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クレジット
タイトル: SCP-2738-JP - 僕の大好きなパパ!
著者:
SOYA-001
作成年: 2020
アイテム番号: SCP-2738-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2738-JPの収容はすべてサイト-8129で実施されます。回収されたSCP-2738-JP-1は低危険物収容ロッカーに収容し、実験の過程で生じたSCP-2738-JP-X、およびSCP-2738-JP-Yは標準人型実体収容コンテナに収容されます。SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yの給餌は、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yを発生させたDクラス職員が隔日で実施します。対応するDクラス職員がやむを得ない事情により恒久的に使用不可、あるいは死亡した場合、対応するSCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは速やかに焼却処理されます。SCP-2738-JP-1を用いた実験、およびSCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yに対してのインタビューはセキュリティクリアランスレベル3/2738-JP権限を有する職員の監督で実施してください。
SCP-2738-JP-1の取引が行われたとみられるインターネット上の書き込みを発見した場合は速やかに発信元の解析と関係者に対する隠蔽処理、およびSCP-2738-JP-1の回収が行われます。SCP-2738-JP-1の開発元と推察されるGoI-1821("AKI医研")に関する調査も並行して実施されます。
説明: SCP-2738-JPは、GoI-1821に指定される要注意団体"AKI医研"が製造・販売している医療用潤滑剤(SCP-2738-JP-1)および、それを使用することで発生する人型実体(SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Y)です。SCP-2738-JP-1の商品名は「不妊治療用ローション こだからの水」と書かれていますが、医薬品ではなくジョークグッズとして取り扱われています。SCP-2738-JP-1のパッケージには以下のような文章が確認できます。
不妊治療用ローション
こだからの水
このローションさえあれば、今日からあなたもパパとママに!
これまでさみしい独り身だったあなたも、このローションを使えばたくさんの家族をお迎えできます。
銀河でいちばん大事な我が子を、愛をこめてお育てください。
使用法は簡単: ローションを局部に塗布するだけ!
およそ2時間ほどで最初の我が子を授かることができます。
アナタに愛を、カラダに快を。
AKI医研
SCP-2738-JP-1は、上記説明指示の通りに使用することで、段階を踏んでSCP-2738-JP-XおよびSCP-2738-JP-Yを発生させます(以下、使用した人物を"使用者"と定義)。SCP-2738-JP-1を用いた実験での事例では、男性の場合は陰嚢全域に塗布、女性の場合は外性器に塗布の上、内容物を膣内へ注入することで条件は達成することが判明しています。発生段階は以下のような経過を辿ります。
段階 |
男性の場合 |
女性の場合 |
第1段階 |
使用開始から1~5分ほどで陰嚢にむず痒さを訴え始める。多くの場合は不快感はなく、しばしばこの刺激は性的快楽に繋がるものであり、陰茎の勃起も認められる。 |
使用開始から1~5分ほどで膣内に微量な熱を感じ、やがて下腹部全域にその感覚が発生する。膣分泌物の発生が顕著となり、陰核の勃起が認められる。 |
第2段階 |
使用開始から10~20分ほどで陰嚢全体が赤く腫れ、精巣が肥大化する。多くの場合片側の精巣が肥大化するが、どちらも共に肥大化する例も確認されている。精巣を中心に断続的に強い性的快楽を生じさせるのもこの段階であり、精巣内部に対する異物感を訴えるようになる。常に性的に興奮している状態が続くため、これによる体力消耗が発生することがある。この時点で陰茎を刺激しても射精しないことが判明している。 |
使用開始から10~30分ほどで下腹部の膨張が認められる。エコー検査によると子宮内にSCP-2738-JP-Xの存在が確認されるようになる。常に性的に興奮している状態が続くため、これによる体力消耗が発生することがある。またこの段階より乳房が肥大化し、一般的な女性の妊娠時と同様、乳腺が活性化し母乳を生成し始める。 |
第3段階 |
精巣内に発生したSCP-2738-JP-Yは使用開始から1時間~1時間30分ほどの成長期が続いた後、輸精管を通り体外へ移動を開始する。SCP-2738-JP-Yはこの際しばしば内性器を大きく拡張しながら移動するため、使用者に大きな負荷が生じる。これは苦痛を伴う物ではなく、使用者が今まで体験したことのないほどの強烈なオーガズムを伴った刺激として表出する。SCP-2738-JP-Yが尿道を通過し体外へ出現した段階で使用者は射精が可能となる。各種検査により、SCP-2738-JP-Yは内性器や外性器に対して大きなダメージは与えていないことが判明している。 |
使用開始から1時間~1時間30分ほどSCP-2738-JP-Xの成長期が続き、最終的には膣を通過し体外へ出現する。SCP-2738-JP-Xは子宮内膜に臍帯に近似した器官で接続されているが、出現と同時に切断される。男性の場合と同じく、SCP-2738-JP-Xの出現時には使用者が今まで体験したことのないほどの強烈なオーガズムが引き起こされる。 |
SCP-2738-JP-Xは巨大化したヒト(Homo sapiens sapiens)の卵子と同形質を有した人型実体であり、使用者から発生した段階ではおよそ25~30cmほどの胎児の形状をとりますが、後述する体液摂取により最大で110~130cmほどになります。SCP-2738-JP-Xは概ね半透明であり、最大時のSCP-2738-JP-Xの胸部と思しき場所には卵核に近似した部位が存在します。また全身には長さ50mm程の繊毛が生えており、接触した者は柔らかくなだらかな感触であると主張します。
SCP-2738-JP-Yは巨大化したヒトの精子と同形質を有した人型実体であり、使用者から発生した段階ではおよそ10~15cmほどの胎児の形状をとりますが、後述する体液摂取により最大で100~120cmほどになります。SCP-2738-JP-Yの臀部には通常の精子に見られるような尾部が30cmほどの長さで生じており、SCP-2738-JP-Yの感情に合わせて動作することが確認されています。SCP-2738-JP-Yは概ね白色であり、表面は光沢を有しています。
SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは共に使用者に対して非常に好意的な態度を示し、多くの場合使用者を「パパ」「ママ」と呼称します(この関係性に基づき、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yを発生させた人物は"親"と呼称)。SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは体外に出現した段階から既に高い知能を有していると考えられ、自然言語によるコミュニケーションが可能です。SCP-2738-JP-Xは親の母乳もしくは膣分泌液を、SCP-2738-JP-Yは親の精液を直接摂取することで成長します。SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yによる親の体液摂取は親に対して頻繁に要求されるため、親は多くの場合生活スタイルが破綻し、日常生活に支障をきたします。なお、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは親の体液以外は摂取せず、一般的なヒトの食性には適合しません。
また、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yによる体液摂取は親に対し強い性的快楽を与えるものであり、親の証言によると、これは通常の自慰行為および性交渉と比較できないものであるとされています。同様にSCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yによる体液摂取を継続して実施することで通常の手段では親はオーガズムに達することが非常に困難となり、このためSCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yに強い依存傾向を示すようになります。SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yはこれを拒絶しませんが、時としてSCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yの感情状態によっては親が満足するだけの行動とならない場合も観測されています。
SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは単細胞生物と同様1つの巨大な細胞として機能していますが、共に生殖細胞としての能力は失われており、互いに接触した場合であっても受精は発生しません。同様にSCP-2738-JP-Xに対し精液が与えられた場合も受精は発生しません。
SCP-2738-JP-1の成分は現在も調査中ですが、複数の未知の有機物質が混入しており、これらの物質が精細胞もしくは卵細胞と結合することで、一連の異常現象が引き起こされるものと思われます。
発見経緯記録: SCP-2738-JPは20██年9月20日に東京都███市に在住する桐近███氏(当時13歳)の自宅にて、SCP-2738-JP-1、およびSCP-2738-JP-Y実例が最初に発見されました。当時桐近氏は学校を長期間欠席し続け自室に引きこもった状態が続いていたため、不審に思った両親が桐近氏の自室に入室した際にSCP-2738-JP-Yを発見、警察に通報したことで財団がその存在を把握しました。取り調べの結果、桐近氏は通販サイト(██████.co.jp)にてSCP-2738-JP-1を興味本位で購入し使用したと証言しており、この際のSCP-2738-JP-Y実例は既に120cmほどとなっていました。その後桐近氏とその周辺人物にはクラスA記憶処理が施され、カバーストーリー「学業不振」「過剰な自慰行為によるED」が適用されています。なお、この際に回収されたSCP-2738-JP-Y実例は収容後著しく衰弱し、収容から3日で腐乱臭を放ちながら融解し、異常性を喪失しました。
実験記録2738-JP-01 - 20██/██/██
実験者: 栄枝博士
対象: D-7820
実施方法: SCP-2738-JP-1をD-7820に使用させ、経過を観察する。
付記: D-7820は30代の男性。
結果: D-7820はSCP-2738-JP-1の塗布から10分程度で苦悶の表情を浮かべ、最終的に1時間20分ほどで13cm程度のサイズのSCP-2738-JP-Yを発生させた。SCP-2738-JP-YはD-7820と親密に会話し、D-7820を「パパ」と呼称。D-7820は疲弊状態であるにも関わらずSCP-2738-JP-Yにせがまれるまま精液を提供した。実験終了後、SCP-2738-JP-YはD-7820から引き離されることを強く拒絶した。
分析: D-7820の報告によると、SCP-2738-JP-Yは自身の息子か娘のような存在に思えたと証言している。同様にSCP-2738-JP-YはD-7820を「パパ」と称していることから、一種の刷り込み効果に類似したミーム的影響が引き起こされている恐れがある。
本実験におけるSCP-2738-JP-Y実例はSCP-2738-JP-Y-01と指定し別途収容します。D-7820は各種検査を施した後に再度実験に使用するものとします。確かにSCP-2738-JP-Y-01はD-7820の遺伝子をそのまま受け継いだ存在で、顔立ちにもD-7820の面影が見られますが、これを血縁関係と呼ぶにふさわしいものかは不明です。 - 栄枝博士
実験記録2738-JP-07 - 20██/██/██
実験者: 栄枝博士
対象: D-7820、SCP-2738-JP-X-01
実施方法: D-7820の精液をSCP-2738-JP-X-01に摂取させる。
付記: D-7820は実験1082-JP-01で使用した30代の男性。SCP-2738-JP-X-01は実験1082-JP-03でD-7930から発生したSCP-2738-JP-X実例である。
結果: SCP-2738-JP-X-01はD-7820の精液を摂取することを拒絶した。D-7820に強制的にSCP-2738-JP-X-01に精液を摂取させるよう指示し、SCP-2738-JP-X-01に精液が与えられたが、SCP-2738-JP-X-01はD-7820に対して強い嫌悪感を示しD-7820の股間部を殴打して退避した。D-7820は医務室に運ばれたが、目立った怪我は見られない。
分析: SCP-2738-JP-Xは通常の精液では受精しないことが判明した。また、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yを発生させた親からの体液でない場合、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは嫌悪感を示すことも同時に判明した。
実験2738-JP-05、06での事例を照らし合わせて見るに、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは生殖細胞としての機能が失われていると考えた方が無難かも知れません。 - 栄枝博士
実験記録2738-JP-10 - 20██/██/██
実験者: 栄枝博士
対象: D-7820
実施方法: D-7820にSCP-2738-JP-Yからの刺激以外のあらゆる方法を用い自慰行為をさせる。
付記: D-7820が「SCP-2738-JP-Y-01を発生させてから満足のいく自慰行為ができなくなった」とインタビューにて報告したため、SCP-2738-JP-Y-01との関係性を調査する目的での実験であることに留意。
結果: D-7820は45分間にわたり手で陰茎を刺激したが、射精はできなかった。その他各種道具を用いるなどして4時間にわたって継続して実験を行ったが、D-7820は一度も射精することはなかった。また実験終了後にD-7820はSCP-2738-JP-Y-01への給餌が予定されていたため比較を目的として観察を行ったところ、D-7820はSCP-2738-JP-Y-01からの刺激によってわずか10秒で射精に至った。
分析: D-7820は実験中、頻繁にSCP-2738-JP-Y-01を意識する言葉を繰り返し発していたこと、またD-7820はSCP-2738-JP-Y-01に給餌したいと要求し続けていたこと、D-7820はSCP-2738-JP-Y-01からの言葉だけの刺激で射精したことなどから、D-7820はSCP-2738-JP-Y-01からのミーム的影響に置かれたことで、SCP-2738-JP-Y-01からの刺激以外によるオーガズムは達成できないようになっているものと思われる。
実験のためやむを得ないものとはいえ、異性の行為を観察する必要があったのは少し釈然としないところですが、ここから得られた発見点は大きいものでした。実験2738-JP-09でのD-7930とSCP-2738-JP-X-01の場合と同様、SCP-2738-JP-X、およびSCP-2738-JP-Yは親に対し興奮抑制効果のあるミーム災害を引き起こしている線は濃厚でしょう。SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yが自身が関係しない状況での餌の損失を防ぐためにこのような能力を有しているのかも知れません。 - 栄枝博士
実験記録2738-JP-16 - 20██/██/██
実験者: 栄枝博士
対象: SCP-2738-JP-X-01、SCP-2738-JP-Y-01、D-7820、D-7930
実施方法: SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yをそれぞれ対面させ、反応を観察。
付記: それぞれのSCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Y事例は過去の実験で発生した個体である。D-7820、D-7930はSCP-2738-JP-Y-01、SCP-2738-JP-X-01が同席を強く要求したため使用された。
結果: SCP-2738-JP-X-01、SCP-2738-JP-Y-01は互いにそれぞれの親を自慢し始め、口論に発展する。最終的にはSCP-2738-JP-X-01、SCP-2738-JP-Y-01のそれぞれの親のどちらの体液が美味であるかを、互いの親を交換し体液を摂取し比べる形で競い始めた。これによりD-7820、D-7930は著しい体力の消耗が引き起こされた。
分析: 他人の体液は強制されて摂取することは拒むものの、自発的に摂取する場合は拒絶はしないものと思われる。また、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは自身の親の性別以外の人物の性機能については知識が乏しいためか、しばしばそれぞれの個体が困惑している様子が窺えた。
SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは互いに存在を認知することでそれぞれ自身の親を自慢するようですが、あくまで親の人格や能力ではなく、性的魅力や生殖器の状態を誇示する傾向にあるようです。一種の縄張り争いに類似した行動とも見えますが、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yがどうしてそのような行動をとるかは調査が必要です。 - 栄枝博士
インタビュー記録2738-JP-01 - 20██/██/██
インタビュー対象: SCP-2738-JP-Y-01
インタビュアー: 栄枝博士
付記: SCP-2738-JP-Y-01に行われた、SCP-2738-JPに関する一連の実験後のインタビュー記録です。
<録音開始>
栄枝博士: では、インタビューを開始します。よろしいですね。
SCP-2738-JP-Y-01: うん、僕は大丈夫。すぐに終わるよね? 僕お腹すいちゃって!
栄枝博士: はい、すぐに終わります。D-7820のもとにはこれが終わり次第連れて行きましょう。ではSCP-2738-JP-Y-01、あなたは自分がどのような存在であるかを教えていただけますか。例えばそうですね、AKI医研という組織はご存じですか。
SCP-2738-JP-Y-01: うーん、そんなこといわれてもなぁ。AKI医研っていうのも知らないかな。それに僕は生まれたときから僕だし、パパの子供としか言えないよ。
栄枝博士: ふむ、つまり自分のことはよく分からない、ということですね。ではパパ……D-7820についてはどのように認知していますか。
SCP-2738-JP-Y-01: えー、パパはパパだよ!僕のことを産んでくれた、大好きなパパの、█████!
栄枝博士: あっえ、そ、そうですか。SCP-2738-JP-Y-01は彼のことをとても大事に思っているんですね。
SCP-2738-JP-Y-01: うん、だって毎日美味しいご飯をくれるし、とっても大きくって強そうだし。こんな大きなパパが僕を生んでくれた思うと、僕嬉しくって、ついついパパのことをかわいがりたくなっちゃうんだ。"僕のことを産んでくれてありがとう~"って!そしたらパパも僕に喜んでご飯を僕にくれるんだ!
栄枝博士: あー、なるほど。D-7820はご飯をくれるから好き、ということですか。
SCP-2738-JP-Y-01: うえ?それだけじゃないよ!確かにパパは僕だけにご飯をくれるけど、それだけが理由じゃないよ!手でにぎにぎしたり、口で[編集済]したり、[編集済]したり、みたいに遊んでくれるし!これしてるときはすごく震えて喜んでくれるんだ。ご飯もくれるしね!パパにはいつまでもずっとご飯を貰っていたいよ、やすまずにずっとね!
栄枝博士: [栄枝博士は困惑した様子をSCP-2738-JP-Y-01に向けている]
SCP-2738-JP-Y-01: なのに、パパってば結構長いこと吸ってるとすぐにご飯くれなくなっちゃうんだよね。あれだけかたーく立ち上がってたのにちっちゃくなっちゃうし。……あ、あとそうそう。あのなんだろう?黄色いご飯はマズいから僕好きじゃないかな。あれを出すのだけは僕はちょっと嫌いかも。
栄枝博士: 黄色い?えーと、状況から考えて尿でしょうか。
SCP-2738-JP-Y-01: にょう?うーんわかんないけど、そうかな。なんか臭くて美味しくない。いつもくれる白いご飯のほうが僕は好き!パパはよくどこかへ出かけて帰ってくるまで食べられなかったりするのはつらいけどね。さっきも言ったけど、時々パパはどれだけご飯をおねだりしてもくれないこともあるし、そういうときもちょっとやかな。
栄枝博士: うーん。このまま話していてもあまり進展がありませんね。質問を変えましょう。SCP-2738-JP-Y-01は他の自分と同じような個体を見た時にどう思いましたか。
SCP-2738-JP-Y-01: え?あー、ちょっと前のあれのこと?あれはちょっとね。あの子、僕にすごく気に入らないって顔で見てきたから、ちょっと喧嘩しちゃっただけ。なんだか僕のパパを馬鹿にした目をしてたもん。だから僕はパパをいっぱい自慢してあげたんだ!そしたらいつの間にかお互いのパパ、あっちはママって言ってたような……とにかく、お互いのパパのご飯を飲み比べて味比べで勝負するってことになっただけ。まあ、僕のパパのほうが美味しいってことで決着はついちゃったけどね!
栄枝博士: なるほど。となるとやはり縄張り争いに近いもの、ということですか……。わかりました。ついでに気になったのでもう一つ確認しておきたいのですが。
SCP-2738-JP-Y-01: うん?なーに?
栄枝博士: あなたのいうパパとは……つまりD-7820のその、お、█████のことですか?
SCP-2738-JP-Y-01: え、ずっとそのつもりで言ってたよ? 僕の大好きなパパ!
<録音終了>
記録終了報告: SCP-2738-JP-Y-01へのインタビューで判明したこととして、SCP-2738-JP-X、SCP-2738-JP-Yは共に縄張り意識のようなものを有している点、SCP-2738-JP-Yは親の認識をSCP-2738-JP-1使用者本人ではなく、使用者の性器に向けている点が挙げられます。特にSCP-2738-JP-Yは精液のみを好み、尿については摂取に拒否反応を示し、好き嫌いとも呼べる概念を有していることも特筆すべきかも知れません。なお、SCP-2738-JP-Xの場合は何を親と認識するかは今後のインタビューで検証します。 - 栄枝博士
補遺2738-JP-01: 20██年█月██日、桐近氏の両親から「家で白い化け物が大暴れして息子が変死した」との警察への通報を受け、急遽警察関係者に扮した財団フィールドエージェントが現場検証を実施しました。桐近氏の自室は大きく争った形跡と、SCP-2738-JP-Y実例と思われる多数の腐乱臭を放つ粘性の高い液体、そして寝具には粘液で全身を固定された状態で死亡している桐近氏が確認されました。桐近氏は衣類を身につけておらず、また外性器全体が大きく引きちぎられていました。検死の結果、桐近氏は性器損傷による失血性ショックが直接的な死因となったものと報告されています。桐近氏の外性器はSCP-2738-JP-Y実例の残骸の山に、複数のヒトの手のように形成された粘液に握りしめられたような形で発見されました。
その後の詳しい調査の結果、桐近氏は別の通販サイトを通じてAKI医研から再度SCP-2738-JP-1を購入していたこと、桐近氏は依然引きこもり状態であったこと、SCP-2738-JP-Y実例を多数発生させていたこと、SCP-2738-JP-Y実例同士で激しい言い争いと衝突が引き起こされていたことが判明しました。状況からの分析として、桐近氏は複数のSCP-2738-JP-Y実例による親としての所有権争いに巻き込まれて死亡したものと推察されています。