SCP-2750-JP
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アイテム番号: SCP-2750-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2750-JPは高強度人型オブジェクト収容室に収容されます。1日3度、一般人型オブジェクト収容基準に基づく食事を提供して下さい。

SCP-2750-JPは中程度の鬱症状を示しており、しばしば自傷行為が観察されます。しかし、SCP-2750-JP-AによってSCP-2750-JP本体への損傷は見られないこと、SCP-2750-JPとの接触が非常に危険であることから、行為そのものへの防止措置は行われません。鬱症状の軽減のためにカウンセラーが割り当てられています。

SCP-2750-JP-A-4による異常な改造を受けた現金自動預け払い機は、Anomalousアイテム相当の異常オブジェクトとして、低危険度物品収容ロッカーに保管されます。

SCP-2750-JP-AをSCP-2750-JPから分離する試みが進行中です。GoI-8139("超電救助隊")に関連する研究成果はセキュリティクリアランスの範囲内で、SCP-2750-JP研究チームに対しても共有されます。

説明: SCP-2750-JPは"特殊詐欺撲滅闘士 エリミネーション・バーガンディー"を自称する人型実体です。未知の金属と繊維から構成される、えんじ色を基調とした装甲服及び各種装備(SCP-2750-JP-A)を装着しています。SCP-2750-JP-AはSCP-2750-JPの身体能力を大幅に向上させている他、複数の異常な機能を有しています。

以下は財団が確認しているSCP-2750-JP-Aの機能の一覧です。

番号 説明
SCP-2750-JP-A-1 装甲左腕部に装着された装置。SCP-2750-JPは「フライヤーメーカー」と呼称している。紙やインクの外的供給無く、瞬時に多量の印刷物を供給することが可能。印刷物そのものに異常性は見られない。
SCP-2750-JP-A-2 装甲頭部に装着されたアンテナ状の装置。SCP-2750-JPは「ハイパーアンテナ」と呼称している。最大感知可能距離は不明ながら、自身の周囲で発生した詐欺行為を探知する機能と、電話通信に強制的に割り込む機能を有する。
SCP-2750-JP-A-3 装甲の表面に一定間隔で装着されている装置。SCP-2750-JPは「カモフラージュポインタ」と呼称している。SCP-2750-JPに対し、視覚情報を撹乱する半ミーム作用を付与する。高い身体能力と組み合わさり、SCP-2750-JPの確保を困難にしている要因の1つである。
SCP-2750-JP-A-4 装甲腰部のベルトに装着されたカード状の小型装置。SCP-2750-JPは「リビルディングキー」と呼称している。ベルトから取り外し、現金自動預け払い機(ATM)のキャッシュカード挿入口に挿入することで、その機械構造に異常な改変を行うことが可能。
SCP-2750-JP-A-5 装甲腰部のベルトに装着されたペンチ状の小型装置。SCP-2750-JPは「エンマトング」と呼称している。SCP-2750-JPの発言によれば「詐欺師の舌を抜く」器具であるとされているが、そのように使用した記録は無い。先端から人間を10分間程度麻痺させる光線を発射する機能を有する。
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SCP-2750-JPが作成・配布している印刷物の一例。GoI-8139("超電救助隊")の関与が示唆されている。

SCP-2750-JPは収容以前、主に詐欺事件の発生現場に出現し、被害者の保護と事件の未然の防止、あるいは加害者の特定と捕縛・警察への通報を行なっていました。出現可能な地点の範囲は厳密には不明ですが、目撃情報は関東、特に東京都とその近隣の県に偏っています。以下はSCP-2750-JPの出現例の抜粋です。

出現記録-01
日時・場所: 2017/9/20、東京都世田谷区の住宅
付随する詐欺事件: 独居中の高齢女性の元に、親族を名乗る男性から電話がかかってきた。電話の内容は「事業で失敗し、借金を抱えてしまった。指定する口座に現金50万円を振り込んで欲しい」というもの。
SCP-2750-JPの行動: 通話に割り込み、相手が詐欺師である旨を伝えた。その後、被害者宅に出現し、詐欺被害防止の啓発ポスターを渡した。
付記: ポスターは回収され、関係者全員に記憶処理済み。本件は財団が初めてSCP-2750-JPを認知した事件である。

出現記録-07
日時・場所: 2017/12/12、東京都府中市の██銀行出張所
付随する詐欺事件: 独居中の高齢男性の元に、銀行員を名乗る男性が訪問した。会話内容は「口座が犯罪に利用されているため、キャッシュカードの交換手続きをしなくてはならない。手続きのためにカード現物および暗証番号が必要だ」というもの。被害者男性はキャッシュカードを相手に渡し、暗証番号を教えてしまった。
SCP-2750-JPの行動: 被害者宅から約3km離れた██銀行出張所のATM前に出現。現場に居合わせた詐欺グループの現金引き出し役(出し子)に対しSCP-2750-JP-A-5を用いて攻撃し、麻痺させた後に警察に通報した。2日後、被害者宅に詐欺被害防止の啓発ポスターが郵送された。差出人は不明。
付記: ポスターは回収され、関係者全員に記憶処理済み。詐欺事件については特事課を通じ、SCP-2750-JPに関する情報は消去された上で非異常の事件として警視庁に情報提供された。

出現記録-19
日時・場所: 2018/5/12、神奈川県川崎市の████銀行出張所
付随する詐欺事件: 独居中の高齢女性(東京都小金井市在住)の元に、弁護士を名乗る男性から電話がかかってきた。会話内容は「貴女の息子が交通事故を起こしてしまい、示談金を支払わなくてはならない。指定する口座に現金30万円を振り込んで欲しい」というもの。被害者女性は指定された金額を振り込んでしまった。
SCP-2750-JPの行動: 神奈川県川崎市の████銀行出張所のATM前に出現。出現直後は物陰に隠れるなど、出し子を待ち伏せするような行動を見せた。1分後、ATMにSCP-2750-JP-A-4を挿入し、現場から走り去った。その2分後、2km離れた地点の別の詐欺事件の現場に出現している(出現記録-20)。SCP-2750-JP-A-4を挿入されたATMは、現金の引き出しを試みた出し子を、側面から伸ばした腕状の機械構造を用いて拘束した。
付記: 関係者全員に記憶処理済み。詐欺事件は特事課との取り決めに従い処理された。異常な改変を受けたATMは回収され、検査の後、低危険度物品収容ロッカーに保管された。

補遺1: 2018/9/22、財団フロント企業の所有する物件を民家に偽装し、詐欺事件を意図的に発生させることで、SCP-2750-JPを誘引することに成功しました。以下は被害者を装った財団エージェントによる、SCP-2750-JPへのインタビュー記録です。

音声記録-2750-JP-1
2018/9/22


≪開始≫

[通話にSCP-2750-JPの音声が割り込む]

SCP-2750-JP: もしもし、今貴女がお話している相手は詐欺師です。貴女の息子さんは事故を起こしてなどいません。安心してください。

エージェント・高田: まあ、貴方は一体?

SCP-2750-JP: 私、怪しいものではございません。罪なき市民を詐欺から守る正義のヒーロー、"特殊詐欺撲滅闘士 エリミネーション・バーガンディー"という者です。

エージェント・高田: ええと、そうなのね。危なかったわ、どうもありがとう。

SCP-2750-JP: いえいえ、お気になさらず。これが僕の使命ですから。では今からそちらに伺いますね。

[通話終了]

SCP-2750-JP: (チャイム音)ごめんください。

エージェント・高田: はい。どうぞ入ってくださいな。

SCP-2750-JP: どうも。失礼します。

エージェント・高田: ヒーローさん、さっきはありがとうね。

SCP-2750-JP: いえ、電話でも言いましたように、それが僕の使命なのです。僕の戦いは詐欺で悲しむ人がこの世からいなくなるまで続いて行くのです。

エージェント・高田: それはそれは、とても素晴らしいことよ。

SCP-2750-JP: ありがとうございます、奥さん。

エージェント・高田: 奥さんだなんて、いいのよ。おばあさんで構わないわ。

SCP-2750-JP: では失礼して、おばあさん。こちらに伺ったのはお渡ししたいものがありまして。

[SCP-2750-JPがSCP-2750-JP-A-1からポスターを取り出す]

エージェント・高田: これは…ポスター?

SCP-2750-JP: はい。僕の理想は詐欺が全く起こらない世界です。しかし、残念ながら僕たちヒーローや警察がいくら取り締まりを強化しても、詐欺師はいなくなりません。僕も全ての事件を今回のように阻止できるわけではありません。ですから、市民の皆さん1人1人に自衛の術を、というのがこのポスターの趣旨です。

エージェント・高田: 助けてもらったばかりか、こんな素敵なものまで。何かお礼をしないとね。

SCP-2750-JP: いえ、そんな。見返りを求めてやっている訳ではありません。

エージェント・高田: いいじゃないいいじゃない。立派なことをやってるんだから、ご褒美か何かと思って受け取って。ね?ちょうどお彼岸だからおはぎを作ってあったのよ。

SCP-2750-JP: あっ、すみません。このマスクは人前では外せないものですから、食べ物はちょっと…。

エージェント・高田: あら、それは残念ね。他に私にできることはないかしら?

SCP-2750-JP: そうですね……このままでは好意を無下にしてしまうようで申し訳ありませんし…。そうだ、このポスター、あと何枚かお渡ししますので、ご近所の方に配って頂けませんか?僕も配ったり貼ったりしているのですが、中々広まらなくて。

エージェント・高田: それはいい考えね。ありがとう。

SCP-2750-JP: こちらこそ、ヒーロー活動へのご協力、感謝します。それでは。

エージェント・高田: ねえ、また会えるかしら?

SCP-2750-JP: 僕が現れるということは、おばあさんに詐欺の魔の手が迫っているということ。本当は会う機会がない方がいいのです。しかし、もしもまたお会いすることがあれば、そのときは是非おはぎをご馳走になりたいものですね。スーツを改造してもらわないと。

[SCP-2750-JPが退出する。追跡の試みはSCP-2750-JP-A-3の作用によって妨害され、失敗した。]

≪終了≫

補遺2: 2018/12/10、民家偽装施設から1km離れた地点でSCP-2750-JPの出現が確認されました。即座に詐欺事件を発生させ、SCP-2750-JPを誘引しました。この際、SCP-2750-JPの確保計画が実行に移されました。以下は作戦実行中の音声記録です。

音声記録-2750-JP-1
2018/12/10


≪開始≫

SCP-2750-JP: また会いましたね、おばあさん。

エージェント・高田: あら貴方は。そうそう、さっき電話があったのだけれど最初は孫だと思ったのよ。でも貴方の事を思い出してね、もしかしたら詐欺かもって。

SCP-2750-JP: いやあ、僕の活動の甲斐もあったというものです。

エージェント・高田: それじゃあ、お茶を用意するからここでお待ちになって。約束だったでしょ。

SCP-2750-JP: そうですね。ではお言葉に甘えて。ありがとうございます。

[エージェント・高田が茶と菓子をSCP-2750-JPに与える。茶と菓子には睡眠剤が含まれている。]

エージェント・高田: どうぞ。お口に合うといいのだけれど。

SCP-2750-JP: いただきます。

[SCP-2750-JPが菓子に手をかざすと、菓子が手に吸い込まれるようにして消失する。]

SCP-2750-JP: このような形ですみません。どうしてもマスクは外せないものでして。とても美味しいですよ。

エージェント・高田: それは良かった。お茶も良い茶葉を使っているのよ、ぜひ飲んでいって。

SCP-2750-JP: ではありがたく頂きましょう。

[SCP-2750-JPが茶に手をかざすと、茶が手に吸い込まれるようにして消失する。]

エージェント・高田: どうかしら?

SCP-2750-JP: 良い香りですね。

エージェント・高田: ありがとう。せっかくだからもう少しゆっくりしていって1。……そうだ、お話を聞かせてちょうだい。あなたはどうしてヒーローになろうと思ったの?

SCP-2750-JP: どうして、ですか。僕は学生時代に、ヒーローに助けてもらったことがあるんです。ライダー・モノクロームというヒーローでした。その時からヒーローに憧れ始めたんです。でも……

エージェント・高田: でも?

SCP-2750-JP: ヒーローの組織に入ってから聞かされたんです。ライダー・モノクロームは偽物だったって。本当は敵の親玉と繋がっていて、自作自演のヒーロー活動をしていたんです。僕は騙されていたんですよ。

エージェント・高田: まあ……それは……

SCP-2750-JP: だからこそ僕は許せないんですよ。人を騙して嘲笑う奴らが。

不明な機械音声: エリミネーション・バーガンディー!今すぐそこを離れるんだ!2

SCP-2750-JP: えっ?

不明な機械音声: 君の体内に睡眠薬が検出されている!そこは危険だ!今すぐ退避せよ!

SCP-2750-JP: まさかそんな……

エージェント・高田: (通信機に向けて)収容部隊3を展開させて。

SCP-2750-JP: 貴女は!貴女は僕を騙して!

不明な機械音声: エリミネーション・バーガンディー!体内にアドレナリンが増えている!一旦落ち着くんだ!

SCP-2750-JP: うるさい!

[SCP-2750-JPが自身の胸部を強く叩くと、機械音声が停止する。]

エージェント・高田: や、やめて……

SCP-2750-JP: 許せない……許せない……貴女もモノクロームと同じ……罰を受けるべきだ。罰を下さなくては。

[SCP-2750-JPがエージェント・高田の体を抑え、口にSCP-2750-JP-A-5を近づける。]

[恐らく睡眠薬の作用によりSCP-2750-JPはふらつき、駆けつけた収容部隊に取り押さえられる。]

SCP-2750-JP: ああ、僕が本当に許せなかったのは他人が騙される事じゃなかった。自分が騙される事だったんだ。

[SCP-2750-JPが意識を失う。]

≪終了≫

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