アイテム番号: SCP-257
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-257はその性質上移動できない為、SCP-257の外にサイト-93が建造されました。SCP-257の内部に入ってよいのはレベル2収容回収職員かそれより上位の者に限られます。動作検出ビデオカメラがSCP-257の展示全体にわたり設置されており、出現してくる新たな生体標本を監視しています。
SCP-257から得られた生体標本はすべて検査し、記録し、SCP-257から連れ出してください。生体標本は研究をし脅威程度の分類をするのでサイト-93の一時保護柵に入れてください。研究員がさらに研究する価値があるとの鑑定を標本に対し下したなら、職員は記入用紙257-12に必要事項を書き入れ、適切な研究プロトコルに従ってください。それ以外の場合には標本は保管と長期ケアのために生物サイト-29に送られます。
説明: SCP-257は廃墟となった動物公園で、英国の████████に位置します。『珍獣コレクション』と評されているその動物園は、ウィリアム・ウッドワースなる人物、『現実性12/3.14のこちら側でもっとも偉大な探検家にして博物学者』と広告ビラにあるその人物の名をとって名付けられたものです。SCP-257内で見つかった宣伝素材によれば、動物園は1899年に設立され、その目指すところは『英国の紳士淑女に自然について、そして探検家たちが旅の日々の中で出会った多くの奇妙な野獣について教育する』ことだそうです。SCP-257の場所や概観に対応するような許諾、建築免許、建築許可などは一切見つかっていません。
動物園はメンテナンスのため一時的に閉鎖されたことを示す掲示や告示はいくつかあるものの、荒れ果てた園の様子や時代遅れの備品からは、園は少なくとも五十年は打ち捨てられたままだろうと推察されます。
不定期に、動物が動物園の境界内に未知の仕方で出現することでしょう。これらの動物はあちこちの囲い内にランダムな時間間隔で出現します。同時に手書きのマニュアルが動物園入場口のチケット売り場内部に出現します。これらの手引書はそれぞれの生物について適切な手入れと給餌の仕方を、そして時にはその由来と獲得についても詳述しています。動物たちは見た目、振舞い、分類のどれについてもとても幅広いものになっています。多くは地球上の動物のどれとも関係がないようです。これらの動物がいつ到着するのかにどんなスケジュールもないようです。過去██年間にもたらされた動物の完全なリストについては確保記録W-257をご覧ください。
██/██/████に、以下のタイプライターで打たれたメモ書きがSCP-257の入場口にて手引書とともにピン留めされているのが発見されました。
探検家にして博物学者、ウィリアム・ワードワース教授の机上より
謹啓、スペシャル・コンテインメント・プロシージャズ財団の紳士にして動物学愛好家の御歴々
今やしかとお気付きであろうとおり、諸兄にお任せしようと決めた、我が動物園、そして我が稀覯にして異邦情緒芬々たる動物たちのコレクションを、我輩が不在とするあいだ。諸兄は実直にして信用に値する科学の徒、しかとかのものらの守りをしおおせてくださることだろう。[編集済]、[編集済]、そして[編集済]を経巡りて、我輩はEnouiousの第十三衛星をこそ我がサファリの次の停泊地にと定めたところ。諸兄が如き博物学者にして教養ある御歴々なら、ここにて我輩の見つけたる、絢爛溌剌たる獣たちの幾許か、それらの研究をしかと楽しまれることだろう。物見高い公衆は、我がコレクションに新たに加えられしものどもの真価を見抜かれよう――そのものどもは、我輩がかつて見しものに似たるところなにもなし! あまり長くは書いてはおれぬ。我輩は土地の案内人とともに、明日は早くに起床して、仕掛けの確認をするつもりなのだ。
倦まず弛まず励まれよ!
敬白、ウィリアム・ウッドワース教授
日付 |
属 |
説明 |
注記 |
01/3/19██ |
Elephas spp.未詳、おそらくantiquus |
五頭の小型ゾウ、体高およそ三フィート。手引書によれば『我輩はこの絢爛たる動物と地中海旅行中に遭遇した』とのこと。 |
█████████博士が研究のため短期間保持。遺伝的リンクにより現代のアフリカゾウとの関連が突き止められた。現在生物サイト-29にて保管。 |
01/6/19██ |
未詳 |
大変大きな十足類の無脊椎動物で対応する地球上の種はない。ヤドクガエルのもとの似た衰弱性の毒素を分泌する。手引書の注記には『そのものはとある化合物を周囲に見出そう、さすれば解そう(……)縄張りを脅かされているものと。甚だ神経質である』とある。 |
現在生物サイト-29にて保管。 |
05/13/19██ |
Pygocentrus spp. ? |
大変小さなピラニアおよそ300匹の群れ。共生微生物により生体発光する能力を持つ。手引書の説明ではそれらは『アマゾン河の近隣にて調達』とだけあり、それ以上の説明は何も与えられていない。 |
現在生物サイト-29にて保管。 |
07/20/19██ |
Brontotherium hatcheri |
雄のブロントテリウムの成体。手引書の注意するところによれば『まことに見物のこの野獣と目を合わせること、それは汝自身の死亡通知書の署名となろう』とのこと。 |
現在生物サイト-29にて保管。 |
09/15/20██ |
未詳 |
関連情報は文書443/SCP-████に移動された。さらなる情報については事件報告3-122A参照。 |
[削除済]事件の後SCP-████に再分類された。SCP-257をKeterに引き上げようという要請は却下された、何故ならSCP-257はその本性上移動することがないから収容が容易であるし、SCP-████も収容可能なものであったからである。 |
01/5/20██ |
Rhinoceros sondaicus |
幼ない雌のジャワサイ。 |
特異な点は見出されなかった。現在生物サイト-29にて保管。近隣の動物研究施設に引き渡すかどうかについては保留。 |
12/2/20██ |
未詳 |
巨大で泡立った蛹。非侵襲的走査により、内部には人間大の、おそらくは昆虫である未知の無脊椎動物が確認された。手引書には『このものは孵るや否や卵を産み出そう。時を経ずして汝は盛んなる群生をその手にすることとなろう!』とある。 |
安楽死に処しホルムアルデヒドに浸けてある。現在████████と████████両博士がサイト-██にて研究中。 |
4/6/20██ |
未詳 |
甲殻様の殻で重く鎧われた生命体。明るい黄色の植物に覆われている。手引書には『この輩は常に大きな重力のもとに留めよ』とある。 |
4/23/20██に死亡。遺骸は研究のために保存。 |
12/13/20██ |
Kentrosaurus aethiopicus |
ケントロサウルスの雄の子供。手引書の記述によると『その肉、美味といえど、無難に得ること甚だ難く、野獣どもをして放置させしむるものなり』 |
疾病の合併症により2/28/20██に死亡。遺骸は研究用にとっておき、ホルムアルデヒドに浸けてある。現在研究に利用可。 |
11/11/20██ |
Dinornis spp.、恐らくrobustus |
モアの卵と信じられている。手引書の記すところによれば、『成鳥の肉は味わいを欠くといえども、その卵は、調理法適切なれば、老いも若きも好む美味と供されよう。今やモアの飼育にはスコットランドにて流行の兆しあり……我輩は望む、近き将来セント・メアリズの地にて養殖されし群れの根づくことを』とのこと。 |
現在生物サイト-29にて孵卵中。 |
6/21/20██ |
Pan paniscus |
12頭のボノボの一団。手引書の記すところによれば『かの地の猿人どもはこの野獣どもを飼い馴らし、友とせしめた様子』とのこと。 |
現在生物サイト-29にて保管。 |
9/21/20██ |
未詳 |
二頭の、鹿ほどの大きさの六本足の脊椎動物で、キチン質の外骨格に覆われており、昆虫のものと似た口吻を持つ。草食。手引書の記すところによれば、『火星サバンナの氾濫原をこの荘厳なる獣の往くを見るは、ヌーや角竜の見せる地球至高の渡りに優るとも劣らず』とのこと。手引書はこの種の個体をどのように狩りそして料理するかを詳述しており、ヒレ肉をとりフライパンで焼くのが一番で、『汁気の多い蟹』に似た味がすると記している。 |
現在生物サイト-29にて保管。未受精の卵嚢を今のところ雌と推定されている個体から除去。 |
3/29/20██ |
未詳 |
十二羽の未詳の属の鳥で、鶴に似ており、翼長は大きい。極めて賢い。人の声真似をし音楽を再現する能力を持つ。 |
『コレクションの戴冠用宝玉ともいうべき至宝』と説明されている。現在生物サイト-29にて保管。 |
ページリビジョン: 8, 最終更新: 10 Jan 2021 15:47