
SCP-2608の成虫。
アイテム番号: SCP-2608
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 既知の全SCP-2608個体群の健全性を注意深く観察してください。工業的化学汚染源がこれらの個体群の生息環境に影響を与えることを防止する方策が取られるべきです。
SCP-2608個体群は全ての適切な財団施設で飼育し、優先的に監視してください。これらの「早期警戒システム」 (2608-AWS) に何らかの個体数減少が発生した場合には、サイト管理者に直ちに警告し予防措置を取ってください。超自然性、精神影響性、時間影響性を有する様々なSCPオブジェクトに対し、SCP-2608亜成虫を用いてその作用半径を再評価する計画はO5の承認待ちです。
2014年12月21日時点で、サイト-62には「全滅時の備え」としての個体群が確立されています。サイト-64の個体群は拡充され、SCP-2608の不可解な広域個体数変動を監視する目的に転用されています。
説明: SCP-2608は太平洋岸北西部原産の、ほとんど研究の進んでいないカゲロウの一種 (Stenonema nephilim) です。この種はわずかに効率的な代謝系を有することによって近縁種との競争に打ち勝ち、過去20年で北米の湿地帯に広がったと考えられています1。
SCP-2608の成虫は、比較的大きな眼を有すること、体の透明度が高いことによって近縁種と区別することが可能です。しかしこれらの差異は僅かであり、知識のない人物に特定は不可能です。亜成虫2と幼虫は、DNA検査を除くいかなる手段によっても近縁種と確実に区別することはできません。
SCP-2608が最初に財団の注意を引いたのは、個体群が2005年の春に広範囲で不可解な大量死を起こした時のことです。現在、これはSCP-1425の封じ込めに10日を要したことに起因していると考えられています3。現在、以前の分布域における個体群は既に回復しています。
SCP-2608個体群と、特定条件下におけるその各個体は、痕跡量の汚染物質に曝されただけでも脱皮障害や大量死を起こします。これはカゲロウ目の昆虫において標準的な反応ですが、SCP-2608の異常性はその感受性を正常性の範囲外にある事象にまで延長させています。
SCP-2608は物質的要素の存在と同様に、精神操作フィールド、異世界に由来する時空間、改変された時空間の存在に脆弱です。このため、SCP-2608個体群を「早期警戒システム」 (2608-AWS) として使用することが承認されており、個体群は適切な財団施設で飼育されています。これによって、財団の臨時サイトにおける異常活動の発生・増大・再開や、サイト・エリアにおける封じ込め違反に対する早期の警告が得られています。
SCP-2608個体が化学物質によるものと正確に同等の影響を受けるかどうかは、問題の現象とその由来に大きく影響されます。しかし現象の強度4と距離に関する大まかな洞察を与える2つの「経験則」があります。
- 1つのSCP-2608個体群の総体的な健全性は、周辺環境がその本来の生息環境5にどれだけ近いかの指標と見なせる。
- 1個体のSCP-2608の即死を引き起こすような影響は、財団工作員に対して十分な脅威となる。
SCP-2608個体群に有害な現象は、この種がその変動の影響を補償することが不可能であるような環境の改変に限られています。これには多くの自然現象も含まれるものの、財団の興味を引くもの(つまり、2608-AWSによる検出対象として防護措置が取られていないもの)としては次が含まれます。
- 精神影響フィールド
- テレパシーフィールド
- 時間歪曲
- 空間歪曲
- 現実歪曲
- 周囲に上記の影響を及ぼさないSCPオブジェクトに対して、単に接近すること。この場合には、オブジェクトはSCP-2608が感受性を持つ何らかの「場」に包まれているとの仮説が立てられています。
SCP-2608の亜成虫は特に脆弱です。適当なSCPオブジェクトを用いた実験では、オブジェクトの効果半径内に持ち込まれた時点で対象個体は一貫して死亡し、誤りはほとんどありませんでした。予備実験では、SCP-2608亜成虫を用いることで、驚くべき精度で適切なSCPオブジェクトの「効果範囲」境界をマッピング可能であることが示唆されました。
多くの場合、SCP-2608幼虫と亜成虫はヒト被験者よりも遥かに長距離からSCPオブジェクトによる擾乱の兆候を示します。ある顕著な事例では、以前にオブジェクトの効果範囲と考えられていた境界の800キロメートル外においてSCP-2608幼虫が死亡しています。
補遺: - 2009年5月26日 - 携行可能な2608-AWSを探査、回収任務に利用することも可能となりました。詳細はリンプ博士またはサイト-64管理者に連絡してください。
補遺: - 2014年12月21日 - 既知のSCP-2608野生個体群の全てが、2014年の降霜の影響として予測されたものを0.6%上回る個体数減少を示しています。さらに、財団飼育下の個体群の全てが不可解な0.5%の個体数減少を示しています。これを補償するため、2608-AWSの警報閾値は調整されました。
補遺: - 2015年4月10日 - サイト-62の個体群を除き6、全てのSCP2608個体群がさらに1.8%減少しました。これを補償するため、2608-AWSの警報閾値は調整されました。
補遺: - 2015年8月11日 - 広範囲のSCP-2608個体数減少は一定速度で進行しています。これを補償するために2608-AWSの警報閾値は調整され、今後も背景擾乱レベルを反映して調整され続ける予定です。