SCP-2643-JP
評価: +17+x
blank.png

アイテム番号: SCP-2643-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2643-JPの発生が疑われる通報や連絡が確認された場合、担当職員は対象の口腔内から得られた頭髪及び対象宅の前に出現したSCP-2643-JP-B群を回収します。この際対象には簡易的なインタビューを実施した後対象及び関係者には記憶処理を施し、適宜カバーストーリー「異物の誤嚥に伴う救助活動」等を流布し事態を処理してください。

説明: SCP-2643-JPは人が自宅で食事をしている際、口腔内の食物が徐々にヒト由来の頭髪に置換されていく異常現象です。以下、 SCP-2643-JPが発生した人物を対象と記述します。SCP-2643-JPの発生する食物はいずれも対象の配偶者によって調理・提供されているという点で共通していますが、使用された食材や調理過程等に異常な点は見られません。

SCP-2643-JP発生初期の対象は口腔内に微量の頭髪が含まれているという違和感を抱くのみですが、頭髪への置換が進行していくにつれ徐々にその違和感を増大させていきます。この時対象はしばしば口腔内に出現した頭髪を取り除こうと試みますが、その間も食物から頭髪への置換は継続され、この試みは最終的に対象が置換された頭髪の塊を吐出するという結果に終わります。対象はこの現象に対し例外なく強い嫌悪感を示し、以降SCP-2643-JP発生時に摂食していた料理あるいは頭髪に置換されたものと同種の食材に対し軽度の忌避感を抱くようになりますが、この影響は非異常のものであり記憶処理によって容易に除去することが可能です。

SCP-2643-JPによって出現する頭髪から得られる遺伝情報は過去に対象と交際関係にあった人物(SCP-2643-JP-Aに指定)のものと一致することが判明しています。また、全てのSCP-2643-JP-Aは過去10年以上前に対象と破局した後何らかの要因により死亡していることが確認されています。この際財団のフィールドエージェントが対象にインタビュー調査を実施したところ、全ての対象はごく断片的なエピソード記憶を除きSCP-2643-JP-Aに関する記憶の殆どを忘却している状態でした。この対象の記憶状態はSCP-2643-JP-Aの死亡時期からして非異常のものであるとされています。

SCP-2643-JPが発生した際、同時に対象の在住する家屋の前に後述する特定の物品群(SCP-2643-JP-Bに指定)が出現します。この時出現する物品は歯ブラシ、食器等の日用品類、またネックレスや指輪といった装身具類、判読不能な日本語と思しき文字が記載されたプラスチックカード、使用された形跡のある化粧品類や香水等が確認されています。

これらの物品はいずれもSCP-2643-JP-Aが生前対象と交際していた時期に好んで使用していた物、あるいは同時期にSCP-2643-JP-Aが対象に譲渡していた物と類似した外見的特徴を有していることが判明していますが、対象がこの事実を認識することは極めて稀であり、多くの場合当該物品は対象またはその同居者によりいたずらと判断され廃棄される、または通行人の紛失物として交番に届け出る等の対応がとられます。

過去に対象がSCP-2643-JP-BからSCP-2643-JP-Aに関する記憶を追想し、SCP-2643-JP-Bを自宅内に保管していた事例が3件程確認されていますが、いずれの事例も財団の介入により保管されていたSCP-2643-JP-Bは全て回収され、当該事案の対象には正常にクラスA記憶処理が施され処理されています。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。