
人気のヒップホップダンス“ネイ・ネイ”を踊って雌に求愛するSCP-2579の雄個体。
アイテム番号: SCP-2579
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 既知のSCP-2579個体は全て動物学収容サイト-282に収容されます。個体群は太平洋北西部の森林を適切に模倣する大型の収容区画に居住させます。1日2回、食事が収容区画に配置されます。
説明: SCP-2579は、主に日本で発見されるエゾヒグマ(Ursus arctos lasiotus)とほぼ同一のクマの一種です。SCP-2579個体群は元々カナダ/ワシントン州境の近くで生育しているのを発見されており、太平洋北西部の環境に適応しているように見受けられます。SCP-2579個体群は全般的には非異常であり、食事や行動パターンは普通のクマと同一です。しかしながら、個体群は2種類の異常性質を帯びています。第一の性質は繁殖期の求愛行動に関連しています。第二の異常性質は、SCP-2579個体の脳にサイバネティック機器 (以下SCP-2579-1)が形成される点です。
雄のSCP-2579個体は異常な形式で、脳のサイバネティック機器に由来するものと推定されている音楽を生成することが可能です。繁殖期の雄は、音楽を流し、現代の楽曲と調和する韻律的な喉音発声を行うことによって雌に求愛します。音楽は一般的には、テイラー・スウィフトの“シェイク・イット・オフ”、サイレントの“ウォッチ・ミー(ウィップ/ネイ・ネイ)”、LMFAOの“セクシー・アンド・アイ・ノウ・イット”などの、アメリカ合衆国で人気の歌です。求愛儀式の間に演奏された歌は全て、現在のビルボードTOP 100にランクインしています。雄はしばしば演奏されている曲に関連するダンスをしようと試みます。
時折、2頭の雄が、1頭の雌と交尾する権利をめぐって争いを起こすことがあります。肉体的な格闘を行う代わりに、雄個体は巧みなダンスを披露し、そのダンススタイルに合致した曲を演奏します。SCP-2579個体はブレイクダンス、ポップ&ロック、クランピングを行うのが観察されています。一部の個体は音楽演奏に応じて、ネイ・ネイや江南スタイルといった流行のダンスに及ぶ様子も観察されています。
SCP-2579-1は、SCP-2579の成獣の脳に埋め込まれている小型機器です。この機器は個体の成長に伴って時間とともに自然形成されます。SCP-2579-1には3種類の主要コンポーネントがあります ― 小さなソリッドステートのストレージドライブ、ワイヤレス信号レシーバー、そして外層部。外層は主にケラチン様の物質で形成されています。ストレージドライブとワイヤレス信号レシーバーは骨・鉄鉱床・シリコン・[編集済]から形成されているように見受けられます。SCP-2579-1は如何なる形でもSCP-2579に害を及ぼしている様子がありません。SCP-2579-1とSCP-003の物質組成が類似していることから、2つのアノマリーは関連していると仮定されています。
SCP-2579-1の外層には“サイバネ強化熊たちのためのグレイルの動物園”という文言が浮き出した状態で記されています。機器のストレージドライブには幾つかのファイルが存在しています。これらにはreadmeテキストファイル、数点の設定ファイル、およびmp3形式の100~150種類の曲が含まれます。楽曲は現時点での“Billboard Hot 100”リストに基づいて週間隔で更新されます。