SCP-2675-JP
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図.1 ミヒャエル・ヴォルゲムートによる感染症実体の描写。誇張表現が含まれるものの、概ねSCP-2675-JP実体の形態を正確に描写したものとみなされている。一般社会において、この絵画自体は「死の舞踏」を始めとする一連のムーブメントで描かれたものと理解されている。


アイテム番号: SCP-2675-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2675-JPに関する記録は財団に検閲されています。世界各国に存在するSCP-2675-JPに類する実体の映像、写真は削除されます。財団の異常情報アーカイブはこれらの動画及び写真を保管し、適切なクリアランスを持つ職員がいつでも閲覧できるようになっています。実体が描写されたと思わしき絵画は、それが明確にSCP-2675-JPと見做されない限り検閲されません。現在、SCP-2675-JPは既存の宗教や伝説と著しく混同された状態で膾炙されており、これに関して財団は特別な情報統制を行いません。

現在、多くのSCP-2675-JP実例は基底現実から離脱しているか、顕著に有害な活動をしておらず、該当疾患概念の認知現実論的な復活が発生しない限りは収容の措置は必要ありません。

説明: SCP-2675-JPは世界各地のパンデミック事象で発生した信仰エネルギーを利用する、神格性を持った特定感染症実体1の別称です。現在までに6の感染症実体がSCP-2675-JPに指定されています。古代からSCP-2675-JPおよび感染症実体は人類の歴史に影響を与え、それに対応する団体や氏族などが興盛していきました。2

SCP-2675-JPと関連するとされている実体の描写は、財団の歴史研究の中で無数に発見されています。これらの記録は一般的な伝承と混同されていることが多いため、あまり正確な情報であるとはみなされていませんでした。エステート・ノワール (Estate noir)3は、18世紀ヨーロッパでの破滅的パンデミックの際、ペストに関する複数の記録を残しています。それはペストに関する標準的な脅威のみならず、現在のブーシュ=デュ=ローヌ県の村落墓地で発見された「踊り狂う骸骨」の異常性にまで言及しています。これらの感染症実体は、視認によって影響を与える力を保有していたとされていますが、詳細は不明です。

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図.2 フォート・ ライリーに位置する米陸軍ファンストン基地に浸潤したSCP-2675-JP-1の拡大円領域。

現在まで財団による明確な記録が残されている最古のSCP-2675-JPは1918年のH1N1亜型インフルエンザ、通称"スペイン風邪"のパンデミック時に発見されました。これはSCP-2675-JP-4に指定され、財団が成立してから初めて観測されたSCP-2675-JPです。記録によれば、SCP-2675-JP-4は以下の要素を有していました。

  • ヘビ亜目に分類されるような、細長い管状の形態。尾に当たる部位を噛みつき環状を成して空中に浮遊した。瞼を明確に持つ眼球を横腹に23対有し、おおむね灰褐色で、黒い霧を放っていた。
  • 中心となるSCP-2675-JP-4実体は三層の異常空間に保護されていた。内円(Inner circle)、外円(Outer circle)、拡大円(Expanding circle)に分類されるこの空間は、それぞれ別の性質を持つ。
    • 拡大円領域(SCP-2675-JP-Expに指定)は、現実世界に浸潤する空間領域。SCP-2675-JP-4-Expに侵入した任意の人物は、どのような条件下であれスペイン風邪に感染した。現実世界では、フォート・ ライリーに位置する米陸軍ファンストン基地に浸潤した。
    • 外円領域(SCP-2675-JP-Ouに指定)は、拡大円領域の中心点からアクセス可能な非ユークリッド的な性質を持つ空間と考えられている。これは外部から観測すると大きさを持たない点に見えるが、SCP-2675-JP-Expを介して物理的に接触すると、一定の面積を持った大きな空間のように見える。内部から観測したSCP-2675-JP-4-Ouは、「灰色の草が生えた草原」であり、笑みを浮かべた男性たちが無数に立っていると報告された。これらの男性実体は、現在では特定感染症実体であるSCP-2675-JP-1に誘引された多様な種の感染症実体であると考えられている。
    • 内円領域(SCP-2675-JP-Inに指定)は、SCP-2675-JP-Ouの特定のポイントに重なって存在する空間領域であると考えられている。SCP-2675-JP-4-Ouでは、経年劣化が激しい木製の小屋であると確認された。この時の潜入行で当時の上級研究員、現在のO5-1である█████・███がSCP-2675-JP-4実体と会話したとの記録が残っている。

これらの規則的な領域層構造は、後世のさまざまな研究によってSCP-2675-JP固有の特徴であるとみなされました。通常の感染症実体(疫神や疫鬼など)といった実体群は、これらの性質を示しません。財団はこれをSCP-2675-JP、あるいは「特定感染症実体」と指定することによって出現を警戒しています。財団の神格分類学者によって以下の表が作成されました。

分類 性質
感染症実体
(疫病神)
疫鬼
(一類感染症実体)
感染症実体の中で信仰されていないものを指す。怨霊の1種であり、エクトプラズムが一定のベクトルを有する霊に成長したものである。他の怨霊と異なり復讐の対象が存在しない。憑依は行わず、知性もほとんどの場合見られない。喃語や狂言を発したり、無意味な奇行を繰り返すことがある。
疫神
(二類感染症実体)
感染症実体で信仰があるのものを指す。アスペクト放射を利用して現実改変を行う。個体差はあるものの500Csp〜15000Cspの局所放射が確認された。起源的には疫鬼とは異なる発生メカニズムを有し、ヒトの病気への恐怖が要因として発生する。認知現実論では、この現象を神格化と呼称している。
特定感染症実体
(SCP-2675-JP)
起源的には疫神と同じである。異なるのはその存在に特別な信仰を必要とせず、純粋な病気への恐怖から神格実体として存在することである。主に三層の異常空間を展開することができ、大半はその中に実体を隠蔽する。これは極度に現実への改変能力が発展した結果、無秩序に周辺の環境を改変することを防ぐための生得的な防衛措置であると考えられている。

補遺: 付録情報

以下は歴史上で発見されたSCP-2675-JP実体の一覧です。各実体の詳細な情報はサイト-81E9の異常情報アーカイブを参照してください。

番号 出現年代 概要
SCP-2675-JP-1 1790〜不明 天然痘の特定感染症実体。スコットランド、セントアールズ大学に出現。実体の外観は、ウシの前足やヒトの手を生やしたおおむね球体の形状の肉塊で、領域層構造は何重にも及ぶ付近の牧場の風景を写し出したと言われている。
SCP-2675-JP-2 1832年〜不明 コレラの特定感染症実体。この感染症は、8度にわたってパンデミックを引き起こした。フランス、ベルリンの国立歌劇場に出現し、拡大円領域を周辺に浸潤させた。外観的には、体高が15foot(約457.5cm)ある外套を着用した人型の実体である。大きな鎌を所持し、フランスの出版物では「嬢の死神」を意味する"La Mort de Mademoiselle"と呼称された。SCP-2675-JP実体としては珍しく、領域外に出ることがあった。「ヒトの死体と神殿の残骸によって構成された荒野」の領域層構造を持っていたと言われている。4
SCP-2675-JP-3 1907〜1908 K-1ソドウイルス、通称ウォール街かぜの特定感染症実体。1907年恐慌5で生じた世界的恐慌によって、「恐怖」のバランスの揺り戻しが起き発生した。ニューヨーク市マンハッタン区に位置するフェデラル・ホールに出現し、領域層構造の拡大円領域を浸潤させた。外観的には、無形の灰色の霧を示したとされている。
SCP-2675-JP-4 1918〜1920 H1N1亜型インフルエンザ、通称スペインかぜの特定感染症実体。アメリカ、フォート・ ライリーに位置する米陸軍ファンストン基地に出現。スペインかぜはおおむね5億人に感染した。これは全世界の人口の27%にも及ぶ数字である。 ヘビ亜目に分類されるような管状の形態を持ち、頭部が尾に当たる部分を噛みつき環状のまま浮遊した。瞼を明確に持つ眼球を横腹に23対有していた。おおむね灰褐色で、黒い霧を放った。
SCP-2675-JP-5 1965〜1968 麻疹の特定感染症実体。イギリス、リヴァプールに出現した。領域層構造が全体的に人体の構造を有しており、拡大円領域は、リヴァプールの一般的家屋の部屋に浸潤したヒトの口の構造である。これらの口の構造は麻疹の症状に一般的な、コプリック斑を見ることができる。部屋全体に広がった口に侵入することで、外円領域にアクセスすることができた。外円領域はおおむね胃酸によって満ちている胃である。内円領域は、子供部屋のように見える空間であり、実体は5歳ほどの男児の外見を有していた。
SCP-2675-JP-6 1970 水膜炎の感染症実体。ニジェール、アガデス州のアガデス城外の墓地に拡大円領域を浸潤させた。 外観的には、水膜炎の症状を受けた下半身奇形を持つ男女、高さ4mほど積み重なった岩石の集合が融合した実体である。領域層構造が2層しか存在せず、墓地に浸潤した拡大円領域と内円領域しか存在しない。出現した7日後、基底現実から離脱した。

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