2024/11/██に観測されたSCP-2585-JP実例
アイテム番号: SCP-2585-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 財団の気象予報部門は大気圏監視網からのデータに加え、国内および国外の気象予報機関からの気象・気候データを収集することで、発生したSCP-2585-JP実例を観測し、記録します。
SCP-2585-JP実例が120分以上残留している場合は、隠密性消雲ミサイルによって該当のSCP-2585-JP実例を消失させてください。また、SCP-2585-JP実例を撮影した画像や映像に民間の注目が集まると予想された場合、状況に応じて「珍しい飛行機雲」または「画像加工」などのカバーストーリーを適用してください。
説明: SCP-2585-JPは、一般に「飛行機雲」と呼称される細長い線状の雲の異常な発生現象です。SCP-2585-JPが発生する正確な条件は判明しておらず、これまでに同一1のSCP-2585-JP実例が発生した例は確認されていません。現在、SCP-2585-JPの発生を予測する手段はなく、財団によるSCP-2585-JPの収容は不可能です。
SCP-2585-JP実例は外見的にはおおよそ一般的な飛行機雲と同一ですが、本来飛行機雲が形成されるために必要な条件2を無視して発生します。発生後、90%以上が5秒から10分以内に消失しますが、まれに長時間が経過しても消失しない場合があります。
また、SCP-2585-JP実例は本来の飛行機雲ではあり得ない異常な形状や角度で形成される場合があります。特に多い事例として、地上に対して垂直に形成されるケースや、空中で複数のSCP-2585-JP実例が交差するケースが挙げられます。
比較対象となる一般的な飛行機雲の形成条件が完全には解明されていないことから、SCP-2585-JP実例を正確に特定する基準は確立されていません。財団によって観測された「飛行機雲」は、以下のチェック項目のうち2項目以上を満たした場合、SCP-2585-JP実例として記録されます。
- 過去60分以内に航空機が通過した記録のない空域に発生した
- 過去60分以内に空域を通過した航空機の軌跡と矛盾する角度・形状で発生した
- 一般的に飛行機雲が発生し得ない気候条件の下で発生した
- 発生後、120分以上経過しても残留している
- そのほか、明らかに一般的な飛行機雲には見られない異常が確認された
- 発生した空域を撮影範囲に含み、発生した雲と95%以上一致する形状の折り目がついた写真または印刷物の存在が確認された3
補遺: 2024/11/██、私用で民間の航空機に搭乗していた財団研究員がSCP-2585-JP実例の発生を目撃しました。同日、気象予報部門からの報告により、前述した研究員が搭乗していた便と同じ航路で同じ時間帯に撮影されたと思われる写真の印刷物が回収されました。
印刷物は財団の内部向け広報誌に起用する画像の検討のため用意されていたものであり、印刷物そのものに異常性は認められませんでした。特筆すべき事項として、該当の印刷物は研究員がSCP-2585-JP実例の発生とおよそ同時刻に広報誌への採用が見送られる決定がなされており、紙類リサイクルボックスに投入するために上下におおよそ2等分になるように折り目が付けられたことが複数人の証言から分かっています。
回収された印刷物
収容チームが検証したところ、折り目の位置はSCP-2585-JP実例の発生位置と99.4%一致していたことが判明しました。この件を受け、折り目のある写真や印刷物とSCP-2585-JPの発生条件の関連性について研究が進められています。