誤伝達部門より通知
当該ファイルに関する問い合わせは禁止されています。
— エリ・フォークレイ、誤伝達部門主任
アイテム番号: SCP-2740-JP
オブジェクトクラス: Eparch1
特別収容プロトコル: SCP-2740-JPはサイト-8156のクラス1標準収容ユニットに収容されています。SCP-2740-JPの全ての窓には内側からマジックミラー加工が施され、内部には小型カメラが取り付けられます。
説明: SCP-2740-JPは異常性の存在しないトヨタ・セルシオです。
補遺2740-JP-1: 以下は、SCP-2740-JPの収容後に実施された実験の内容です。
映像記録
<ログ開始、2020/01/23>
SCP-2740-JPがサイト-8156の門扉の前に駐車している。D-44661、D-44662、D-44663がSCP-2740-JPの横で待機している。D-44662は水の入った水筒が2本入った鞄を手にしている。
Dクラス職員3名に対し、実験担当職員が私語を禁止する旨を伝える。
D-44663がSCP-2740-JPの運転席側の扉を開く。D-44663は5秒間後部座席を凝視した後、扉を閉める。ハエがSCP-2740-JP内部に入る。
D-44663がD-44661とD-44662に接近する。
D-44663: なあ、これ…。
D-44661とD-44662が目を見開く。
実験担当職員とD-44661の30秒間の口論の後、D-44661とD-44662はSCP-2740-JPに乗り込む。D-44661は運転席に、D-44662は助手席に座る。
D-44662がハエを手で叩き潰す。
D-44661がアクセルを踏み込み、SCP-2740-JPが発進する。清掃員が顔をしかめながらモップで地面を拭き始めるのが映る。
D-44661とD-44662に対し、実験担当職員が無線を通じて目的地へのルートはカバーストーリ-によって民間人の立ち入りを禁止している旨を伝える。
カーナビゲーションシステムが目的地を尋ね、D-44661がSCP-2740-JPの発見地点2を選択する。D-44661がバックミラーを一瞥し、D-44662が咳き込む。
D-44661がバックミラーを一瞥する。D-44662が袖で汗を拭う。
D-44661が袖を捲り、D-44662が手で首を扇ぎながら鼻をつまむ。D-44662が水筒を手に取り、一口飲む。
D-44662: あー、窓開けていいか?
D-44661: そ、そうだな。頼む。
D-44661がバックミラーを一瞥し、D-44662が助手席側の窓を開ける。風音が記録され始める。
D-44662: あー、いいね。
D-44661が苦笑いする。D-44662が窓の外を見る。
沈黙。
D-44661がバックミラーを一瞥し、目を見開く。直後、D-44661は前方を見つめる。D-44662はD-44661を一瞥し、再び窓の外に視線を向ける。
D-44661が深呼吸する。
D-44661がバックミラーを一瞥する。
D-44661がバックミラーを一瞥し、D-44662が目を閉じる。
[省略]
出発から3時間後、SCP-2740-JPが目的地に到着し、警備員が敷地への進入を許可する。
D-44661とD-44662が目を見開いて周辺を見回す。大量のハエが周辺に飛んでいる。
SCP-2740-JPが駐車場に停止し、D-44661とD-44662がSCP-2740-JPから出る。両名がほぼ同時に深呼吸して服をはためかせるが、両名はすぐに咳き込む。
D-44661: き、聞いてねえよ、全く。
D-44662: きちい。
実験担当職員が無線機を通じて、D-44661とD-44662にその場での待機を命令し再度私語を禁止する。しかしD-44661は命令を無視し、敷地内のパチンコ店内部に駆け込む。途中、D-44661は転倒する。
D-44662がパチンコ店の方を見つめながら、水筒の水を飲む。
D-44662がSCP-2740-JPの後部座席を一瞥する。
D-44661がパチンコ店から出てくる。
D-44662: なあ、大丈夫か?
D-44661: トイレで吐いてきた。まだ待機か?
D-44662: あ、ああ。まだな。
沈黙。
実験担当職員がD-44661とD-44662に十分なデータが得られた旨を伝え、SCP-2740-JPへ再度乗り込むことを命令する。D-44661と実験担当職員の30秒間の口論の後、D-44661とD-44662はSCP-2740-JPの扉を開いて先程と同じ席に座る。
D-44661がアクセルを踏み込み、SCP-2740-JPが発進する。
D-44662が窓の外を見つめる。D-44661が咳き込む。
D-44661がバックミラーを一瞥する。D-44661が目に見えて動揺し、ブレーキを踏み込む。SCP-2740-JPが停止する。
D-44662: お、おい。お前…。
D-44661: もう沢山だ!やめてくれ!何でそんなに笑っ…。
D-44662が目を見開く。
D-44662が助手席側の扉を開き、SCP-2740-JPを出る。D-44662は運転席側の扉を開けて運転席に座ろうと試み、20分後その試みは成功する。
D-44662がアクセルを踏み込み、SCP-2740-JPが発進する。D-44662が助手席を一瞥する。
D-44662が前方を見ながらバックミラーを傾ける。
[省略]
サイト-8156からの出発から6時間後、D-44662がブレーキを踏み込み、SCP-2740-JPがサイト-8156の敷地内で停止する。
D-44662が深呼吸した直後、咳き込む。D-44662は助手席を一瞥する。
D-44662は運転席側の扉からSCP-2740-JPを出る。
D-44662が地面に倒れているモップに躓く。D-44662が悲鳴を上げる。
沈黙。
実験担当職員が実験の終了を宣言する。
<ログ終了>