SCP-2650-JP
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SCP-2650-JP実例 内容物の未知の物質が酸素と反応し、赤色の煙が挙がっている。

アイテム番号: SCP-2650-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2650-JPの収容は実質的に無意味です。SCP-2650-JPの出現が報告された場合はオブジェクトの確保と情報隠匿が行われます。確保に成功したSCP-2650-JPの内容物はDクラス職員を利用して確認し、SCP-2650-JP本体は発見地点から最も近い財団施設で一時収容されます。

説明: SCP-2650-JPは不特定多数の場所に出現する旅行鞄です。出現場所の傾向は発見されておらず、海底や地球外惑星にも出現することが確認されています。出現に際しては小規模な空間異常が観測され、詳細な様子を確認することは困難です。SCP-2650-JPは同時期に複数件発見されることもあり、正確な総数は不明です。

SCP-2650-JPの内容物は、霊長目に該当する生物の遺骨や遺体の一部と、法則性のない物品類です。遺骨や遺体の遺伝子評価を行いましたが、いずれも財団に認知されている種とは該当しませんでした。また、外装に付着していた物質や内容物の物品類の中には、財団が認知しない物質が含まれており、前述の遺伝子評価の結果と併せてSCP-2650-JPはこの世界とは異なる平行世界/異次元/別宇宙を起源とするオブジェクトであると推測されています。

SCP-2650-JPは不規則なタイミングで消失します。この消失を阻止する方法は発見されていません。消失に際しては出現と同様に小規模な空間異常が観測され、周囲2m範囲に存在する物質はSCP-2650-JPと共に消失します。特に、SCP-2650-JPの内容物には貴金属等が含まれる場合があり、SCP-2650-JPを持ち去ろうとする人物が存在した場合、SCP-2650-JPの消失タイミングを迎えた時点でSCP-2650-JPとともに消失します。

補遺: SCP-2650-JPの確保に利用されていたD-5662がSCP-2650-JPと共に消失しました。消失自体は異常性に基づく人員消費として処理されましたが、消失から約4年後に別個体のSCP-2650-JPが出現し、内容物の遺体の遺伝子情報がD-5662と一致しました。遺体は腕部のみであり、不明な咬傷が確認されています。また、この咬傷が原因となったと推測される未知の感染症に罹患していたことが判っています。いずれも地球上で負った損傷ではなく、消失後に受けた損傷であると考えられます。

D-5662の遺体がSCP-2650-JPから発見されたことで、SCP-2650-JPがこの世界と、平行世界/異次元/別宇宙など複数の異なる世界を行き来している可能性が指摘されました。その後、SCP-2650-JPを利用した実験が立案され、理事会により可決されました。実験は任意の物品を所持させたDクラス職員をSCP-2650-JPへ接触させることで行われました。

実験記録2650-12 - 日付████/██/██

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SCP-2650-JP内部から発見された図画。

実施内容: D-6136に撮影機材と生命維持サプリメント8年分を持たせ、SCP-2650-JPと共に消失させました。D-6136が何らかの形で帰還した際に得られる情報資料を目的に実験を行います。

結果: 約2年後にD-6136の脚部が入ったSCP-2650-JPが回収されました。内部から撮影機材などは発見されず、不明な図画とブレードの錆びたナイフが回収されました。ナイフからはD-6136のものと一致する指紋や体液が発見されています。

分析: 内容物にこれまで発見されていなかった物質が付着しており、SCP-2650-JPがこれまでとは異なる新たな世界に移動していたと思われます。この物質は人体に有害であり、吸引した場合肺組織を破壊します。

発見された図画は、鑑定の結果D-6136作画のものであると結論付けられました。図画は風景画であると評価されており、地球とは全く異なる環境の世界であると予想されます。

D-6136の脚部を鑑定した結果、52歳で死亡したことが判明しています。D-6136は消失時25歳であり、D-6136の消失先となった世界は、地球と時間の流れに差異があった可能性を示唆しています。

実験記録2650-33 - 日付████/██/██

実施内容: D-7685の全身に撮影機材を埋め込み、SCP-2650-JPと共に消失させました。D-7685が何らかの形で帰還した際に得られる情報資料を目的に実験を行います。

結果: 約半年後にD-7685の頭部と眼鏡が入ったSCP-2650-JPが回収されました。映像は消失後、宇宙空間と推測される場所が映し出され、約15秒間D-7685が激しくもがいたことにより映像が大きく乱れました。映像はそのまま宇宙空間を映していたが、約5時間後に周囲の空間を歪曲させながら移動する巨大な飛翔体が急接近し映像が停止しました。発見された眼鏡はD-7685が使用していたものと一致します。

分析: D-7685に接近した飛翔体は降着円盤を有しており、シュバルツシルト半径が露出していました。ブラックホールと同質のものと判断できますが、D-7685頭部に埋め込まれていたカメラが無事であった理由は不明であり、D-7685の遺体や遺品がどのようなプロセスでSCP-2650-JPに格納されたかも明らかになっていません。

実験記録2650-54 - 日付████/██/██

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復元に成功した画像ファイル

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発見された図画

実施内容: D-8522の全身に撮影機材を埋め込み、SCP-2650-JPと共に消失させました。SCP-2650-JPの内容物を除去し、拠点建設に利用できる工具類を収容しました。D-8522には出来るだけ長く消失先に滞在し、多くの情報資料を収集するように指示しました。D-8522が何らかの形で帰還した際に得られる情報資料を目的に実験を行います。

結果: 約3年後に貴金属を身に着けたD-8522の全身遺体と、花、紙幣と思われる紙片、剣、不明な図画(添付画像参照)、その他数点の物品が入った大型のSCP-2650-JPが回収されました。消失当時D-8522の実年齢は21歳でしたが、鑑定の結果D-8522は86歳で死亡したことが判明しました。D-8522に埋め込まれた撮影機材のほとんどは高度な外科手術により取り除かれた形跡があり、頸部の撮影機材が残されていましたが、それも経年劣化により多くのデータが失われています。

今回のSCP-2650-JPから発見された図画は特筆すべき内容物です。財団に対する警告文、または宣戦布告と評価される図画であり、我々が未知の技術を所有する文明に敵対視されている可能性を示唆しています

分析: SCP-2650-JPは人為的に製造されたオブジェクトである可能性が高いと評価されました。今後のSCP-2650-JPへの対処については議論中です。

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エルマ外教の紋章

実験記録2650-54で発見された図画に描かれていた紋章は、準要注意団体に指定されている団体"エルマ外教"が利用している紋章と意匠が一致します。異世界への移動を目的とする団体ですが、目立った異常実例が無い上、団体の規模の小ささから警戒されていませんでした。上述の実験により財団の存在する宇宙とは別の宇宙に確固とした基盤組織を保持していると考えられ、その団体規模が財団の予想していた以上に巨大であることが推測されます。理事会は地球に存在するエルマ外教をGoI-101に指定し、警戒の対象とする決定を下しました。

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