SCP-2680
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ユーザーネーム: アルヴィンド・デサイ
称号: サイト-42、管理者
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access 2680 -r -m 4

只今SCP-2680を表示中 - 主要な改訂のみ、クリアランスレベル 4

アイテム番号: SCP-2680

オブジェクトクラス: Keter Euclid

収容プロトコル: 感染者はサイト-75の拘禁房48に監禁して常に警備下に置き、1日あたり3回、糧食を差込口から与えます。警備員は感染者との肉体的接触を回避するためのあらゆる合理的な試みを行うべきであり、脱走を試みた感染者は射殺して焼却処分します。SCP-2680またはSCP-2680-1と接触する可能性がある全ての職員は、ワックスコットン製の衣類と呼吸マスクを着用のうえ、全身を包む一枚布のレインコートで身体を覆ってください。SCP-2680-1の流出物もしくは起爆によって汚染された衣服は速やかに焼却されねばなりません。

感染者には遠距離武器を用いて対処し、遺体は火葬します ― 接近戦は厳しく禁じられており、感染者との肉体的接触を伴う対処法は成されるべきでありません。SCP-2680の症状を示す人物およびSCP-2680感染が人口の大部分に拡散しているコミュニティの発見と根絶は、本収容における重要な要素であるため、この任務を割り当てられている調査班I-3(“ペスト医師団”)には.56口径コルト・モデル1885リボルバー拳銃、1インチ口径モデル1861ガトリングガン、ゼリグナイトおよびダイナマイト爆薬をはじめとする攻撃用装備品が供給されています。

コミュニティの1/4以上がSCP-2680に感染していた場合、当該区域の人口集団全体を隔離します。コミュニティは爆薬を用いて破壊し、全ての生存者は安楽死させた後に上述の手段で処分してください。

注記 1900/07/16:

調査班K-3 (“絶対禁酒主義者”)は、合衆国全域の商用アルコール飲料の全てに防御措置を施すため、化合物ジェンナーを1ブッシェルあたり茶匙1杯の濃度で混入させる任務を開始しました ― この濃度はSCP-2680が頻繁に再発する領域における化合物ジェンナーの割合を倍増させたものです。商用アルコールを消費しないような合衆国の地域への浸透や、アルコール摂取を控える/禁酒運動をサポートしている故に化合物ジェンナーを摂取する可能性が無い各地の合衆国住民に対しては、種痘に1瓶あたり3滴の割合で混ぜた後、大々的な予防接種キャンペーンを通じて拡散させます。一連の過程は調査班K-4(“ウィッチドクターズ”)が監督します。

SCP-2680の治療における化合物ジェンナーの有効性は3ヶ月ごとに再評価します。有効性が減じてきた場合は、新たなは生物が文書2680-1に概説されるプロトコルに従って開発・拡散されます。

SCP-2680にGoI #001 (“シカゴ・スピリット”)が関与している可能性については調査が進行中です。

注記 1906/09/08

合衆国の居住者および市民へ化合物ジェンナーが行き渡ったことにより、合衆国への配布の更なる努力は不要と見做されるレベルに達しました。監督司令部は化合物ジェンナーの一次生産停止と、SCP-2680収容のリソースおよび努力を残る感染者の追跡および根絶に向ける旨を宣言しました。感染者根絶は調査班I-3によって監督されます。

説明: SCP-2680は天然痘に似た異常なウィルス性疾患であり、変則的な膿疱の形成、炎症を伴う発疹、倦怠感、譫妄などの類似する症状を示します。しかし、SCP-2680には3種類の大きな違いがあります。第一に、SCP-2680には既知の治療法が存在せず、接種の試みは全て異常疾患の発現までの期間を短縮させるだけに終わっています。第二に、膿疱は感染者の四肢と胴体だけでなく、肝臓や腸などの体内空洞にも形成されます。そして第三に、膿疱を膨潤させている緑色の混合物はただの膿ではなく、他の状況下であれば人間が消費するのに適した品質のアルコールを含んでいます。この流体との接触は、SCP-2680がヒトからヒトへ感染する主要な原因です。感染源は空気中にも広がると仮定されていますが、汚染が確認された感染者のうち問題の症状を示すのは僅かに1/3であり、残る2/3はごく一般的な疱瘡に罹患します。

SCP-2680の膿疱はゆっくり内容物を漏れ出させるのではなく、継続的に流体で膨らみ続けた後、破裂して最大3mまでの近接領域に流体を散布します。この過程を促進するため、感染者は患部を破裂するまで衝動的に噛み続け、結果として得られる内容物を報酬の一形態として消費する様子が観察されています。自分の身体を食べるのを制止する意思を欠いているにも拘らず、感染者はこれらを自分の意思で行っていると主張し、一貫してこの行動は疾患に対処するための療法の一種であると主張します。

SCP-2680感染の致死率は90%以上に上りますが、一般的な天然痘の感染者が通常10-16日で死に至るのに対し、SCP-2680感染者は少なくとも30-50日が経過するまで死ぬことはありません。感染者は、体内・体外全ての膿疱が急速かつ即座に弾けることによって引き起こされる、身体の爆発的な破裂によって死に至ります。

最初の接触
この文書はユースタス・バッジ(調査班I-3隊長)が、SCP-2680の存在を確認した2週間後に語った事後証言からの転写です。

勿論、噂は聞いていました。接種の効果が無く、全身の開口部からビールを分泌させ、感染者を膨らませ過ぎた風船のように真っ二つに裂いてしまう天然痘。我々は財団です、何年もその手の噂は耳にしてきました。人間をグールに変えてしまう腺ペストとか、人間を水に変えて内側から溶かしてしまうコレラとか。勿論我々はそれを調査しましたし、そのうち本当に異常なモノが見つかったのは20に1つぐらいです。ですから今回も、コレラや腺ペストの件と同じように、田舎の農民たちが怯えて騒ぎ立てているだけだと思っていました。

アノマリー対処の準備は勿論しましたよ。接種を受けて、呼吸マスクを付けて、一枚布のレインコート ― あの身を守るのと同じぐらい息も詰まりそうな分厚いコートを着て、寸分の隙もなく装備を整えました。そうして例の悍ましい疫病に出会ったのが7月の半ば、ミズーリ州の真ん中にある僻地の農村でした。我々が到着したのは正午近くで、皆疲れ果て、腹を空かせ、荷物の重みで前屈みになってブタみたいに汗まみれになっていました。日中だというのにあの村は荒れ果てて、今にも潰れそうなコテージや小屋の寄せ集めのようでした、しかも見える範囲に人影は全くありません。宿のドアを開けてもらえるまで15分も叩き続けましたよ。

我々が村に来た理由を説明するのに1時間、それを信用させるのにまた1時間が掛かりました。「町医者は何処に行ったんです?」「死んだよ。酒が詰まった風船みてぇに弾けた」、宿の主人はそう言いました。「死体はどうしました?」「当然燃やしたさ」。「他に病気の者は?」「女の子が1人、診療所に閉じ込めてある。親はもう逃げちまったんだ」。「他にもいるはずでしょう」「皆、家ごと燃やされたよ」。

我々は診療所に入りました ― 正確にはその残骸にです、焼き尽くされて骨組みしかなかったのでね。地下室の落とし扉には鍵が掛かっていたので、蹴破らなければなりませんでした。中には…骨がそこら中に散らばって、信じられないほど焦げていました。空気には腐敗と酒の臭いが充満していた。何列にも並んでいたベッドは木っ端微塵に吹き飛ばされていました。そこにまだ死体が ― 膨満して腐敗した、風船のように弾け飛んだ残骸が残っていました。恐ろしかった。女の子は…部屋の一番隅にいました、何日も世話を受けていなかった ― あいつらはあの子の疱瘡を化膿するがままにしていたんです! あの子は炎症と膿疱と発疹まみれでした。しかもそれを齧っていたんです! 膿が、アルコールが、血液が身体の外に流れ出して、あの子はそれを犬のように舐めていた。我々は ― 傷口に触れないよう用心しながら ― 女の子の傍によって話そうとしました。尋問をしようと…その間ずっと、あの子は自分の身体を食べ続けていましたよ。手を口元から引き離すと、数分もしないうちにあの惨めな生き物は肩の膿疱を齧り始めるんです。あの子は自分に何が起こったか説明する気が無い ― いえ、そもそも説明できないようでした。何がきっかけで感染したか、他の哀れな魂たちに何があったか、そして自分の家族が何処に行ったのかさえも。勿論、それが我々の最大の不安でした ― 彼女の家族は何処に行ったのか? 彼らは感染していたのか? ごく当たり前の天然痘でも野火のように感染は広まります、だとしたら今回は…

我々は、あの子が死ぬ前に3時間ほど、何でも良いから役立つ情報を絞り出せないかと努力していました。彼女は何か話そうとして、突然その体が膨れ上がりました。私は即座に、部下に屋外への退避命令を出しました。走りながら振り向いた時、私はあの子の眼に恐怖を見ました…直後に、ガトリング銃を1ダースも同時に発砲したような音がして、部屋が爆発しました。爆風から私たちが立ち直った時には、部屋の中に残っていたのは血と膿とアルコールの飛び散った物だけです。私たちは遺体の残骸をバッグに詰め、家を燃やして去りました。

2週間後、キャンベルが倒れました。あいつがなぜ感染してしまったのかは遂に特定できませんでしたが ― おそらくレインコートに裂け目があったんでしょう ― 何が起こったかは疑うべくもありませんでした。我々が念のための検疫下に置かれていたことを神に感謝しましたよ。キャンベルもまた別個に隔離されて、そしてその期間を通して、我々はあいつが自分の身体を食べる様子を観察することが出来ました。あいつが爆発したのはその2週間後です。

注記 1891/02/18: 現在、全ての天然痘患者のうち30%はSCP-2680に既に感染していると推定されています。これに鑑みて、監督司令部はこの事案に対する非常事態宣言を発令し、SCP-2680-1個体の安楽死を収容の主要手段と見做す旨を発表しました。

注記 1896/06/16: 最小限の鉛と水銀を組み合わせ、アルコールに混入させた[編集済]分泌物の実験は、被験者の99%においてSCP-2680感染の根絶および予防に効果的であることが証明されました。当該物質の生産を拡大する努力が進行中です。

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