SCP-2639-JP
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SCP-2639-JP

アイテム番号: SCP-2639-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: サンプル回収のため、財団所有施設にはフロント企業生産ウイスキー瓶が一定量配備されます。施設内のウイスキー瓶からSCP-2639-JPが発見された場合、未開封の状態で保持し、研究班に委託してください。

一般社会で発生したSCP-2639-JPについては、SCP-2639-JPを連想させる発信などが確認された場合のみ、発信者の特定と記憶処置を実施します。この際にSCP-2639-JPの眼球が発見された場合、回収を行います。

説明: SCP-2639-JPは未開封の小型ウイスキー瓶に出現する、ベンガルトラ(Panthera tigris tigris)に酷似した存在です。低価格帯、大量生産品の瓶に出現し、小売店での購入後に出現する傾向が高いとされます。

SCP-2639-JPの大部分は、出現した瓶と同じウイスキーで構成されています。この部分は周囲のウイスキーと入り混じり、緩やかにその形状を保ちながら流動しています。眼球のみ、硬質な固体として存在しています。体長は出現する瓶に合わせて変動し、瓶底を自由に移動できる大きさを維持します。瓶外部から見たSCP-2639-JPの視認性は悪く、大抵は発見できません。

SCP-2639-JPは怠惰かつ粗暴な性格をしています。基本的には瓶の底に横になり、瓶外部の様子を観察したり、目を瞑って伏せたりしていますが、ときおり瓶外部に向けて威嚇する、瓶の側面へ体当たりするなど暴力的な行動を取ります。後者の行動は瓶外部に変化がない場合にも行うこと、また瓶外部から刺激を与えた際に無反応な場合があることから、瓶内部から見える情景は瓶外部の状態に関係しない可能性が指摘されています。

SCP-2639-JPの出現しているウイスキー瓶の口に酩酊状態の人間(以下、対象)が自身の口を接触させたとき、対象は瓶の口を通じてその内部へと吸引されます。対象は瓶のサイズに合わせて圧縮され、内部で再構築されます。その後、対象は瓶内部で問題なく活動します。瓶が地面から離れていた場合、瓶は必ず瓶の口が上になるように着地するので、実質的に対象は瓶内部に閉じ込められます。

対象の吸引以降、対象とSCP-2639-JPは瓶内部に同居する形となります。複数の実験から、対象が瓶内部で取る行動とSCP-2639-JPの反応には共通性が見られます。以下、行動と反応の例を段階的に列記します。なお、その思考については現在記録できていません。

瓶内部での対象の行動例、SCP-2639-JPの反応例

対象は瓶内部を降下し、瓶の底に到着する。SCP-2639-JPの存在に驚き、恐怖によって硬直したり逃走を試みたりする。 SCP-2639-JPは好戦的姿勢を見せ、攻撃的な面を見せる。爪や牙を用いて実際に攻撃を仕掛けるが、ウイスキーで構成されているためにSCP-2639-JPが対象を通過する結果に終わる。

しばらくすると対象はSCP-2639-JPを遠くから観察する。攻撃の失敗したSCP-2639-JPは四肢を暴れさせるが、SCP-2639-JPによって発生する振動は非常に微弱である。行動中、一切動かなくなる瞬間がある。


十分に暴れたSCP-2639-JPは、瓶の底に伏せて目を瞑る。気の抜けたような表情で瓶外部を眺め、再度目を瞑るのを繰り返す。ときどき対象を睨むが、接触を仕掛けることはなくなる。

対象はSCP-2639-JPへの警戒を解き、瓶外部へと注目する。反射的に目を瞑り、手をかざす、目を細めるなどして特定の方向を見つめる。 SCP-2639-JPは対象の行動を意に介さず、先程と同じ行動を続ける。対象の見ている方向には目を見開いて凝視することもあるが、その後わざとらしく息を吐いて瓶底に伏せる。


対象は見ている方向に向かい、瓶の側面へ。側面に平手で触れたり、指で正円を描いたりして静止する。 その行為に対し、SCP-2639-JPは凝視し、歯を剥く。威嚇行為は激化し、最終的に対象へ攻撃を仕掛けるが、これも先程と同様に失敗する。

対象はSCP-2639-JPへ振り向く。その行動には驚いているが、SCP-2639-JPの存在には驚かず、大抵は接触を試みる。SCP-2639-JPは接触行為を威嚇して払った後、対象から距離を取って瓶の底で伏せる。特定の方向に対してはわざと顔を背け、たまに振り向いては顔を歪め、また目を逸らす。わざとらしく息を吐く頻度が高くなる。


SCP-2639-JPを見つめる対象は、次第に深刻そうな表情になっていく。

対象の視線を感知したのか、SCP-2639-JPは腕や胸に顔を埋める。顔を見せずに歯を剥くなどの行為をするが弱々しい。瓶の底で小さく縮こまり眠っているふりをして、頻繁に身震いを起こす。


SCP-2639-JPへ接近し、対象は接触を試みる。接触に成功しても、ウイスキーの体は対象を通過させ、撫でるなどの行為はできない。SCP-2639-JPは接触しようとする対象をあしらおうとするが、対象が積極的に接近するために抵抗しなくなる。対象が自身の体を通過するのを確認すると、露骨に視線を瓶底に落として丸くなる。

対象はSCP-2639-JPを見つめ静止する。その後、先程見ていた方向へと移動し、瓶の側面に体を叩きつける。SCP-2639-JPは対象の行動に頭を上げ、目を見開いて凝視する。伏せている状態から身を起こし、対象の後方を徘徊する。次第に、対象が起こした衝撃で瓶全体が揺れているのに気付き、身構える。


瓶の揺れで何かを確信した挙動を取り、対象は体を叩きつける行為を続行する。回数が増すにつれ、衝撃も増していく。平衡を保つのが困難になったSCP-2639-JPは対象を制止しようとするが、行動は継続される。

やがて、瓶が横倒しになる。瓶外部へ流れるウイスキーに注意して、対象はSCP-2639-JPへと向き直る。SCP-2639-JPは大部分がウイスキーから突き出す形になるが、その形状を保つ。周囲を見回しながら、対象と視線を合わせる。荒い息遣いで対象を見つめるうちに、視線は瓶の口から見える瓶外部へと移っていく。


対象は瓶の口を示す。瓶は対象とSCP-2639-JPが見ていた方向に倒れており、対象は空中に平手をかざし、指で一回り小さい正円を描く。SCP-2639-JPは首を横に振り、反対方向へ後退する。

対象は何かを発しながら腕を振ったり、直接引っ張ろうとしたりする。何かを発する様子は激化するが、その勢いは弱まる。SCP-2639-JPを見つめる対象は、またしても深刻そうな表情になっていく。

瞬間、SCP-2639-JPは一転して二足歩行になり、口角を上げて人間に似た笑みを浮かべる。

笑みを浮かべた直後、SCP-2639-JPは炸裂します。即座に形状を持たない一定量のウイスキーに変化し、瓶内部ではウイスキーの波が発生します。すべての対象は波に抵抗できず、瓶の口まで押し流されます。

瓶の口に到達した対象は再構築されて瓶外部へと脱出し、元の大きさに戻ります。対象の身体にはウイスキーの成分が大量に付着しており、多くの対象はアルコールの影響でそのまま昏倒します。

SCP-2639-JPが存在した痕跡として、眼球のみがその場に残ります。

補遺: SCP-2639-JPに遭遇する人物には、社会と隔絶状態にあるという共通性が存在します。具体例として、以下のような特徴が複数該当します。

  • 低所得であり、低価格帯のウイスキーを飲むことのみを娯楽としている。
  • アルコール依存症に陥り、社会生活を送ることが困難になっている。
  • 過去にトラウマがあり、蘇らせないために酩酊する習慣を持つ。
  • 強い希死念慮があり、それを打ち消すために飲酒に頼っている。

財団は可能な限りSCP-2639-JPと遭遇した人物と接触していますが、SCP-2639-JP遭遇後の人物らはある程度の社会性を回復させており、そうでなくても精神性を回復させている傾向にあります。SCP-2639-JPの影響が考えられますが、SCP-2639-JPと遭遇した際の記憶はいずれの人物も曖昧にしか覚えていません。これは事象発生直後に昏倒するためと推測され、このため財団でも瓶内部から見た瓶外部の情景は観測できていません。

遭遇した人物の多くはSCP-2639-JPの眼球を保存し、携帯しています。接触時、人物らは提示したSCP-2639-JPの眼球を太陽や照明に向けて掲げるような挙動を取りました。これについては日常的に行っている行動だと説明しましたが、その意味について論理的に説明が可能な人物はいませんでした。

物質の特徴として、光で照らしたSCP-2639-JPの眼球は鮮明な光彩を発します。

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