SCP-2691
評価: +8+x

アイテム番号: SCP-2691

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 収容は観光客、ハイカー、カヤッカーをSCP-2691や上流地域から遠ざけることを重視します。SCP-2691が設置されている無名の道と高速道路81号線の両交差点にはコンクリート製の道路防塞と、パークレンジャー・システムに潜入している財団エージェント1名が駐在する詰所が設けられます。SCP-2691の上流地域(SCP-2691自体を含む)は最近になってアメリカアカオオカミが放された動物保護区であると詳述するカバーストーリーが広められており、現代の地図は適切に更新される予定です。

説明: SCP-2691は、アパラチア山脈の小川、██████クリークを横断している屋根付きの橋です。外部から測定した場合の寸法は3.1 × 2.9 × 24mです。内部で測定した場合は3.1 × 2.9 × 48mです。

この効果は橋の下で拡張します。橋の底部と水面との隙間は川の季節水位に応じて変動します。記録上の最高水位で生じる隙間は0.5m、最低水位で生じる隙間は1.5mです。橋下における水平空間は20mです。SCP-2691の下部を通り抜ける際の距離は季節水位と共に変動するようですが、平均して~10kmに±5kmです。

異常な時間的測定値は空間異常と相関するようであり、実験が進行中です。詳細はログを参照してください。

SCP-2691は、カヤックでの川旅から1日遅れで帰って来たうえに失踪中の記憶を有していなかったというカヤッカーの一団に関する話が、あるタブロイド紙に掲載されたことで発見されました。タブロイド紙はまた、問題のカヤッカーたちが██████クリークを下る際に異常なほど長いトンネルに遭遇したことに言及していました。クラスC記憶処理が施され、タブロイド紙の記事は都市伝説として片づけられました。

実験2691-2 - 20██/06/18

対象: D-12
手順: 対象はストップウォッチを与えられ、橋を渡りながら時間を計測するように指示された。
結果: D-12は橋を渡り終えるまでに1分22秒を計測した。SCP-2691外に立っていたゴトウ博士は、D-12が橋を渡り終えるまでに41秒を計測した。

実験2691-7- 20██/06/18/~20██/06/19

対象: D-17、カヤックの操舵能力により抜擢
手順: 対象はカヤックに乗った状態でSCP-2691の上流に配置され、ヘルメット装着型のカメラを渡され、カヤックで橋下を潜るように指示された。この実験当時、橋下の季節的な隙間は1.1mだった。
結果: ゴトウ博士はチームの他メンバーと交代しつつ、D-17がSCP-2691の下流側から現れるまでに1日と10時間28分を計測した。カメラには3時間49分の映像が記録されており、一貫してSCP-2691越しに降り注ぐ暗い日差しの中でカヤックを漕ぐD-17を映していた。推計されたSCP-2691下部の移動距離は約16km。

実験2691-15 - 20██/06/20

対象: D-12
手順: 対象は橋の反対側に向かってゆっくり歩いた後、右側を向き、SCP-2691の外縁を歩いて超えてから、ゴトウ博士に手を振るように指示された。
結果: 不確定。詳細は添付のインタビューを参照のこと。

インタビュー2691-1
20██/06/20
ゴトウ博士、エージェント████████、D-12、SCP-2961-a

<記録開始>

ゴトウ博士: このSCPを理解できたと思い始め、“Safe”に分類しようとした矢先に… これが発生した。記録のために全員の証言が必要だ。一体何が起きた? エージェント████████、まず君から頼む。

エージェント████████: 私は何か妙な事が起こる場合に備えて、川の向こう側でうろついていました。標準的な在野配置任務です。すると1人のDクラスが(エージェントはSCP-2961-aを指差す)橋から走り出て森に逃げ込もうとしたので、彼の膝を撃ちました。ゴトウ博士が無線で状況報告を求めたため、Dクラスに手錠を掛けたと知らせました。その後、彼に応急処置を施し、キャンプに引き返して他の皆さんと会った次第です。

ゴトウ博士: では、D-12は?

D-12とSCP-2961-a、同時に: 俺は… (両者ともに口をつぐみ、互いを見やる)

ゴトウ博士: 足に包帯を巻いている君、君はD-12ではなくSCP-2691-aだ。D-12、私は君から一度も目を離さなかったから、君がD-12だという事は分かっている。

D-12: OK。俺はまた橋を歩いて渡りながら、こいつはそう悪いもんでもないと考えてた。他のDクラスどもからは実験についてのホラーストーリーを聞かされてたからな。でもこれが終われば、俺は自分の独房に戻って、そんで… 次に何の実験をするかなんて分かりゃしない。だからよ、キャンプの連中を皆後ろに置いて逃げちまおうと思ったんだ。橋の反対側についたらすぐさま走り出して、オオカミと荒野に自分の命を委ねるつもりだった。もっと実験をやるよりかはマシだ。それで俺が走る準備を整えながらそわそわしてきた頃に、バーン! 銃がぶっ放された。で、俺はゲットーの出身だから、本能でもって頭抱えて床に伏せちまった。ここの先生が橋のこっち側に戻れってんで、俺は従った。そしたらこのエージェント野郎が… 俺のコピー?みてぇな奴を連れてきた。俺たちは腕の刺青から何から全く同じだ。

ゴトウ博士: 興味深い。SCP-2691-a、君の話は?

SCP-2691-a (短い沈黙の後、SCP-2691-aは周囲を見回して発言する) あ、俺か。そうだな、これまでずっとD-12だったもんでよ… とにかくだな。俺はまた橋を歩いて渡りながら、違うほうの俺が言ったように、逃げる準備をしてた。あとちょっとで橋を渡り切るとこまで来た時、もう今を逃したらチャンスは無いって感じて、森に向かって走り出した、途端にバーン! 銃がぶっ放された。最初は転んだかなんかしたと思ったが、その後、自分が撃たれたって気付いた。そしたらこのエージェント野郎が来て、俺に手錠を掛けてから膝に包帯巻いたんだ。得意げな面しやがって。 (SCP-2691-aはエージェント████████を睨む) そんで、こいつが俺を拾い上げてキャンプまで引きずり戻すと、そこに運が良かった方の俺のコピー、撃たれてない俺がいやがったんだ。

ゴトウ博士: 成程ね。記録のため述べるが、私はD-12がSCP-2691を渡っている間ずっと目を離さずにいたんだ、するとエージェント████████の銃が発射される音がした。私はD-12が頭を庇いつつ俯せに倒れるのを見た。私がエージェント████████に状況報告を求めたところ、“奴を捕まえた”という返答があった。我々のDクラスは全員そろっていたので、私には彼が何の事を言っているかよく分からなかった。私はSCP-2691のこちら側へ戻るようD-12に要請し、彼は従った。少し遅れてエージェント████████が、D-12と瓜二つのSCP-2691-aを連れて姿を見せた。違いはこれが膝に包帯を巻いている点のみだ。

SCP-2691-a: …待ってくれよ、俺は今じゃ“これ”扱いか? Dクラスより酷ぇ扱いがあるとは思わなかったね。

<記録終了>

結: D-12とSCP-2691-aの全ての血液・組織サンプル分析は、両者が同一であることを示した。D-12とSCP-2691-aは更なる実験のため無期限に拘留されている。

補遺: ゴトウ博士は、実験2691-15の結果が安全かつ確実に再現可能である場合、このSCPを重要および/または貴重なアイテムの複製に使用できる可能性があるとして、追加のリソースと資金を要請しています。

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