アイテム番号: SCP-2735
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2735-1とSCP-2735-3は、少なくとも10メートル四方の、新鮮な水で満たされ、鋼材で補強してある透明な気密ガラス容器に保管します。この容器内の水は、水素と二酸化炭素の混合気体で連続的にエアレーションされていなければなりません。嫌気性独立栄養細菌/古細菌の培養菌1がSCP-2735-1とSCP-2735-3への給餌の目的でこの容器内部に維持されます。この水の25%は、毎週排出し交換する必要があります。この容器が損傷している場合は、SCP-2735-1とSCP-2735-3は、同形のもう一つの容器に移し換えます。
SCP-2735-4は、小型なことを除いては同様の性能を持つ、衝撃吸収材で裏打ちされた3メートル四方の容器で保管します。SCP-2735-4は、常時SCP-2735-1とSCP-2735-3とは別の箇所に置いた状態を保ちます。防水の閉回路カメラを容器内に設置します。SCP-2735-4の給餌を助けるため、容器の頂部にランプを設置します。SCP-2735-4の本来の容器が破損した場合は、SCP-2735-4はSCP-2735-1とSCP-2735-3の予備の容器に保管しても構いませんが、SCP-2735-4は、SCP-2735-1やSCP-2735-3と同時に同じ容器で保管してはいけません。
財団は、太陽周回軌道にある、SCP-2735による人工物の軌道体位置を決定するために様々な宇宙観測法を用いています。SCP-2735の人工物が発見された場合、対象物を回収するために財団の標準的探索チームは軌道上へ向かいます。生き残ったSCP-2735実体がその人工物に存在している稀有な状況下では、人工物を地球を周回する軌道に再配置するよう軌道から外し、生き残った実体は最初のSCP-2735収納ユニットに移動させなければなりません。
SCP-2735-2の遺体は、安全な格納容器であるロッカー2735に保存してあります。SCP-2735-2へのアクセスを希望する者は、研究の前にサイトの管理者へ要求を出してください。
説明: SCP-2735は、水棲知性体である生命体の、生き残った3体です。SCP-2735は、およそ24億年前に地球上で優勢であったと考えられていますが、実質的には絶滅しています。SCP-2735は二酸化炭素を消費しメタンを生成する偏性嫌気性生物で、酸素を含む空気や水分にさらされると病気になり、その状態が長時間続くと死へと至ります。
SCP-2735の体の構造は、三つの部位からなっています。SCP-2735は、長さはおよそ1.5〜3メートル、直径がおよそ0.5〜1.75メートルの実体で、体の大部分は長い尾で出来ています。SCP-2735の実体は、先端が5本の副次的な触手へと分裂し掴めるようになっている、体の前方にある3本の触手を用いて対象物と関係を持ちます。各SCP-2735実体は体の前方に1つの複眼を持ち、それは透明な皮膚の層に覆われています。3本の触手それぞれの近位端には円状で歯のない口があります。SCP-2735の体内構造は、棘皮動物門2のそれと似ていますが、ほぼ確実に無関係です。SCP-2735実体は独立栄養かつ従属栄養生物
生体であり、3つの口を通じて水中より微生物をフィルタリングするとともに、体の後部にあるワイヤー状の繊維の緻密なコーティングを使用して光を集めることにより必要な栄養を集めます。。SCP-2735の実体の体色は濃い緑と茶色の間ですが、絶滅の前には、もっと広い色幅を持つ実体が居た可能性があります。SCP-2735実体は極度に薄い多孔性の皮膚を持ちます。これにより皮膚呼吸が可能となり、これはSCP-2735の唯一の呼吸方法です。また血管中の生物発光を行なう微生物をはっきりと視認することができます。SCP-2735は体色を変化させることができる生物発光原核生物と共生しています。SCP-2735のコミュニケーション方法は未だ財団は翻訳できていませんが、この生物発光の複雑なパターンを用いると思われます。
発見: SCP-2735の実体の最初の4体は、90度の太陽逆行軌道をとっていた先進的な宇宙ステーションにて確保されました。ステーションからの無線信号はBig Ear電波望遠鏡が1998年に発見し、その後財団が傍受しました。この信号は当初、財団の宇宙飛行士がこのステーションに入り保存してある生物について研究し、これが地球由来であると判断するまで、異星人起源のものと考えられていました。SCP-2735実体が使用していたステーションは地球周回軌道まで移動された後に軌道から外され、財団の研究者が現在の収容容器に移しこの対象物の生態の詳細調査を行うまでの一時的な収容施設として使用されました。最初の発見の後、SCP-2735の他の宇宙ステーションが同様の軌道で発見されましたが、全てのSCP-2735の実体は、軌道に長時間存在しすぎた事や、軌道にある他の物体との衝突によるダメージにより死滅しています。
インシデント-2735-A: 19██/██/██ 18:34 SCP-2735の実体4体全ての、生物発光の輝度と量が劇的に増加しました。これは記録的な事でしたが、当初観察者は有意な事とは判断しませんでした。6:42、4体のSCP-2735の実体が、当初の収容容器の壁の特定の場所に、繰り返し自らを突進させようとしました。これを封じ込めを突破するための協調した試みとして認識、財団のエージェントは容器に入りました。
6:47 5人のエージェントはSCP-2735の実体を押さえつけようとしましたが、SCP-2735-2の実体は容器の壁を破ることに成功しました。SCP-2735-2と他の実体は、水の流出の結果収容容器から力づくで脱出しました。SCP-2735の実体は、大気中の有害な酸素や移動性の欠如により、おそらく激しい動揺とみられるボディランゲージを示しました。エージェントはSCP-2735を、本来の容器が鉄製の補強ありで作りなおされるまで、予備の収容容器で一時的に収容することに成功しました。
インシデント-2735-B: 19██/██/██ 3:46 SCP-2735の4体の実体は、高い生物発光活性を示しました。以前のインシデント2735-Aとの類似性があった為、財団エージェントは警告を出しSCP-2735の本来の収容容器に入りました。エージェントの到着の前、SCP-2735の実体4体が再び容器の壁へ突進し始めていましたが、2分経過後SCP-2735-3は停止、容器の南東の角に移動、3:54に財団のエージェントが容器に入った際、SCP-2735-1もSCP-2735-3と同様の動きを示しました。SCP-2735-1の容器には有意な損傷は見られず、SCP-2735-2とSCP-2735-4は、攻撃的な行動を停止するまで財団のエージェントによる拘束は成功しました。
インシデント-2735-C: 20██/██/██ 12:56 他のSCP-2735の実体が休止状態の中、SCP-2735-4は以前のインシデントと類似の方法で封じ込めを突破しようとし始めました。インシデント-2735-Bの後、SCP-2735の取扱方は、潜水具と防弾チョッキを装備した4人の財団エージェントで行うよう容器の外に掲示するようした事でこのインシデントに即座に反応、何事も無くSCP-2735-4によるインシデントは収束しました。
インシデント-2735-D: 20██/██/██ 5:41 SCP-2735-2とSCP-2735-4の両方から高い生物発光活性が観察されました。SCP-2735-2とSCP-2735-4による生物発光事象は直接の収容違反案件にはつながらない為この行動は有意なものとは判断されず、エージェントは容器内に立ち入りませんでした。この事象のおよそ5分後、SCP-2735-4は、SCP-2735-2に向けて自分自身を突進しました。SCP-2735-4は、その触手を用いSCP-2735-2に自分自身を繋げたのちSCP-2735-2を繰り返し容器の壁に向かって投げました。
4人のエージェントはその後容器に入りましたが、SCP-2735-4により繰り返し撃退されました。この時点で、SCP-2735-1とSCP-2735-3は部屋の奥の隅に移動し生物発光活性を失活させました。これに続き、SCP-2735-4は、SCP-2735-2の皮膚を引き裂くためにその触手を使用するようになりました。5:52、2人の追加のエージェントが入り、最初の4人のエージェントを補助し始めました。エージェントは、SCP-2735-4の拘束に成功しましたが、SCP-2735-2の体の傷の増加を阻止するのには間に合いませんでした。
インシデントに続き、SCP-2735-2は財団の医師による調査が行われ、SCP-2735-4は予備の収容容器へと一時的に移動しました。SCP-2735-2は、インシデント-2735-Dの開始4時間後に死亡した事が臨床的に確認されました。インシデント-2735-Dが始まった14日後、SCP-2735-4は現在のチャンバーに移し、4人のエージェントが、SCP-2735-4を守るために再割当てとなりました。
インシデント-2735-E: 20██/██/██ 10:23 SCP-2735-4は、収容容器の壁に向かって自分自身を突進し始めました。SCP-2735-4がこの方法を使用して封じ込めを破ることが出来ない事は、インシデントの繰り返しが証明していましたが、SCP-2735-4が自分自身を傷つける試みを防ぐためにエージェントは容器内に入り拘束しました。衝撃吸収材は、誤って自分自身を傷つける事を防ぐために、SCP-2735-4の容器の壁に追加しました。
インシデント-2735-F: 20██/██/██ 10:45 SCP-2735-4は、自らの体を引き裂くためにその触手を使用するようになりました。エージェントは、それを抑制することに成功しました。将来的に起こるこの動作を抑止するために、専用の電気ショック首輪をSCP-2735-4の上半身の周りに追加しました。