SCP-2682-JP
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アイテム番号: 2682-JP
レベル#4
収容クラス:
keter
副次クラス:
none
撹乱クラス:
keneq
リスククラス:
warning

特別収容プロトコル: 特別定義ACS1に基づき、当報告書は各国支部内にてナンバリング、もしくはアーカイブの形体で保存されています。

各医療機関に潜入中の財団職員には、SCP-2682-JPの対象者の発見、並びに監視、場合によっては拘束が許可されています。既存の精神病としての診断が可能であるSCP-2682-JP-Aに関しては定期的なインタビューや検診を実施し、必要に応じて記憶処理が実施されます。ただし、記憶処理剤のコストパフォーマンスの関係上、処理の実施の際には上級クリアランスを保有する職員の許可が必要となります。

症状の悪化が確認されたSCP-2682-JP-Aに関しては特例隔離ユニット-AAにて管理が実施されます。現在、職務に復帰不可能と判断されたSCP-2682-JP-Aへの処分は保留されています。

説明: SCP-2682-JPは日々の中で凡そ午後4時ごろから午前4時ごろにかけて、全ての知的生命体の心理構造の中に組み込まれる異常反応です。この異常反応の対象に共通点は存在していませんが、それらは反ミーム、認知阻害などの異常が存在していないにも関わらず、一部の知的生命体はSCP-2682-JPを察知、感知、知覚、識別、認知、理解、直感、認識、意識、自覚することが不可能です。これは年齢が若年であるほど顕著な傾向が存在しています。

当オブジェクトの影響下にある知的生命体(SCP-2682-JP-A)は特定の人物、事物、描写を想起します。この想起の内容には再帰性が見られ、尚且つ記憶処理を実施したものも選択されます。それらの想起に関して、大半のSCP-2682-JP-Aは混乱を示し、同時に実際の結果とは違う結論が存在することを主張します。その過程で対象の精神状態は限りなく鎮静状態、或いは昂奮状態に移行する様子が観察可能です。ただし、それらの結論は10秒から12時間後、実際の体験と経験を根拠に、当人によって修正されます。結果としてSCP-2682-JP-Aには激しい啼泣や激昂の兆候が確認されます。それらは放置しても鎮静する場合がありますが、継続的に確認される場合は呼吸機能の不全、脱水症状並びに肺機能の疾患を引き起こす可能性が高いため、基本的には推奨されていません。また、副次的作用として睡眠不足、神経衰弱のような作用も確認されています。

現状、SCP-2682-JPの影響を一度でも受けた知的生命体への有効な治療法は存在していません。発生直後における対象者への複数の記憶処理、並びに行動規制による効果は見られませんでした。また、例として発症以前より情報を閲覧し、当オブジェクトの担当職員でもあったブルーノ上級研究員もキャリアとなった2018/05/28時点から3年間、観察、医療的アプローチを受けているにも関わらず、回復の兆候は見られていません。ただし、その経過的観察の上で、SCP-2682-JP-Aには微弱ながら感染性が存在する可能性があるとの見解が示されています。

なお個人差はありますが、SCP-2682-JPの影響を軽減するいくつかの行動、もしくは物品の存在が指摘されています。しかしながら、これらの方法や物品は主にSCP-2682-JP-Aが実体験を基にして考案したものであり、医療的な見地からの有効性は認められていないことには留意してください。

・約0.03lx~0.25lxの照明の配置された暗室内での6時間前後の休息。
・約15°以下の環境においての風的感触。
・不特定の場所における飲酒、喫煙。
・着色済み火薬による発火現象、またそれによって発生する香気。
・ネオン管によって構成された照明。
・不特定の時間帯限定でサイト-17内に存在している円形ガラス窓

・・・

・・・

・・・

補遺1: 歴史と発見: SCP-2682-JPは発見当初、新種の精神疾患と認知されており、「広汎性精神疾患」に内包されていました。しかしその後、2021/06/21、漢娜臨床心理師によるオブジェクト指定に関する進言を倫理委員会、並びに評議会が承認したことにより、SCP-2682-JPは正式にナンバリングが実施されました。決定に伴い、当オブジェクトに関しての記述が確認される論文、並びに情報の全ての隠蔽は完了しています。ただし、オブジェクトが指定された時点で、全世界に凡そ50000人程度のSCP-2682-JP-Aが存在している可能性が同名より指摘されており、それら全てへの対応に関しては評議会による判断が待たれています。

漢娜メイ・ハンナ臨床心理師2による所見

全体的な症状は「鬱」や「統合失調症」に酷似しています。ただ、明らかな異常として記憶処理剤による治療が、その症状としての記憶の想起によって非常に困難であることが挙げられます。そもそも、 過去使用されていた記憶処理剤の生成方法には私は疑念を抱いています。ただ、それはこの際置いておきましょう。それも関係あるのかもしれませんが、それについて調査をするのは私の仕事ではありません。

今までに私は、そう、1000より先は数えていませんが、大勢のSCP-2682-JP-Aへの問診、診断を行ってきました。その殆どは財団職員でしたが、一部には財団が関わった一般人を担当する事もありました。そしてそれら全てに言えることですが、彼らは「怯えて」いたのです。何に怯えていたのかは人それぞれ、理由は違うように思えましたが、そう、怯えと表現するのに相応しい様相でした。

ある人物は21時、必ず決まった時間から想起が始まるようでした。彼は財団職員でありながら、基本的に安全性の高いオブジェクトを担当していたので記憶処理を受けたことはありませんでした。そのため、想起する内容は彼が経験した事柄で間違いのないもので、それは両親の死のような、私たちにとってはありふれたものです。それを彼は受け入れていました。少なくとも、一緒に勤務していた財団職員はそのように彼を捉えており、実際に業務上の支障や、心理的評価の変化は確認されていません。であるから、私も実際の状況を確認するまでは軽度の患者であると判断していました。

彼の部屋に入り愕然としたのを覚えています。彼の部屋は、物で埋め尽くされていた。その殆どは仕事中に彼が購入した食品や物品の包装、箱でした。ただそれが無造作に放り投げられているわけではないのです。部屋の石膏壁とフローリングが見えぬように、とてもではありませんが、事前情報で私が知っている彼がそれを行ったとは思えないくらい、几帳面に絶え間なく、貼り付けられていました。そして部屋の隅に、その包装と箱でスペースを作るようにして彼はその中で震えていた。声をかけると、彼は言うのです。「そっとしておいてくれ」と。私はそれを聞いて、安心をしました。その場に合った発言が可能であったから。

続けて私は問いました。「何故?」 彼はすぐに答えました。「晒されているから」と。その意味が分からず、私は再び問いました。「どうして? 誰に?」と。その答えは沈黙でした。私と彼のファーストコンタクトはそれで終わりです。その後も同じような日々が続きましたが、7回目でしょうか。部屋の隅で震える彼の瞳が、常に部屋の一部を見つめていることに気づきました。ただ、そこを調べてみましたが何も見つからなかった。この時はよくある、統合失調症に近い症状だと思っていました。

ただ、その時から私は治療者の瞳を見るようになって、そして気づきました。皆一様に方向は様々ながら一点を見つめているんです。その場所には確かに何もない。何もないんですが、私はそれを記録していました。そして気づいてしまったんです。彼らは、特定の周期に基づいて、皆同じ地点を弧を描くように見つめていました。何かが昇るのを、または、降りるのを追いかけるように。

それを根拠に、私は明確にこれを異常であると進言しました。

ログイン資格を確認。日本支部職員のIDと合致いたしました。日本語が適用可能なインタビューログを展開します。


付記: 各SCP-2682-JP-A財団職員に対しての付随資料。これらは報告書へのログイン国籍を以て、母国語が適用可能なインタビューがランダムに展開されることに留意してください。

SCP-2682-JP-A-24の観測に伴い行われたインタビュー記録の抜粋

インタビュー対象: 神恵研究員3

インタビュアー: クライン上級研究員

<記録開始>

クライン上級研究員: ミス神恵。あなたがSCP-2682-JPを知覚したのはいつごろのお話だったでしょうか?

神恵研究員: 何度か記憶処理を受けたため、正確には覚えていません。ただ、最初に症状を自覚したのは、私が管理している植物園内でのことでした。温度管理のために見回りをしていた時、ふとまだ何も植えられていない7Aのスペースが目に入ったんです。天窓があって日当たりがいいのに、その場所に何も植えられていないのがおかしいなって。そうしたら、急に涙が止まらなくなって。最初はオブジェクトの影響ではなく、ストレスによるものだと考えていました。

[クライン上級研究員がサイト-81HA内の植物園の配置図を要求する。それを受け取ると、クラインは配置図を確認しながら、再び神恵研究員に向き合う。]

クライン上級研究員: 7Aには確かに現時点では植物が配置されてはいないようですね。より具体的にその時の様子をお聞かせ願えますか?

[神恵研究員は数秒間沈黙する。設置されたサーモグラフィーは神恵研究員の顔部とその周辺の体温が2℃ほど上昇している様子を記録している。]

神恵研究員: [吃音] [深呼吸] あの日の一日の業務内容に、特殊なものはありませんでした。前日にオブジェクトと接触した記録もありません。業務として17:00より予定されていた植物園の温度管理を行おうとして、私は植物園に足を踏み入れました。7Aは入口付近に配置されているため、すぐに目に入ったのですが、それを見た時私は [思案] 穴が、空いたような。形容しがたい感覚に襲われたのを覚えています。

[サーモグラフィーは僅かながら、神恵研究員の体温の上昇が継続していることを記録している。神恵研究員より軽度の緊張、発汗症状、並びに啼泣の兆候が確認される。クライン上級研究員は事前申告されていた、SCP-2682-JPの症状を軽減する要素より、ゼラニウム(Geranium)のアロマを焚く。数分後、神恵研究員の体温が緩やかに下降する様子が記録される。]

クライン上級研究員: お話を続けていただいても? 特にその、喪失感についての詳細をお聞きしたいです。

神恵研究員: [思案] それは、反ミーム性を有したオブジェクトに初めて触れた時の気味悪さとよく似ています。必ずそこにあるはずのものが、五感的な情報や記憶、経験の中に存在しない。しかし、妙な確信はあるのです。ただ、それを覆い隠すような理由が頭の中に流れ込んでくるような。

クライン上級研究員: なるほど。よく理解しました。ではあの時あなたは、そこにどのような理由を見出したのでしょうか。

神恵研究員: 少なくとも私はそこで、何らかの事故があったために、植物の配置がなされていないのだと理由付けました。具体的には、そう、職員の自殺のような。

[クライン上級研究員は再び配置図と付随資料を確認する。7A内では神恵研究員の証言通り、サイト所属職員の自殺が確認されている。ただし、それについては該当者が神恵研究員と親しい間柄の職員であり、業務への支障を考慮した結果、神恵研究員を含めた複数名の職員に記憶処理を実施した記録が存在している。クライン上級研究員は、保有デバイスからインタビュー室内の職員に記憶処理剤の準備を命令する。]

クライン上級研究員: それは、どのような根拠を持って判断なされたのでしょう?

神恵研究員: なぜなら、ええと? だってあなた方がそう言っていたじゃないですか。あの場所で、職員が自殺したって。

クライン上級研究員: いいえ、私たちはそのようなことは申し上げておりません。

神恵研究員: いいえ、確かにお話していました。でもそれは志文4ではなかったはずなんです。彼は今もサイトで元気に働いているはずですから。昨日だって私に話しかけてくれたんです。でも、あれ? 志文が、倒れているのを見つけたのは私で。

[サーモグラフィーは神恵研究員の全体的な体温の上昇を記録する。同時に、思案を継続する神恵研究員より、激しい発汗と啼泣の兆候が再び観測される。]

神恵研究員: だって、他の職員が自殺したのなら、それは彼ではなく、彼は死なずに今もサイトで働いていて、昨日も私に話しかけるはずだから。でも、彼が自殺してしまったから、そこには植物を植えることはできなくなって。私に話しかける人は誰一人いなくなって、違くて、あの、私のせいじゃない!

クライン上級研究員: 落ち着いてください。貴方の仰る通り、7Aでの職員の自殺は確認されていません。それらは根拠のない妄想に過ぎません。

神恵研究員: 違う、自殺したのは志文で、志文は、志文だけは何かがおかしなことに気づいてた。ストレルカ5も、ベルカ6だってきっと気づいてて、でもそれを私に伝えようとした時に、私がそれを馬鹿らしいって笑って、そうしたら彼は、あのユウガオの上で—

[神恵研究員がインタビュー室内の机を激しく殴打する。クライン上級研究員の指示によって機動部隊が突入。神恵研究員を取り押さえるとともに、鎮静剤と記憶処理剤の投与が行われる。神恵研究員の失神が確認され、インタビュー室内より機動部隊によって退去が完了する。]

<記録終了>

 



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