SCP-2610-JP
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SCP-2610-JP-1-22の存在する室内。SCP-2610-JP-1-22は室内中央部に浮いている。発見されたロープを外しても位置の変動は起こっていない。

    
アイテム番号: SCP-2610-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2610-JPの収容はオブジェクトの性質上不可能であるとされていますが、収容の不必要性からSCP-2610-JPの収容に対するリソースはオブジェクトの研究等にあてられます。SCP-2610-JPの発生を防ぐ為、各種行政機関より自殺予防についての注意換気を行いつつ、自殺者を確保するため、自殺サイトの運営及び監視を行います。

説明: SCP-2610-JPはヒト(学名:Homo sapiens)に特有の、特定の条件が重なることで起こる最終的に自殺に至る一連の異常行動と、その結果として死亡する人物に発生する反ミーム様の認識災害とその対象の部分的非物質化と考えられている現象です。

まずSCP-2610-JPは、ヒトにのみ発生すると考えられています。SCP-2610-JPの発生条件を整えて長期間実験を継続した場合であっても、ヒト以外の知性体にSCP-2610-JPが発生した例はありません。翻って、ヒトにおいては夜間就寝時の寝床において不特定の原因で広範な対象に発生することが確認されています。これは幼児( 満1 歳から満6 歳)において発生率が最も低く、年齢に比例するように発生率が上昇していきます。これらの対象は、SCP-2610-JP-1に分類されます。発症を引き起こす要因に考えられることとして、社会からの孤立感・死への恐怖・本人の抱える様々な事柄についての茫洋とした不安感などがあり、このような要素を薬物投与や操作を加えて人為的に増強した結果、複数のSCP-2610-JP-1を発生させることに成功しています。

SCP-2610-JPの発生した対象へのインタビューに共通して「夜間に寝床に入って目を閉じてしばらくして、自分の身体感覚と周囲の風などの音などに敏感になり、それに気がつくと不眠に陥っていた」という証言が得られており、SCP-2610-JPの直接的な発生因は不明なものの、発生するのは夜間就寝時に限定されていると考えられています。SCP-2610-JPの罹患者は典型的に、暗く巨大な空っぽの空間に一人取り残されているという妄想を併発することから、この妄想に関連する身体感覚や思考が、異常性発生の引き金となっているのではないかという説が有力です。

SCP-2610-JPは以下に概説する四段階を経て進行し、四段階目までに症状が進行した場合、自殺に至らなかった場合においても、SCP-2610-JP-1は不定の期間の後にその存在を認識することができなくなります。またSCP-2610-JP-1の死体もしくはそこにまだいると仮定されるSCP-2610-JP-1にハエやその他の腐肉食動物が反応を示すことから、SCP-2610-JPの最後に起こる現象は完全な消滅ではなく、あくまで反ミーム的性質を持った認識災害を伴う異常現象であると仮定されています。室内の実験環境下に設置された重量計は、SCP-2610-JP-1の存在を認識できなくなっても重量に増減が見られないため、SCP-2610-JPの主な異常性が反ミーム的効果であるという仮説を補強するものとなっています。

この反ミーム効果は、SCP-2610-JP-1の残した遺留品を手に取ったり、SCP-2610-JP-1の存在を強く認識しようと試みることで部分的に解除されます。反ミーム効果の部分的解除に至った対象は、SCP-2610-JP-1が最後にいた位置に人型の空白があると共通して証言します。

SCP-2610-JPがいつ頃から存在するかは意見が分かれていますが、日本においては戸籍制度が整えられた明治期以降に確認できる限り、失踪者のうちの█%はSCP-2610-JPの影響下にあったものと考えられ、また一部の幽霊譚は反ミーム効果の一部解除に至った対象がSCP-2610-JP-1の生成した空白を目撃したものと明確に特定されています。

第一段階 気鬱: 前兆期を経ない急性期の鬱病様症状を呈し、特有の不眠によりさらに症状が悪化していきます。向精神薬などの効果は不明な原因により減弱され、この段階で薬物の過剰摂取により死亡する例も存在します。

第二段階 孤立: 心身の耗弱により、SCP-2260-JP-1の交友関係は破綻し、社会から孤立していきます。また同時に「夜」「暗い穴」「落下」を共通するキーワードとして展開される妄想と希死念慮の発生がみられます。

第三段階 不眠: 不眠が完全なものになります。SCP-2610-JP-1最終段階の終了まで眠ることができません。しかし眠ろうと試み続けるため、精神状態は通常はさらに悪化します。

第四段階 自殺と消滅: 精神状況が限界に至った直後、妨害要因がなければSCP-2610-JP-1は直ちに自殺を図ります。自殺が妨害され続けた場合、最短で3 日最長で185 日で認識災害効果を発露し、反ミーム的効果によりヒトの認識下から消滅します。

補遺1: 以下は、SCP-2610-JPの影響を受けた█████博士がSCP-2610-JP管理・研究チームに提出していた日報の抜粋です。█████博士は大腸癌に罹患し、ステージⅣへ症状が進んだ直後、SCP-2610-JP-1を人為的に発生させる実験に志願し、SCP-2610-JPを発症することに成功した初めての事例であるSCP-2210-JP-1-14に指定されました。


補遺2: 全てのSCP-2610-JP-1の消失地点及び人の形をした空白が報告された地点にて動体センサーを用いた観測を行ったところ、一部の地点(-14 -17 -22等)で動体反応が確認されました。これにより現在反応の見られたSCP-2610-JP-1群を回収し、各種の試験を行う試みが継続されていますが、収容房ごと移動させるなどの手法を用いても空白部分に物理的干渉を行うことに失敗しており、さらなる研究の進展が待たれています。
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