アイテム番号: SCP-2731-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2731-JPは人型収容セルに収容され、セル内部には小型のスクラントン現実錨が設置されます。
説明: SCP-2731-JPは34歳の日本人男性である日奉稲雄氏です。SCP-2731-JPは凝集性クラスⅡ型現実改変者であり、半径500m以内に存在する人物の体内現実子を吸引することで現実改変能力を行使します。吸引時に発生するヒューム値の変動は0.001〜0.01程度ですが、数百人規模の集団から吸引を行うことで大規模な現実改変が実行可能です。なお凝集性実体の特徴として、実行時は一定の条件を満たすことで正当性を構築する必要があります。
SCP-2731-JPは2010年から2018年までの期間におよそ1千万円の借金をしていますが、これらの借金は2019年にSCP-2731-JPが現実改変を用いて消滅させています。なお、この能力使用時に発生したインシデント2731-JPによってSCP-2731-JPの存在は財団の知るところとなりました。
SCP-2731-JPの父方の一族である「日奉一族」は大正期まで能登半島に居住しており、現地の祭祀に何らかの深い関わりを持っていました。能登半島で発見された関連資料から、この一族には定期的にSCP-2731-JPと同様の能力を有した人物が生まれていたことが判明しています。またこのような資料から、一族が能力を利用して祭祀中に現実改変を起こし、人々の願望を実現させていたという仮説が財団の民俗学チームによってもたらされています。しかし昭和期に入ると一族の活動は停止し、祭祀自体が消滅しています。財団の民俗学チームはSCP-2731-JPの能力行使時に必要な条件が停止の要因になったと推測しています。なお、財団は日奉姓のアノマリーを複数発見していますが、既知の日奉姓の人物とSCP-2731-JPが属する日奉一族との関係は一切確認されていません。
以下は、SCP-2731-JPが現実改変を行う際に満たす必要がある条件の一覧です。
確認されている限り、SCP-2731-JPが能力を行使した事例は2019年のインシデント2731-JPにおける3回のみです。
補遺: インシデント2731-JP
インシデント2731-JP発生直後の渋谷スクランブル交差点。
インシデント2731-JPとは、SCP-2731-JPが2019年10月31日に東京都渋谷区のスクランブル交差点で起こした一連の騒動の総称です。
以下は、監視カメラや現場の財団職員の記録をもとに構成された時系列です。
20:12: スクランブル交差点にスピーカーを持ったSCP-2731-JPが姿を現す。周囲はコスプレをした歩行者で埋め尽くされている。
20:15: SCP-2731-JPがスクランブル交差点の中央に立ち、おもむろに脱衣する。この時十数人の歩行者がSCP-2731-JPへ継続的な視線を浴びせるが、ほとんどの歩行者は通過していく。
20:16: SCP-2731-JP、1度目の現実改変。SCP-2731-JPが「光れ!鳴れ!俺の体!」と叫び、全身から白い光を放ち出す。加えて、周囲にラッパのような音が響き渡る。
20:18: 能力行使の結果SCP-2731-JPの周囲に人だかりができる。この時点で推定300人以上がSCP-2731-JPの500m以内に入る。
20:19: SCP-2731-JP、2度目の現実改変。SCP-2731-JPが「食らえ俺の花火!」と叫ぶと、中規模の打ち上げ花火が出現し打ち上がる。花火は色を変化させながら飛び回り、カボチャなどの形に変化して破裂する。この花火に引き寄せられ、800人近くがSCP-2731-JPの500m以内へ入る。この時点で財団職員がSCP-2731-JPへの拘束を開始する。
20:21: SCP-2731-JPが財団職員と揉み合いながら、3度目の現実改変を行う。SCP-2731-JPは「消えろ俺のクソ借金!」と叫び、保有する負債を消失させる。しかし発声内容が不鮮明だったため多数の被現実子吸収者が内容を聞き間違え、現実改変が繰り返し実行される。
正確な改変数は不明だが、主だったものとして以下が挙げられる。
- SCP-2731-JPと同一の外見をした人型実体が推定100体出現。通行中の女性に抱きつく、周囲の車両や店舗を破壊する等の活動を行う。予期せぬ現実改変にSCP-2731-JPは戸惑うような様子を見せるが、程なく自身も加わった。15分後、全ての人型実体は閃光弾のような光を発して消滅した。
- 『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』に登場する「ディアボロモン」「オメガモン」のような外見の生物が出現。2体は渋谷上空で10分間戦闘後、突如出現した空間の穴のようなものに消えていった。
- SHIBUYA109が虹色に発行し、『スーパーマリオ』シリーズの「star theme」が大音量で流れる。この現象は20分間継続した。
20:30: ハロウィン撮影のため渋谷を訪れていたYouTuberによってSCP-2731-JPの姿がライブ配信される。4SCP-2731-JPは撮影機材に向けて「助けてくれ」「頭がおかしくなりそうだ」という内容の言葉を繰り返した後、『マインクラフト』に登場する「エンダードラゴン」のような外見の生物によって上空に連れ去られた。当該配信は財団によって停止され、視聴者への記憶処理エージェントが配信された。なお、SCP-2731-JPは代々木公園内で発見されている。
SCP-2731-JP拘束後、渋谷周辺にはクラスA記憶処理剤が散布されました。しかし多数の一般人が当該インシデントを目撃した上、ネットメディアによって情報が拡散される事態がしばらく続いたことで、記憶処理の完了が宣言されたのは3日後となりました。
当該インシデントをモデルケースとした事案の発生を防ぐため、渋谷スクランブル交差点のハロウィンイベントに対し財団のフロント企業を通じてネガティブキャンペーンを行い、財団による管理が容易な形でのイベント実施につなげるという計画が立案されています。



