SCP-2601-JP
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アイテム番号: SCP-2601-JP

収容クラス: Safe

特別収容手順: SCP-2601-JPは標準収容ロッカーに収容されます。精神衛生上ポジティブな影響が見られるため、SCP-2601-JP-1〜4については喜多峰明未氏との可能な範囲での交流が許可されています。倫理的な観点からSCP-2601-JPを用いた実験は無期限で禁止されています。SCP-2601-JPの捜索は担当職員から定期的に選出された人員が派遣されます。

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喜多峰明未氏が所有していたSCP-2601-JP-1(画像左)とSCP-2601-JP-2(画像右)

説明: SCP-2601-JPはコクヨ社のキャンパスノートの、破られた1ページに存在する創作内構造の総称です。SCP-2601-JPはデフォルメされた女児の形式をとり、ページ内に限定された移動能力と明確な自意識を有しています。またページ内に文章を書くことでコミュニケーションが可能です。 各SCP-2601-JPが存在するノート上に描き込んだ物品はそのSCP-2601-JPが扱えます。絵のクオリティは異常性に左右せず、当該SCP-2601-JPが認識したものとして扱われます。

SCP-2601-JPの異常性は自身を通るようにノートを分割1された際に発現します。各々のパーツに別れたSCP-2601-JPはそれぞれが元のSCP-2601-JPとほぼ同じように復元されます。またこの際、分割時にもっとも大きいパーツから復元したSCP-2601-JPが人格と記憶を継承します。それ以外のSCP-2601-JPは異なる人格が発生します。 いかなる人格も概ね10歳未満の女児をベースとしたものであり、そこから感情の出方によって差別化されます。

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SCP-2601-JPの異常性の解説図

SCP-2601-JPはTwitter上で動く落書きとして局所的に注目されました。発端となったツイートの投稿者はSCP-2601-JPの作成者と推定される発見時5歳の喜多峰明未氏の母親である智穂子氏です。 その後児童相談所の職員が喜多峰邸を訪ねた際に職員がSCP-2601-JPを目撃し、事実確認が完了しました。明未氏は虐待を受け衰弱していたため、智穂子氏を含む両親は警察、明未氏は回復を待ってから児童相談所でインタビューを行いました。

インタビュー記録2601-JP-1


インタビュアー: 数穂研究員
対象: 喜多峰智穂子氏


<記録開始>

[重要度の低い部分を割愛]

智穂子: で、明未のこと言やいいの。

数穂: はい、特にあなたがツイートしたあの絵について詳しくお願いします。

智穂子: あーあの落書き?詳しくも何もあいつが描いてたってだけ、アタシは何も関わってない。

数穂: ですがあなたはあの絵を破きました。

智穂子: それが何だって言うの?キブツハソンですよ〜って事?せっかくバズってたところにあいつが返せ返せってギャーギャーうるさくて、だから破いたの。親に楯突くガキってのは結局こういうのが一番効くんだって。だからあいつも大人しくなってこれでようやくせいせいしたと思ったらさあ、あいつまだ持ってやがったの。何あれ、当て付け?

数穂: さあ。

智穂子: しかも見たらなんか新しい落書き描いてるし、いつの間にね。ホント誰に似たんだかってくらい陰湿なやり方でキモい。だからキモすぎてもっと破いた。キモくてキモくてキモすぎて。

数穂: ……はあ、そうですか。

智穂子: あれならもう持ってても意味ねえぐらいだし。あーでもあいつゴミ袋漁ってたりしねえよな。意地汚さはあるからそれくらいやるかもしれね。なんかまたムカついてきた。あークソっ!クソがっ!

[重要度の低い部分を割愛]

<記録終了>

インタビュー記録2601-JP-3


インタビュアー: 数穂研究員
対象: 喜多峰明未氏


<記録開始>

数穂: さて、と。じゃあ明未ちゃん。明未ちゃんのことをおばさんに教えてもらってもいいかな。

[明未氏は小さくうなずく。]

数穂: ありがとうね。でももし聞いてほしくないことがあれば無理しなくてもいいからね。

[明未氏は小さくうなずく。]

数穂: じゃあまずあの……あーそうだ、明未ちゃんが描いてた絵の子、あの子の名前を教えてくれる?

明未氏: やよいちゃんとみゆきちゃん。

数穂: そうなんだ、ありがとうね。じゃあやよいちゃんのことなんだけど、2人が喋るのはいつぐらいからなのかな。

明未氏: あの……あ……

[明未氏は大きく震え始め、母親である智穂子氏に対する謝罪の言葉を連呼する。]

数穂: あ、明未ちゃん!ごめんね!怖いこと聞いちゃったね!ここは大丈夫だからね!ちょっとお休みしよっか、ね。

[数穂研究員の判断で1時間ほどの休憩時間を挟む。2人は一度部屋を出る。]

[休憩後、明未氏と数穂研究員が戻って着席する。]

数穂: じゃあ明未ちゃん、やよいちゃんとみゆきちゃんのことを教えてもらってもいいかな。

明未氏: うん。

数穂: 明未ちゃんは2人とどんなことを話していたのかな。

明未氏: みかちゃんやかりんちゃん2と遊んでることとか、幼稚園のこととか、ママのこともたまに。

数穂: そっか、色んなこと喋ってるんだね。そうだ、ちょっと戻すんだけど、やよいちゃんやみゆきちゃんっていう名前は2人が自分の名前はこうですって言ったのかな。

明未氏: ううん、わたしがつけたの。名前がないって言ったから、やよいちゃんって。みゆきちゃんもね、やよいちゃんとやよいちゃんじゃどっちがどっちって分からないから。

数穂: ってことは、明未ちゃんが名前をつけてあげたんだね。

明未氏: うん!

数穂: じゃあ今日はこのくらいかな。色々教えてくれてありがとうね。しばらくはここに居てもらうことになるけど、ゆっくりしていってね。

明未氏: あ……あの、あのね!……お願いしたいことがあるの。

数穂: ん?何かな。

明未氏: え……えと、その、ママがね、みゆきちゃんを……。

数穂: 明未ちゃん、大丈夫?

明未氏: だ、大丈夫……みゆきちゃんを、ビリビリって破いちゃった時にね、全部は見つけられなかったの……だからお願い!みんなを探してほしいの!

数穂: うん、分かった。じゃあ見つかったら明未ちゃんのところに連れてってあげるよ。

明未氏: 本当?!ありがとう!

数穂: 本当だよ。じゃあそれまで待っててね。

明未氏: うん!

<記録終了>

その後喜多峰邸を捜索したところ、複数のSCP-2601-JPが発見されました。パーツの形状から未発見のSCP-2601-JPがあると推測されており、現在も捜索中です。

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