、"睡眠"や"排泄"と定義しています。

"睡眠"はSCP-2555-JPの活動が停止する状態を指します。"睡眠"中、SCP-2555-JPは一切の行動をとりません。この状態はSCP-2555-JPの霊素や周辺状況に干渉することで中断することが可能です。この状態を中断した場合、SCP-2555-JPは周囲の人物に対して敵対的な態度を見せます。

"排泄"はSCP-2555-JPが実在性を排出する状態を指します。SCP-2555-JPは実在性を減少させることにより、自身の霊体としての度を減少させ、情報生命体としての振る舞いを高めます。減少した実在性はSCP-2555-JPの"睡眠"中を除き回復します。SCP-2555-JPが実在性を回復させている手段は不明です。しかし、"睡眠"と"排泄"に準ずる状態が存在することから、SCP-2555-JPは不明な方法で"食事"にあたる行為を行なっていると推測されています。

また、SCP-2555-JPは低度の反ミーム性を有しています。この影響により、一般的な反ミーム耐性のみを有する職員は最後の接触から換算し、3ヶ月以上にわたってSCP-2555-JPの情報を継続して記憶することができません。そのため、SCP-2555-JP関連業務にあたる職員はクラスV記憶補強剤を服用することが望まれます。

以下は時間経過とクラスV記憶補強剤を服用しない場合の記憶忘却の関係性の表です。

時間経過 症状
7日以前 一般的な反ミーム耐性を持つ職員であれば問題なく報告書の内容の記憶ができる。
8日経過 軽度の記憶の忘却が始まる。SCP-2555-JPの形状などの周辺情報の欠落が始まる。特性などの主要な情報の記憶は保持されている。忘却した情報は欠落を指摘されることで再び内容を記憶することができる。
15日経過 周辺情報の記憶の忘却が進み、SCP-2555-JPの情報を喪失するため、外部からの指摘無しではSCP-2555-JPの収容活動への従事ができなくなる。
20日経過 主要な情報の忘却が始まる。この時点で欠落の指摘による情報確認は行えなくなり、再度のSCP-2555-JPの情報の記憶には報告書の再読が必要とされる。
21日経過 完全にSCP-2555-JPの情報を失う。

補遺1: 財団の調査では、古代ローマの複数の属国にまたがってSCP-2555-JPが認知されていたことが確認されています。最古の記録は89年のものです。

SCP-2555-JPは財団による1974年の調査によって発見されました。異常物品を利用していたと考えられるいくつかの古代ローマ国家の文献調査中に調査員の1人がSCP-2555-JPに関する記述を発見、直後に室内の霊素観測値に異常な変動が見られたためSCP-2555-JPの実在が確認されました。その後財団はSCP-2555-JPに関する調査を行い、その異常性を把握、当報告書を作成しました。

いくつかの文献から読み取られるSCP-2555-JPの描写

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SCP-2555-JPが描かれた文献。

描写1: 十数人の農奴が作業をしている様子と、農地の隅で眠っているSCP-2555-JPが描かれている。農奴は様々な方角を向きながら作業をしているが、全員の目線はSCP-2555-JPに集中している。

描写2: 壁に対し、老人がSCP-2555-JPと思われる生物の絵を描いている。それを若い人物らが取り囲むようにして眺めており、手に持っている道具や周辺の情報から鉱山で働いている奴隷が描かれていると思われる。

描写3: 中心にSCP-2555-JPが眠っており、それを取り囲むように数人の奴隷が描かれている。奴隷らは周辺で眠っているか、もしくは雇い主に指示を受けている。雇い主の顔は不自然に外側に向けられている。

描写4: 当時の統治者と思われる華美な服装をした人物がSCP-2555-JPを連れ歩いている。向かい合うようにして跪く多数の奴隷、もしくは市民が描かれている。特筆すべき事項として統治者と思われる人物やその側近には目が描かれていない。対して市民や奴隷には顔が描かれている。当時の他の文献では見られない特徴であり、その詳細は不明。

SCP-2555-JPの記録は識字率の高い支配階級より、識字率の低い被支配階級に多く見られます。記録方法の多くは絵によるものでした。何故SCP-2555-JPの認知が低い階級に偏っていたかは判明していません。

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