SCP-2727-JP
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アイテム番号: SCP-2727-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 一般人のSCP-2727-JP-aの摂食を防ぐために担当職員は随時担当範囲の食品販売店を監視し、SCP-2727-JPの販売が見られた場合は直ちにSCP-2727-JPの販売を停止させ、販売及び買収されたSCP-2727-JPを回収・焼却処分して下さい。

説明: SCP-2727-JPは、宮崎県を中心に広範囲の食品販売店内で販売された状態で出現する異状物品です。SCP-2727-JPは食品販売店の主にジャム売り場に突如出現し陳列されます。店員を始めとした周囲の人物はSCP-2727-JPが陳列されている事に対して違和感や疑念を抱く事が出来ません。SCP-2727-JPを確認した人物は「食べてみたい」「どんな味なんだろうか」といった微弱な摂食衝動に駆られます。これは第三者の制止等によって容易に抑える事が可能です。SCP-2727-JPは外見上は一般的なジャム瓶に酷似した見た目をしています。SCP-2727-JPのラベルや蓋には「濃厚で爽やかな夜の味」と書かれています。

SCP-2727-JP-aはSCP-2727-JPの内容物です1。SCP-2727-JP-aは材質は一般的なジャムと何ら変わりはありませんが、色は黒に近く、この色は光を██.█%吸収する事が判明しています。SCP-2727-JP及びSCP-2727-JP-aは焼却処分により問題なく還元が可能です。

SCP-2727-JP-aを摂食した人物には以下の異常性や異変が付与されます。

精神的異常: 個人差が存在し、今まで報告された事例には精神の不安定化・精神の異常活発化及び思考能力の欠落・無気力化等が報告されています。

体内の分泌液の変色: 摂食者の分泌液がSCP-2727-JP-aに近い色に変換されます。尚、異常な成分は検出されませんでした。

周囲の環境・生物への影響: 摂食者周囲に存在する夜行性の生物が活発化します。また、摂食者周囲の環境は常に一定の暗さ2で保たれます。

幻聴: 摂食者はいずれも「人の声が聞こえる」と訴えました。しかし、摂食者は基本的にこれを好意的に受け入れる事が判明しています。

SCP-2727-JPは、20██年を境に医療施設への奇怪な相談が急増した事により財団の注目を引き、その後相談者への調査を行っていく中で発見されました。

現在、SCP-2727-JPの出現範囲の拡大が進行している事が明らかになっています。担当職員はSCP-2727-JPの範囲拡大に合わせ分布図及び対応職員表を更新する必要があります。

インタビュー記録:SCP-2727-JP-20██/█/█

以下は20██/█/█に行われた、SCP-2727-JPの摂食実験の█時間後に行われたインタビュー記録です。

インタビュアー: 芒野博士

対象: D-17658

[記録開始]

芒野博士: では、インタビューを始めます。先程の摂食実験から少し時間を置きましたが、容態はどうでしょうか、D-17658。

D-17658: どうもこうも無えよ…。なんで俺はこんな所にいるんだよ、クソ。ああ、あんな事しなければ…。

芒野博士: 落ち着いて下さい、D-17658。今の貴方の精神状況を客観的に教えて下さると幸いです。厳しければ、精神安定剤を投与しましょうか?

D-17658: ああ、ああ…。いや、大丈夫だ。話せる。…なんか今は、すっげえ糞な気分だ。嫌でも後ろ向きな感情が流れ込んでくる。

芒野博士: 成る程。具体的には、どのような感情を貴方は抱いているのですか?

D-17658: …なんだろう。ざっくり言うと、まあ、後悔みたいな感じだよ。くそったれ。何で俺こんな得体の知れない組織の下で命懸けてんだろうって。なんで人なんか殺したんだろうって…。俺が悪い事はわかってるんだけどなぁ、やっぱ夜宿舎で寝る前とかこういう事考えちゃうんだよな…。

芒野博士: 理解しました、ありがとうございます。では次なんですが、今までの摂食者の例ではどれも幻聴が確認されています。貴方はどうでしょうか。可能であれば、幻聴の詳細な内容もお願い致します。

D-17658: …幻聴?ああ、それなら、ずっと聞こえてくるぜ。何なら今もわずかだけど聞こえてくる。…でも、嫌な感じはしないな。集中して聞くとなると結構体力使うけどな。

芒野博士: 貴方が幻聴に対し抱いている感情に対し、明確な理由はあるのでしょうか。あと、繰り返しますが幻聴の内容も教えて下さい。

D-17658: まず、内容はマジで俺に聞かせてどうすんだ、って事ばっかりだ。「自分が嫌いだ、明日が来なければいいのに」とか、「今度こそあの人に話しかけたい」とか。声もばらばらだし、独り言みたいな印象を受ける。なんか、深夜のSNSみたいな雰囲気あるな。…だからかわかんねえけど、不快感は無いんだよ。ほんとになんでだろうな。愛おしいというか、受け入れたいというか。こんな感情初めてだ。それはそれとして今はすげえ病みそうだけどな。はあ。

芒野博士: 承知致しました。これでインタビューは終わりますが、何か伝えておきたい事はありますか?

D-17658: ああ、それなら、一つ伝えたい事があるんだ。

芒野博士: はい、どうしましたか。

D-17658: 俺は、多分、夜になったんだ。夜になって、ふと思った事がある。

芒野博士: 何でしょうか?

D-17658: …もう少し、夜を労ってやったらどうだ?

[記録終了]

インタビュー後、D-17658は経過観察のため専用実験室へ再び送られました。

補遺1: 20██/█/█、SCP-2727-JPの蓋に記載されていた製造所の探索が行われました。探索の結果記載されていた座標には山小屋が一件建っていましたが、山小屋には特に異常性は確認できませんでした。しかし、以下の内容のメモが見つかった事から、SCP-2727-JPと何かしら関係があるとして調査が進められています。

あなた方はどれ程宛先の無い感情を夜にぶつけてきたのでしょうか?
夜は全ての人に平等に耳を傾けます。そして、我々はそれに甘えてきました。
夜はもう、疲れているのです。
共に夜を代わり、今度は我々がぶつけられた感情に耳を傾け、あるべき場所へ送りましょう。

いつか、あなた方が向けた想いが、正しい所へ届きますように。

補遺2: 調査の結果、宮崎県を中心とするエリアの夜間の夜陰が季節・気候に関わらず年々減少している事が明らかになりました。また、減少度合はSCP-2727-JPの摂食による被害件数と比例している事が判明しました。

これにより、SCP-2727-JPの摂食実験は現在禁止されています。

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