分類委員会覚書: Ticonderogaクラスは、その収容が不能かつ不要なオブジェクトの分類として定義されています。

トーテム化されたSCP-2562-JP-A-1の分霊。
特別収容プロトコル: SCP-2562-JPの民間への影響は無視可能な水準であり、積極的な収容は行われません。
SCP-2562-JP-Aは現地で自己収容状態を維持されます。現地から最寄りの収容サイトにトーテム化したSCP-2562-JP-A実例の分霊が保管され、神学部門職員による定例礼拝が行われます。
説明: SCP-2562-JPは送信元のIPアドレスが不明な一連の電子メール群の総称です。SCP-2562-JPは常に民間企業の人事担当者に送信され、就職希望の旨と粗雑なエントリーシートが添付されています。現在、SCP-2562-JPは不特定多数のピスティファージ実体1 (SCP-2562-JP-A) によって不定期に送信されていることが判明しています。SCP-2562-JP-Aの目的は、企業からの不採用通知2を受け取ることです。
補遺2562-JP.1: インタビュー記録
インタビューログ2562-JP.1
対象: SCP-2562-JP-A-1
質問者: エージェント・豊沢
前文: SCP-2562-JP-A-1は電子メールではなく郵送によってエントリーシートを提出し、その内容が"神"を自称するものであったことで財団の注意を引きました。差出人の住所へ派遣されたエージェント・豊沢は、現地の氏社で衰弱したピスティファージ実体を発見し、即席の礼拝の後に簡易的なインタビューを実施しました。
付記: 可読性のため、話者はそれぞれ"A-1"・"豊沢"と略称されています。
«ログ開始»
豊沢: 話すことはできそうですか?
A-1: ああ、構わないよ。ありがとう。
豊沢: では、インタビューを開始します。早速ですが、あなたが[編集済]社に郵送した履歴書のことについてお聞きしたいです。なぜ、あのようなことをしたのでしょうか?
A-1: ああ — はやい話、「お祈りメール」とやらが欲しかったんだ。
豊沢: 不採用通知の俗称ですね。それはつまり、ええ — それによって、信仰の効果を得ようとしたということですか?
A-1: その通りだ。(間)どうやら、電子メールでないと駄目だったようだな。もったいないことをした。
豊沢: (間)それは — いえ、実際のところ、効果はあるのでしょうか? とてもじゃないですが、ああいったものにきちんと祈りを込める人はいないと思うのですが。
A-1: 知らないさ。失敗したせいでこんなザマに — あんたらが来てくれていなかったら、今頃どうなっていたんだか。もともと、ここいらの住民がここ数年でみんなぽっくり死んじまったもんだから食いつなぐのが大変でな。このままじゃたまったもんじゃないと思ってインターネットで相談したんだ。
豊沢: インターネットで? ええと — 不採用通知から信仰を得る、というのはあなた自身が考え付いたことではないということでしょうか?
A-1: そういうことだ。
豊沢: つまり、他にも同じ手段を使っている — 神格が存在すると?
A-1: そうだろうな。私たちは学歴なんてものはないからその通りに書けば絶対に不採用になるんだと。ありがたいことだね。
豊沢: 事情は理解しました。(間)じきに我々の仲間がもう一度ここへ来ることになっています。詳しい対応はそこで説明されるでしょうが — ひとまず、もうお祈りメールは必要なくなりますので、もうこういったことはしないでくださいね。
A-1: ああ、わかったよ。
«ログ終了»
後記: 上記のインタビューでSCP-2562-JPの存在が発覚し、各SCP-2562-JP-A実例の収容計画が開始しました。
補遺2562-JP.2: SCP-2562-JP-Aの収容のため、インタビューログ2562-JP.1で示されたインターネット上の神格コミュニティにて、SCP-2562-JP-A-1の協力によって財団が保護機関として周知され、保護要請のためのメールフォームが開設されました。現在、20000件以上の応募が寄せられており、一部の収容サイトで人員不足が発生しています。受け入れ準備が整うまで、代替措置としてSCP-2562-JP-Aには略式礼拝を施した不受理通知が送信されています。