SCP-2723
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SCP-2723-Aの一個体

アイテム番号: SCP-2723

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2723の入口は標準的なタイプ2財団屋外保安前哨基地に囲まれています。加えて、この前哨基地の境界の柵には、SCP-2723を退出するSCP-2723-A個体を標的とするようにプログラムされた改良版の光子柵システムが取り付けられます。

説明: SCP-2723は、ネバダ州ラスベガスから約22km離れた場所に位置する異次元空間です。外部から見た場合、SCP-2723は容易に観察できず、入口が周辺の地形に溶け込んでいます。3m以下の高さからSCP-2723に入場した人物は小空間の内部に出現します。この空間の横の境界は濃い灰色の霧が出現することで規定されていますが、上および下の境界は発見されていません。この小空間には、SCP-2723-1と指定される巨大かつ多層構造の円筒形の塔があります。塔の全ての階層は大まかに円形であり、壁の代わりにアーチ構造または柱が存在します。連続的な螺旋階段が塔の中心部を通っています。

SCP-2723-Aは、SCP-2723内に起源を持つ、大きさおよび形状が中型の鱗翅目に似た生物の総称です。精密検査の結果、SCP-2723-Aは完全に灰で構成されていると判明しています。その組成にも拘らずどのようにSCP-2723-Aが移動、飛行、周辺環境の観察を実行できるのかは現在不明です。SCP-2723-Aの1m以内にある全ての液体や固形物は急速に劣化し、腐敗します。ある程度劣化が進行した時点で、影響物質は質量を失い始めます。通常の状態では、SCP-2723-Aは1~3日ほどSCP-2723から退出します。この期間の終わりに、SCP-2723-AはSCP-2723へ戻り、自発的に未特定の黒い液体へと変化します — 液体の質量は、SCP-2723-A個体自身と、劣化した物質から失われた質量の凡その合計です。この液体はSCP-2723の地面に接触すると速やかに吸収されます。研究によって、SCP-2723-1とSCP-2723の地面に広がっている広範な毛細管システムが発見されています。これはSCP-2723-1の最上部に液体を移送し、粘性の黒い物質として堆積させています。

SCP-2723-Bは、主に銀で構築されていると思しき自律機械装置であり、人間の成人男性を模して象られているようですが、例外として頭部はOdocoileus virginianus(オジロジカ)の雄の成獣のそれに似ています。SCP-2723-BはSCP-2723-1の頂上に居住しています。SCP-2723-Bは大量の黒色物質で覆われており、その物質を使ってSCP-2723-1の上層階層を形成する様子が観察されています。

補遺1: SCP-2723-1の階層の記録。

階層# 階層説明
1 この階は全体が発光する白色物質で構成されています。円対称に配置された7本の円柱に支えられています。
2 この階は主に青い色合いで、透明なアーチ構造に支えられています。床は僅かに窪んでおり、少量の水が溜まっています。
3 この階の天井と柱は、堆積層を模して配置された数種類の異なる石で作られています。床は土で構成されており、数種類の植物がそこから成長しています。
4 天井は金で構成されています。床は銀で構成されています。支持アーチ構造は固形かつ半透明の黒色物質で構成されており、内部には小さな発光性粒子が埋まっています。
5 構造は青いガラスで構成されています。床には数種類の水棲生物が描かれています。天井には数種類の鳥類や空棲生物が描かれています。
6 白い大理石で構成された階。数種類の異なる動物と、2人の人間を象った大理石の像で満たされています。
7 灰色の石で構成された階。4本の柱に支えられています。柱、床、天井には幾何学的な模様が彫られています。
8-22 木材で構成されている階層。木材の彫り込みは、様々な森林風景の中にいる数種類の動物と2人の人間を描いています。
23 黒い石から彫られた階。柱は蛇の彫り込みで囲まれています。
24-30 8-22階と同様に木材から彫られた階層ですが、注目すべきことに、人間の描写がありません。
31-43 上記同様ですが、様々な動物の間での肉体的な闘争を描いた風景が彫られています。構造の一部が火災被害を示しています。
44 木材から彫られた階。逆十字の形状をした、3本の等間隔で立った柱に支えられています。それぞれの柱に動物が1匹ずつ彫られています1
45 木材から彫られた階。彫り込みは森林風景を描いていますが、動物が存在しません。
46-62 様々な有機物で構成された階層。像と彫り込みは、都市と、大柄で毛深いヒト型生物を描いています。
63 上記の階層と同様。彫り込みに毛深いヒト型生物は最早描かれておらず、都市は炎に包まれているか荒廃しています。
64-80 主に茶色の石で構成された階層。柱とアーチの彫り込みは、多種多様な人間の狩猟採集民と農業社会を描いています。
81-87 これらの階層は主に鉄鋼で構成されており、様々な産業関連の場面が描かれています。
88-89 これらの階層は未特定の黒い固体から彫られています。アーチの彫り込みは、第一次および第二次世界大戦の様々な戦闘を描いています。
90-97 これらの階層はコンクリートで構成され、アーチに支えられています。アーチの窪みに、専ら明るい色をした、様々な非ユークリッド幾何学的彫刻が収められています。また、窪みには様々な動物の彫刻も収められています — 少なくともイヌの彫刻1個、ネコの彫刻2個、ウサギの彫刻2個が各階層に存在します。
98-100 これらの階層は粘性の黒色物質で構成されており、不安定です。SCP-2723-Bが居住しています。

補遺2: SCP-2723-1の97階で発見された文書。これらの文書は方言A-12(「旧き天使」)で書かれています。

遺憾と悲哀と共に

我らが造物主に対する残虐行為により、学徒Marbaへ刑罰を執行します。

MarbaはSatirの補佐官を務め、彼の言伝を運び、また土地の隅々から知らせを集めました。彼は████の全ての市民にとって友人であり、隣人でもありました。彼は、意思に反して言伝を控えることがあった製作者たち、学徒たち、栄誉者たちとは比べようもないほどに我々に佳く仕えました。

彼への罰は、我々全ての損失になります。

今の形に至る以前、Marbaは████の激怒に関する知識を持ちながら、彼らの居場所を報告することを拒絶しました。更に、Marbaは蜂起が発生する可能性を民衆に警告することを拒絶しました。最後に、Marbaは密かに書簡を運ぶことによって反逆者たちを援助しました。

以下の命令はMarbaの罰のために執行されます:

  1. Marbaの息は毒の煙で満たされます。これは、彼が自らの言葉がもたらした死と、痛みと、苦しみを見ることができるようにするための措置です。これはまた、彼が最早望むままに仲間と自由に会話できないようにするための措置でもあります。
  2. Marbaは彼の殻から取り除かれ、殻はその後、灰になるまで燃やされます。これは、彼の翼が最早地の果てへ彼を運べないようにするための措置です。
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