SCP-2619
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アイテム番号: SCP-2619

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2619個体群はサイト-23の標準的な二重扉を設けた鳥類飼育場に収容します。SCP-2619個体には、Mimus polyglottos(マネシツグミ)の食性と一致する昆虫主体の餌を与えなければいけません。

説明: SCP-2619は後成的異常性を有するマネシツグミの亜種です。SCP-2619個体は分類学上で鳥綱に属するあらゆる種の姿を取りますが、ほとんどの場合はスズメ目の種として現れます。その外見にも拘らず、SCP-2619個体は(SCP-2619-1を例外として)遺伝的にはマネシツグミです。どのようにして、いつ外見が別種のものに移行するかは不明であるものの、SCP-2619個体の繁殖実験は変化が巣立ちの前に発生すること、そしてしばしば永続的であることを示唆します1

SCP-2619-1は、他のSCP-2619個体とは異なり、有効範囲内にヒトが存在する場合、数多くの異種鳥類に変身する能力を有しているようです。

直径約16mと断定されている能力範囲外では、SCP-2619-1は一切の異常形質を持たない雄のマネシツグミです。人間がSCP-2619-1の影響範囲内に踏み込むと、SCP-2619-1は自分の姿を別種の鳥に — 通常は範囲内の人物が個人的に好ましい印象を持っている種類に — 変換します。対象者が鳥恐怖症やあらゆる鳥類への全般的嫌悪感を持っている場合、SCP-2619-1は代わりに対象者が最も嫌っている鳥類種に変身して敵対的になり、形状に関係なくマネシツグミのそれに類似する縄張り防衛行動を開始します。

もし複数の人間がSCP-2619-1の効果範囲に同時に入ると、SCP-2619-1は最も近くにいる対象者が好む鳥に変化し、他全ての対象者はそれと同じ姿の鳥を知覚します。しかしながら、複数の対象者がSCP-2619-1から等距離にいる場合、SCP-2619-1は存在する全ての対象者間で異なる姿に知覚される場合もあります。写真や動画によるSCP-2619-1の記録は、対象者が影響範囲にいるか否かに関わらず、常にマネシツグミの姿を映します。

SCP-2619-1から採取されたDNAサンプルは、SCP-2619-1の外観変化が完全に遺伝的であり、各DNA検査でSCP-2619-1の当時変身していた鳥類種と一致することを明らかにしました。対象者の好む種が絶滅している場合でも、SCP-2619-1は依然としてその種に変身するため、他の手段で得られないDNAサンプルを入手することを可能としています2

SCP-2619-1はカリフォルニア州███ ██████の街で、ある1羽の鳥の外見を巡ってバードウォッチャーの一団が乱闘騒ぎを起こした後に発見されました。混乱したバードウォッチャーの一人から、電信柱にヒクイドリが止まっているという通報が警察に入り、SCP-████実体の可能性がある存在を追跡するため███ ██████警察署に潜入していたエージェント ダナーがこれを検知しました。

機動部隊ラムダ-4の小部隊が現場に派遣され、SCP-2619-1の追跡・捕獲に成功しました。当初現場に派遣された警察官とバードウォッチャーたちの全員にクラスB記憶処理が施され、取り乱した状態にあるバードウォッチャー数名は急性日射病の治療を装って病院へ搬送されました。

当該エリアの更なる調査の結果、異常なDNAを持つ数羽の鳥が発見されました。クロツキヒメハエトリ(Sayornis nigricans)1羽、ルビーキクイタダキ(Regulus calendula)1羽、ドングリキツツキ(Melanerpes formicivorus)数羽の全細胞の75%が純粋なマネシツグミのDNAを有していることが発覚し、遺伝的キメラの一種であることが示唆されました。全ての鳥はSCP-2619個体に指定され、財団の保護下に置かれました。

SCP-2619の子孫拡散規模が不明であるため、数名のラムダ-4エージェントがSCP-2619分布が疑われる事例の継続調査に割り当てられており、更なる個体は検出され次第回収する手筈になっています。

SCP-2619-1の右足には、以下のメッセージを小さな活字で刻印した標準的なトラッキングタグが取り付けられていました。

" NoMo3 EX5 オペレーション・ラザルス4の資産 "

他のSCP-2619個体は、ドングリキツツキのSCP-2619-6を除き、トラッキングタグを付けていませんでした。調査によって当該キツツキのタグは近場の研究所に属していると判明しましたが、尋問結果はSCP-2619-6にタグを付けた博物学者たちが異常性質を認知していなかったことを示唆しています。

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