アイテム番号: SCP-276
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-276はサイト-██のドックにて無期限に停泊され、接近はレベル3以上の職員のみに限られます。その独特な性質を考慮して、我々の時代より以前の(あるいは恐らく以降の)時代に制作された物は、価値ある資料の喪失の可能性のためにSCP-276に載せてはなりません。収容問題のために、SCP-276の動作が完全に停止しきった後で定期的なメンテナンスが行われることになっています。
説明: SCP-276は様々な量、大きさ、形を取りますが、それが存在しているのがどんな時代であっても、その時代に関連したモデルと形式の船の姿に常になります。現在は長さ92.93m(304.9ft)、重さ1360メトリックトンの巨大な帆走スクーナーの形をしています。通常、SCP-276は現在の形状に関係なく標準的な帆船と同じように動き、船速は最適条件下では16.2ノットにまで達します。
SCP-276のブリッジの舵輪の近くに「前へ」「後ろへ」「元の所へ」とラベルが貼られているスロットルがあります。これらの機能を使用すると、SCP-276は乗船中の人間を連れて時間旅行能力を起動させます。この能力は、船に類するものが存在している時代に限り効力がおよびます。人類が誕生する以前の時代、および遠未来への旅行には失敗しました。スロットルはその時点に存在する時代を基準に作動しますが、「元の所へ」はSCP-276を現代に戻します。過去に遡ることでSCP-276が歴史を根本的に変える事が出来るかどうかははっきりしません。これまで行われた変化はすべて有効になったため、SCP-276の研究は現在、時間軸になしうる改ざんが起こらないことを確認するために関連しています。
特筆すべきはSCP-276の反・時代錯誤性です。停泊する時代にSCP-276が形状を変えるだけでなく、SCP-276上の人間ではない物体はすべて、時代にあったものへと変化します。1700年代前半へと移動した懐中電灯は、ガス灯のような最初期の照明器具に変わるでしょう。現在存在していない、あるいはすでに絶滅した生物を除き、有機生命は影響を受けません。どちらの場合も、生物は分類学的に最も近い種へと変化します。現代へと運ばれた死者も同じような影響を受け、全く異なる人間になります。系統的な実験によって、対象は[データ削除]であることが明らかになりました。
注意: SCP-276は娯楽目的、特にSCP-276の時間的特性の利益搾取のために使われることはない、繰り返す、ない!追って通知があるまではアクセス制限を一時的にレベル4職員まで引き上げる。 - ██████博士
補遺: █-██-████現在、新設された機動部隊ロー-5「時の一針」("Stitch In Time")1がSCP-276に割り当てられ、SCP-276の使用を含めた全セキュリティクリアランスを与えられました。時間内のエラーと時代錯誤を"修復する"SCP-276の能力を考慮にいれた後、現世で改ざんを行う必要がある全てのミッションはロー-5のもとで行われる事になります。