SCP-2683
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SCP-2683に現れたインドゾウ(Elephas maximus indicus)の一個体。

アイテム番号: SCP-2683

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2683は専任研究チームによって監視されます。異常領域内に侵入したゾウ目(Proboscidea)の生物は全て記録しなければいけません。SCP-2683の隔絶された性質上、収容を巡って民間人との衝突が起こる可能性はほぼ無いと考えられます。予防措置として、当該領域に大量の有害な地下ガスが存在することを示す標識を境界線に掲示します。

当地に生息していない種がSCP-2683にいる間に死亡した場合、死骸は分析のために回収します。分析後、死骸は焼却処分し、遺伝サンプルを保管します。

説明: SCP-2683は、インドの████████国立公園にある森林の空き地です。この空き地は面積0.6km2で、土着の植物相が繁茂しています。空き地には大きな池があり、この池の規模は旱魃や雨期による変化が観察されたことがありません。

SCP-2683は時間的・空間的な異常の影響を受けています。様々なゾウ目の生物が空き地の端に実体化し、中心部の池へと進んでいく様子が観察されています。土着種、非土着種、絶滅種の全てが目撃されています。全ての個体は明らかに同一の行動パターンを示します — 即ち、鼻の先端で水面に触れ、目から大量の涙を放出します。数頭の個体は池の水面に枝を浮かべる様子も見られます。大部分の個体はある程度の時間が経過すると非実体化しますが、おそらく栄養失調によって死に至るまで水際に立ち続ける個体も存在します。SCP-2683で目撃された種の完全な記録が以下に掲載されています(当地の土着種は含めていません)。

学名/通称名 注記
Loxodonta africana、アフリカゾウ 大型の種。野生では攻撃を受けやすい。
Loxodonta cyclotis、マルミミゾウ 野生ではほとんど見られない種。
Mammuthus、マンモス属。コロンビアマンモスと推定される 更新世に生息していた無毛のマンモスの一種。この種の個体を捕獲する試みは、対象がSCP-2683を退出した後に非実体化したため失敗。
Mammuthus exilis、コビトマンモス 絶滅した小型種。化石はサンタ・クルーズ島、サンタ・ローザ島、サン・ミゲル島1でのみ発見されている。
Mammuthus primigenius、ケナガマンモス 大型で毛深い種。この種の個体は常に30~40頭の大規模な群れで出現する。
Gomphotherium、ゴンフォテリウム属 この種の個体は職員に対してかなり攻撃的であり、幾度か軽傷を負わせている。4本の牙を有する。
Anancus、アナンクス属 この種の個体は極めて長大な牙を有しており、そのうち最大のものは長さ4.2mと推定された。
Moeritherium、メリテリウム属 始新世の種族。牙を持たず、鼻は非常に短い。
Elephas celebensis、スラウェシコビトゾウ2 牙は低く反っている。この種はそれほど頻繁には現れない。
Elephas maximus sumatranus、スマトラゾウ 他の大半の種よりも小柄である。SCP-2683で最も一般的に目撃される種の一つ。
未特定 体色は黒く、小柄であり、水掻きのような付属器官を有する。攻撃的ではない。
未特定 体色は暗いオレンジ色、巨大な門歯と五本の牙を有し、極めて攻撃的。数名の職員を負傷させた。
SCP-2082個体と思われる 異常効果によって█名の職員が死亡した。

補遺1: 研究者たちは池の中を確認するために小型の水中ドローンを配備しました。ドローン探査の結果、池の深さは約15~17mと判明しました。映像は、池の底に一頭分の巨大なゾウの骨格があることを示しました。分析のために大量の骨を回収するべく、2名1組のダイビングが計画されています。

更新: 上記ダイビングは事案2683-Aに指定されています。当該事案の記録は以下を参照してください。

[記録開始]

エージェント ダーワン: 通信はこちら側では良好です。確認したか、カズンズ?

エージェント カズンズ: 確認完了。

ハミドウ博士: よろしい。降下してくれ。

エージェント ダーワン: 了解。

ダイバーたちが池の中に降下する。

エージェント カズンズ: 骨格を目視しました。

ハミドウ博士: 良し、骨の採集を始めてくれたまえ。

エージェント ダーワン: はい、サンプル採取に入ります。

ダイバーたちは幾つかの骨を堆積物から除去しようと試みるが、失敗したように思われる。

エージェント カズンズ: この骨、びくともしねぇぞ。

エージェント ダーワン: もっとしっかり握ってみる、待っててくれ。

この時点で、エージェント ダーワンは手袋を外し、骨と皮膚接触を行った。彼の行動が停止する。

エージェント カズンズ: どうした? 大丈夫か?

エージェント ダーワン: 何故、此処に私がいるのかが分かる。彼女は私と繋がり、癒している。

ハミドウ博士: エージェント ダーワン、大丈夫か?

エージェント ダーワン: 信じられない、彼らが… 君が、彼女を殺めた。

エージェント カズンズ: ダーワン、骨を放せ。ここから出るぞ、さぁ。

エージェント ダーワン: この場所は… 此処は神聖だった、彼らがやって来るまでは。

ハミドウ博士: エージェント カズンズ、上がりたまえ。エージェント ダーワンは後ほど回収する。

エージェント ダーワン: 素晴らしい… 彼女は私たちと繋がり、故に私たちは此処に来ることができる。私は家へ帰るんだ。

エージェント ダーワンは痕跡を残さずに消失する。

エージェント カズンズ: いったい何なんだ? あいつは何処に消えちまったんだ?

ハミドウ博士: そこを離れるんだ、カズンズ。早く。

エージェント カズンズが水上に帰還する。

その後の池へのダイビングでエージェント ダーワンは発見されませんでした。

2017/██/██、スリランカのコロンボに勤務するエージェントらが精神病院でエージェント ダーワンを発見し、彼はSCP-2683-1に指定されました。ダーワンはゾウの習性や行動を模倣しており、人間の行動特性を一切示しませんでした。病院スタッフの話によると、ダーワンは通りを放浪しているのを発見され、数名の民間人を攻撃して逮捕されていました。エージェント ダーワンがコロンボで誕生したという記録が注目されています。今後のダイビングは計画されていません。

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