SCP-2748
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アイテム番号: SCP-2748

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 長期的な封じ込めのため、財団は中国政府からSCP-2748を購入しました。SCP-2748は表向きにはフロント企業の私有財産として認識されており、財団が起こした地滑りによって隣接道路から分断されています。承認を受けた実験以外では、陸上車両でSCP-2748を通過してはいけません。SCP-2748に実験用の素材を配置する前には、他の脊椎動物は生死を問わず道路上から除去しなくてはいけません。

SCP-2748-A実例はサイト-316の異常車両セクターに収容します。SCP-2748-A実例のイグニッションキーはサイト-316の安全ロッカーにまとめて保管されます。キーへのアクセスはレベル2以上の職員に制限されます。

SCP-2748-A実例は、承認されたテストの一環として、Dクラス職員によってのみ活性化が許可されます。活性化の前にGPS追跡装置を実例に取り付けます。Dクラス職員にはヘルメット、イヤホン、防護チョッキ、関節保護具を提供します ― Dクラス職員はSCP-2748-Aのドアを開け放した状態にしておき、イグニッションキーを回したら即座に車外へ飛び出す手筈になっています。協力姿勢を確保するため、Dクラス職員には「イグニッションキーを回すことによって車内の爆破装置が作動する」と伝えておくことが可能です。

説明: SCP-2748は中国・湖南省・湘西トゥチャ族ミャオ族自治州の古丈県に存在する長さ約1kmの道路です。SCP-2748-Aは、SCP-2748の上で生きた脊椎動物を轢き殺した陸上車両を指します。この条件を満たすと、車両は以下に挙げる変容を経てSCP-2748-A実例になります。

  • 車両のフレーム、ドア、車内機器の大部分(ハンドルやブレーキなど)は、本来の部品の形状を保持しつつも、中間径フィラメントに変化します。
  • SCP-2748-Aの車体フレームを、轢き殺した生物に対応する毛皮・羽・鱗などが被覆します。
  • カーステレオは呻き声を発する単一のチャンネルに固定されます。
  • 車の座席の外観は皮膚組織に変換され、その内部は脂肪組織へと置換されます。
  • 車両のボンネットに赤インクで中国繁体字が浮かび上がります。この文字は道蔵(道教の経典)からの抜粋と一致します。

この変容過程は、轢殺された動物の生理機能に応じて3~7日ほど持続します。この期間中は、車両の機能に影響はありません。変容は通常、ボンネットに漢字が出現した時点で完了と見做されます。

完全に変容を終えたSCP-2748-A実例のイグニッションスイッチがONになると、このSCP-2748-A実例は自律移動能力を獲得し、自らの意思で走り出します。この時点から、ハンドルやブレーキの操作はSCP-2748-Aに影響を及ぼさなくなります。異常性の無い車両同様、SCP-2748-Aは燃料供給が枯渇したり、タイヤが取り外されている状態では移動できません。

特筆すべき点として、財団によるSCP-2748の収容以前に変容を被った実例には、SCP-2748に近接した領域へ移動する癖が見られました。この傾向は財団が承認した実験によって変容した実例には確認されておらず、これらの実例はむしろSCP-2748から遠く離れた場所へ移動しようとします。このため、SCP-2748-Aは轢殺された動物の誕生地点に向かって移動するという仮説が立てられています。以下はSCP-2748-A実例の要約リストです。

SCP-2748は2007/██/██、複数のSCP-2748-A実例が発見されたことによって初めて財団の注目を集めました。 数台のSCP-2748-A実例が、欠陥が発見されたという口実の下に所有者から回収されました。しばらく調査が行われた後に SCP-2748が異常性の発生原因として特定され、一帯は確保されました。

補遺2748-1: 道路として開発が行われる以前のSCP-2748は、初期のミャオ族入植者が埋葬されていると伝えられる無標の墓地でした。地元の伝説では、これらの入植者は九黎族4の末裔であったとも語られています。しかしながら、墓地には目印と言えるものが存在しなかったため、これらの訴えは政府筋からは疑わしいものと見做されました。

最終的には、地元の政治家による調査で遺体が全く埋葬されていないと確認された後、土地は中国路桥工程有限责任公司(CRBC)によって2007/██/██、開発のため買収されました。これに続き、2007/██/██から██/██にかけてCRBCによるSCP-2748の構築が行われています。

補遺2748-2: SCP-2748の位置では、SCP-2748との関連が全く無いとは言えない別の異常事象が発生していました。問題の出来事は世界オカルト連合によって傍受、解決済みです。

以下の文書は世界オカルト連合PHYSICS部門の脅威存在データベースより、潜伏中の覆面エージェントによって回収されました。

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