アイテム番号: SCP-2674-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2674-JPは標準人型実体基準に則ったエリア・食糧が提供され、月に3500円までの範囲内で財団に認可された嗜好品の購入が可能です。未発見のSCP-2674-JP-A群に関する調査は全国各地で継続的に行われ、接触・発見当時の状況に応じてプロトコル・マジックチョイスに基づく方法で対応して下さい。
説明: SCP-2674-JPはデフォルメされたネコ科に近しい外見を備えた虎縞模様の縫いぐるみに翼を生やした様な姿を有する外見の生物です。全長は約35cm、光彩は通常のネコと異なり星形に近しい形状をしており、額に位置する部分には正十二角形の形状をした黄色の宝石が埋め込まれています。身体の大部分は未知の成分で構成されていますが、成分解析の結果SCP-1337-JPと同一の成分が確認されてます。
本オブジェクトは自身の事を「魔法妖精キャテラ」と呼称し、変声期前の男性と近しい声での日本語及び英語による意思疎通、重力を無視した浮遊及び最高時速約40kmによる飛行が可能です。
財団による調査の結果、発見当時「木谷 寺男」という偽名を用いて原付免許・簿記三級・第二種電気工事士免許・英検準2級の資格を習得している事が確認されており、未知の異常性を隠蔽している可能性が高いと予想されています。
対象は収容に対して協力的な態度を示しており、SCP-1337-JPと同郷の出身である事をインタビューにおいて話していますが「リスク分散及び財団内部にスパイが存在している可能性がゼロではない為」とSCP-1337-JPの収容される特設サイトへの移送及び接触実験に関しては否定的な態度を取っています。
対象: SCP-2674-JP
インタビュアー: 九阿博士
日付:200█/11/16
付記: 第3回インタビューログ。円滑な会話の為九阿博士はSCP-2674-JPをキャテラと呼称。第2回インタビュー時のSCP-2674-JPの希望に応じてSCP-1337-JP-A群「アクワルバッド団」に関する情報を提供する。
<録音開始>
SCP-2674-JP: (約3分間、机上に並ぶアクワルバッド団に関する資料を読む)これは間違いないニャア。
九阿博士: 間違いないとは、あなたもアクワルバッド団の事を知っているという事でしょうか?
SCP-2674-JP: 知っているも何も、アクワルバッド団からこのマジカライズストーン(自身の額の石を指差す)を守る為にここまで逃げて来たんだニャア。
九阿博士: と言う事は、この場にアクワルバッド団が来る可能性は…
SCP-2674-JP: それは多分…見付かりはしないニャア。僕はエルファに比べてストーンの波動を隠すのが上手いから、探すのが上手い奴が来ない限りは大丈夫だニャア。多分。万が一来た時は頼むニャア。
九阿博士: 可能な限り努力致します。それで、そのマジカライズストーンを用いると「世界が終わる」とSCP-1337-JP…エルファ君は言っていた様ですが。
SCP-2674-JP: 僕のマジカライズストーンも大体同じ扱いになるニャア。詳しく教えちゃうと、ストーンと体重60kg以上102kg未満の霊長類を介した回路で変換効率が106%以上の発電装置が製造可能になる…らしいニャア。
九阿博士: それは…凄まじいですね。
SCP-2674-JP: だから僕としても必死だったニャア。こんな形でも君達が助けてくれて本当に感謝してるニャア。
九阿博士: 恐れ入ります。先程ストーンの波動と言いましたが、その隠し方をエルファ君に教える事は出来ますか?
SCP-2674-JP: 多分難しいニャア。僕が出来た年まで後40年ぐらい掛かるニャア。
九阿博士: そうですか……
SCP-2674-JP: うちのエルファがお世話になってる以上、出来る限りの協力は惜しまないニャア。今後ともよろしくだニャア。
<録音終了>:
終了報告書: インタビュー後、SCP-2674-JPはSCP-1337-JPへの手紙を贈っていいかどうかの許可を要請。
SCP-2674-JP-A群はSCP-2674-JPによって異常性を付与された「株式会社マジック☆山淵」への所属経験を有する人型実体です。SCP-2674-JPへのインタビュー及び確保に成功したSCP-2674-JP-A群から取得した情報においては約20人以上のSCP-2674-JP-A群の存在が示唆されています。
以下はこれまでに確認されたSCP-2674-JP-A群のリストです。
識別: SCP-2674-JP-A-1
氏名: 山淵益一(やまぶち ますいち)
役職: 「株式会社マジック☆山淵」(旧株式会社山淵)社長
保有する異常性: 「株式会社マジック☆山淵」に所属する社員に異常性を付与する・「株式会社マジック☆山淵」に関連する情報に違和感を抱かせないミームを散布する。
特記: SCP-2674-JPが最初に接触を行った人間であり、意図的な異常性の付与を行なったと証言している。
現状: 捜索中。最重要確保対象。
識別: SCP-2674-JP-A-2
氏名: 山淵幸汰(やまぶち こうた)
役職: 「株式会社マジック☆山淵」専務兼会計
保有する異常性: アクワルバッド団の死体を同質量の貴金属・複数種類のレアメタルに変換する。
特記: SCP-2674-JP-A-1の実子。SCP-2674-JPが最初に接触を行った人間であり、SCP-2674-JP-A-1の希望に合わせた意図的な異常性の付与を行なったと証言している。
現状: 捜索中。最重要確保対象。
識別: SCP-2674-JP-A-3
氏名: 木谷 寺男(きや てらお)
役職: 「株式会社マジック☆山淵」会計補佐
特記: SCP-2674-JPが会社内で活動する為の偽名である事が発覚。
現状: SCP-2674-JPと同一の存在である事が実証され、確保済み。
識別: SCP-2674-JP-A-4
氏名: 池島 明(いけじま あきら)
役職: 「株式会社マジック☆山淵」アクワルバッド団対策班長
保有する異常性: 体表の温度を約800℃に上昇させる。SCP-2674-JP-A-4の肉体及び所持品は熱による影響を受けない。
特記: 財団が初めて発見したSCP-2674-JP-A。SCP-2674-JP-A群の調査について協力的な反応を示した。
現状: プロトコル・マジックチョイスに基づき財団内に回収。エージェント就任予定。
識別: SCP-2674-JP-A-5
氏名: 水際 浩一郎(みずぎわ こういちろう)
役職: 「株式会社マジック☆山淵」アクワルバッド団対策班
保有する異常性: 自分自身が制作したキーマカレーを強酸性の毒液に変換する。
特記: SCP-2674-JP-A-4から提供された情報により発見。発見当時長期入院中。
現状: プロトコル・マジックチョイスに基づき保護。監視継続。
識別: SCP-2674-JP-A-6
氏名: 沢原 太陽(さわはら たいよう)
役職: 「株式会社マジック☆山淵」アクワルバッド団対策班
保有する異常性: 自分自身が抜歯した歯を催涙ガス弾に変換する。
特記: 「株式会社マジック☆山斑」元本社探索時発見。
現状: 全歯の欠損に基づいた異常性の消失を確認。記憶処理後解放。
識別: SCP-2674-JP-A-7~10
氏名: 瀧崎 了・中州 豊彦・池見 勇人・津島 大志
役職: 「株式会社マジック☆山淵」雑務
保有する異常性: SCP-2674-JP-A群曰く「はずれ」の能力。詳細は不明。
特記: 「株式会社マジック☆山斑」元本社探索時発見。
現状: 異常性の内容を暴露するまで保護・監視中。
収集した情報に基づいた、SCP-2674-JP-A群の行動は以下の様に遷移したと予想されます。
株式会社マジカル☆山淵開業: 200█年12月26日にSCP-2674-JPとSCP-2674-JP-A-1、SCP-2674-JP-A-2は岐阜県で出会ったとされています。これはSCP-2674-JPが意図的に現在会社員として働いている満20歳以上60歳以下の人間の捜索に基づくものであり、「この世界において最も普遍的に存在し、即戦力としての見込みが期待出来る年齢層だから」と証言しています。SCP-2674-JP自身の情勢の説明や魔法少女としての力の扱い方に約3ヵ月間の準備期間を経て長野県に本社を置くITサービス業を主にした「株式会社山淵」から魔法少女業へ業種変更した「株式会社マジック☆山淵」に改名されました。
開業~活動開始3ヵ月目: 「株式会社山淵」に所属していた中堅社員6名が改名を機に転職・退職したという不測の事態にも陥りましたが、当時からSCP-2674-JPの追跡の為に散発的に長野県内及び周辺に出現していたアクワルバッド団の出現件数から業務には一切困らなかったと証言しており、純利益は「株式会社山淵」の頃の去年と比較して数倍の数値が出たと予想されています。この時点においてSCP-2674-JP-A-1は「極めて嬉しそうだった」「笑っていない日が無かった」とSCP-2674-JPは証言しており、近隣地域の住民からの信頼も厚かったとされています。当時県内に存在していた財団は散布されていたミームの影響によりSCP-2674-JP-A群及びアクワルバッド団に関する共通点を見出せず、独立したPoIの目撃情報と捉えての調査を行っていました。
活動開始3ヵ月目~6ヵ月目: この時点で長野県内に存在していたアクワルバッド団は事実上壊滅したと予想されていますが、前期間分の利益と併せて十分な利益が確保されていたとされます。派遣社員の募集や周辺住民からの要望に応じて同県内・隣接した県内への支店設営計画他大規模な魔法少女業の規模拡張が行なわれました。この期間中にSCP-2674-JPを含む複数名の社員が簿記検定取得・英検習得を指示されたと証言しており、SCP-2674-JP-A-1が海外進出を目論んでいた可能性が予想されています。この時に財団はSCP-2674-JP-A-4の補足・接触に成功しましたが、ミームの影響に基づき得られた情報は最低限度の物に留まっています。
活動開始6ヵ月目~9ヵ月目:今期間中に遭遇したアクワルバッド団は全支店を含めて2体のみと記録されており、前期に予定されていた大規模な計画の出費を補填するだけの利益は存在しなかったと予想されています。この時期に殺傷性の高い異常性を保有したSCP-2674-JP-Aを警備員業・ボディーガード業に派遣していましたが、一部のSCP-2674-JP-AはGoIに引き抜かれたと予想されます。対ミーム措置に基づきSCP-2674-JP-A-4からSCP-2674-JP-A群及びSCP-2674-JPに関する正確な情報が取得されましたが、「先週に対策班長に任命されたので詳しい話はほとんど分からない」と答えています。SCP-2674-JPは当時の状態について「SCP-2674-JP-A-1とは殆ど会わず、話す時にも電話やメールが殆ど」と証言しています。
現在: 同年11月以降SCP-2674-JP-A-1及びSCP-2674-JP-A-2はSCP-2674-JP及びその他SCP-2674-JP-A群と一切連絡が取れなくなり、社内に保有されていた資金も同様に消失した事から「株式会社マジック☆山淵」は事実上倒産しました。SCP-2674-JP-A-4の情報の下財団はフロント企業を用いて本社の建物を確保、本社内に残存していたSCP-2674-JP及び接触可能な全SCP-2674-JP-A群、異常性の無い清掃員等を確保、プロトコルに基づいた保護が決定されました。SCP-2674-JP-A-1及びSCP-2674-JP-A-2については現在も消息が掴めていません。
対象: SCP-2674-JP
インタビュアー: 九阿博士
日付:200█/12/24
付記: 本社内にて発見された追加情報に基づくインタビュー記録。
<録音開始>
SCP-2674-JP: 職場が無くなっても思ったより忙しいニャア。今日は何を話しに来たニャア?
九阿博士: キャトラさん、貴方が働いていた会社内を調べてみた所その地下で
SCP-2674-JP: 何も知らないニャア。
九阿博士: 隠し扉と階段があり、その中に
SCP-2674-JP: 何も知らないニャア。
九阿博士: 複数名の人間が拘束された状態で発見されたのですけど
SCP-2674-JP: 何も知らないニャア。
九阿博士: 何か心当たりがあれば
SCP-2674-JP: 何も知らないニャア。
九阿博士: 教えて下さい。
SCP-2674-JP: 何も知らないニャア。(以下、約30分間無反応)
<録音終了>:
終了報告書: 地下で発見された人員が拘束されていた椅子の並びは回路図に酷似。
対象: SCP-2674-JP
インタビュアー: 九阿博士
日付:200█/12/25
付記: 本社内にて発見された追加情報に基づくインタビュー記録。前回のインタビュー記録以降、弁護士を介した証言の機密性を強調している。
<録音開始>
九阿博士: 昨日は説明不足で申し訳ありませんね。改めましてあの地下で何があったのか教えて貰えますか?
SCP-2674-JP: 僕のマジカライズストーンとはずれの力を持った社員を使って、実際に発電が出来るか試させられたニャア。
九阿博士: 試させられたとは?
SCP-2674-JP: 社長は言ってたニャア。「電気は売れる」って。それで多分……埋め合わせとかしてたんじゃないかニャア。
九阿博士: 社内の補填の為に社員を使って発電していたという事ですか?
SCP-2674-JP: そりゃそうだニャア。それが多分あの社長に出来る事だったんじゃないかと思ってるニャア?
九阿博士: 社長がどうしてそんな事を?
SCP-2674-JP: 僕が社長達に話を持ち掛けて、起業してから半年ぐらいだったかニャア。その頃までは社長が社長の息子さんから貰った元アクワルバッド団の身体を換金する仕事をしてたニャア。
九阿博士: 社長を介していたと。
SCP-2674-JP: それがある日、社長が忙しかったので息子さんが換金したら、その頃の相場の三倍近い額が支払われたらしいニャア。
九阿博士: 社長が中抜きをしていたと?
SCP-2674-JP: それっきり社員と社長と息子さんとの間で色々あったみたいだニャア。詳しい話は僕にも教えてくれなかったニャア。
九阿博士: 地下の社員全員が餓死していた件についても?
SCP-2674-JP: それはマジで知らないニャア。繋がりっぱなしとは思ってなかったニャア。
九阿博士: それはマジで?では今まで何も知らないと返していたのは
SCP-2674-JP: 何も知らないニャア。(以下、約30分間無反応)
<録音終了>: