SCP-262-JP
評価: +46+x

アイテム番号: SCP-262-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-262-JP-Aは鋼鉄製の拘束器具へ固定し、サイト-81██の専用収容室へ収容されます。収容室内はオブジェクトの運動抑制の為、紫外線照射装置により、常に3000μW/c㎡の紫外線が照射されるようにして下さい。収容室へ立ち入る場合は隻眼または隻脚のDクラス職員のみとして下さい。SCP-262-JP-Aへの給餌は不用です。SCP-262-JP-Aへは、2ヶ月に1度給餌が必要です。餌は別紙を参照の上、専用に培養された物を使用します。

SCP-262-JP-Aは刃物、ライフル弾などの貫通性の高い兵器に対して、高い耐久度を誇ります。収容違反など有事には、紫外線照射装置を備えたレスリーサルウェポンにより、特殊ゴム弾を用いて鎮圧して下さい。レスリーサルウェポンでの鎮圧が困難である場合、搬出通路へ誘導後、対物ライフルの射撃により一時無力化させ再収容をして下さい。

SCP-262-JP-Bは標準物品保管室へ保管されます。SCP-262-JP-Aが新たなSCP-262-JP-Bを生成した場合、所定の検査を終了後標準物品保管室へ保管して下さい。

説明: SCP-262-JP-Aは長さ2.5m、半径60cmの柱と、その高さ2m付近に貫かれるように固定された、半径約1.2mの球体で構成されます。柱部分は木製のように見え、球体部分は赤黒くでこぼことした形状をしており、真球ではありません。球体部分へは目を象ったと思われる意匠が彫られており、これが正面だと思われます。目の意匠のちょうど裏側には2対の触腕が生えています。この触腕は伸縮可能で、平常時には球体内へ格納されています。

SCP-262-JP-Aは平常時は直立したままを保ちますが、移動時には柱部分を用い一足飛びの要領で飛び跳ねます。隻眼または隻脚でない人間(以下、健常者と表記)に対しては非常に敵対的であり、オブジェクトの周囲3m以内へ健常者が立ち入った場合活性化し、柱部分を用い鞭に似た動作で攻撃を始めます。始めに足を集中的に攻撃し、動けなくなった対象の四肢をむしり取ります。むしり取った四肢は触腕により球体部へ運ばれ、捕食されます。捕食対象について人間の手足以外に興味を示しません。頭部、胴体部はそのままな為、外傷がない場合は救助次第で生存が可能です。家畜動物等についても興味を示しません。捕食行動後、およそ3時間から4時間後にSCP-262-JP-Bを排出します。活性化状態のSCP-262-JP-Aは太陽光と同程度の紫外線で運動の抑制が可能です。

SCP-262-JP-Aは、90日間捕食行動を取れなかった場合、飢餓状態となり自ら移動して「餌」を探します。このとき探索範囲が非常に広くなり、健常者以外の人間へも攻撃的となり捕食対象となります。飢餓状態のSCP-262-JP-Aには紫外線の効果は薄く、また比較的容易に拘束を破ります。過去に起きた収容違反事案では拘束具と三重扉が全て引きちぎられ、財団施設内の徘徊を許す結果となりました。ゴム弾、対物ライフルでの一時的な無力化は可能ですが現在まで完全な破壊には至っていません。収容違反時のコストを加味し、定期的な給餌をする現在の収容プロトコルとなりました。

SCP-262-JP-Bは茜色の鈍い光沢を持った未知の合金です。展延性に優れ、熱伝導率は金に迫ります。また、電気を流した場合に電圧を増幅させる作用が確認されています。これは合金の断面積によりコントロールすることが可能です。成分はニッケル13パーセント、銅11.2パーセント、及び75.8パーセントの磁鉄鉱で構成されます。合金は未知の手段で錬成されており、組成成分を既存の手段で合金化させた場合に再現が出来ません。

SCP-262-JPは20██/██/██、奈良県██群山間の集落にて旅行者の失踪が相次いだ事から財団の調査対象となり、集落で秘匿されていたところを収容されました。SCP-262-JP-Aは天然洞穴を利用した社にて「ハテノヒ様」と呼ばれ奉られており、SCP-262-JP-Bは集落の倉庫より87個の固体が発見されました。SCP-262-JP-A収容時、オブジェクトの活性化により先発調査チームのうちDクラス職員1名が死亡、エージェント2名が重軽傷を負いました。

集落はSCP-262-JP-Bを秘密裏に取引し財源としていました。取引先として要注意団体のフロント企業も含まれており、異常物体の製造に関係していた可能性が示唆されています。集落にて取引を担当していた5名及び関与していた2名は現在財団の保護下にあり、全住人へは記憶処理が施されました。

補遺: SCP-262-JP-Bの取り引きに関与していた7名は、インタビューの後記憶処理を施し、現在Dクラス職員として雇用されています。職務はSCP-262-JP-Aの世話が主となります。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。