SCP-276-JP
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██駅のホーム

アイテム番号: SCP-276-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 財団が設置している駅ホーム内の監視カメラ内の映像を一日おきにSCP-276-JP担当の監視職員が確認し財団に報告します。この特別収容プロトコルは心霊の手事件I以降に大幅変更されたものです。以前の収容手順は添付資料を参照してください。

説明: SCP-276-JPは東京都の██駅構内に発現する霊的人型存在です。SCP-276-JPは白衣を纏う痩せ細った壮年男性であり、その存在を財団職員1以外が知覚することは出来ません。SCP-276-JPをカメラ等を用いて映像化した場合も財団職員のみが姿を視認出来ます。SCP-276-JPからの干渉は一方通行であり、財団側からの物理的干渉はSCP-276-JPを透過します。

201█年█月14日、同月16日、合わせて財団職員2名が駅のホームから飛び込み自殺を図り死亡しました[心霊の手事件A-B]。死亡した財団職員2名の精神状態は安定状態だったことが過去に行った財団の定期メンタル診断や死亡した2名に近しい財団職員の聞き込みから明らかになりました。財団は██駅構内で何らかの特異が発生していると見てDクラス職員を用いた調査を行い、Dクラス4名の犠牲を払った調査の結果SCP-276-JPの異常性が判明しました。

SCP-276-JPは午後10時から午後12時にかけて東京都の██駅のホームに財団職員が存在している時、電車が到着する数分前に突然駅のホームに発現します。SCP-276-JPは駅ホーム内に立っている財団職員に近づき、掴む、押す、持ち上げる、引きずるなどの手段を用いて財団職員と電車との接触事故を引き起こそうとします。この時、SCP-276-JPによって線路へと押し込まれる財団職員を見ている一般人は財団職員が線路に自然体で自ら近づいているように知覚します。被害者を逆側の力で引っ張ることや障害物でSCP-276-JPの行動を妨害する試みは被害者の圧死という形で失敗に終わってます。

SCP-276-JPは財団に対して攻撃的ですが、一般人に対しての攻撃を行わないことから、財団は日本の経済上重要地点である██駅の封鎖や時刻表の変更は行わず、全財団職員に対して「276-JPに関する警告文」を配布するに留めました。これにより、SCP-276-JPの安全な収容、または無効化するまで財団職員は██駅で乗車することは禁止されています

[心霊の手事件A]から21日経過後の午後11時██分に██駅で一般人の30代の男性が飛び込み自殺により死亡する事件[心霊の手事件C]が発生しました。駅に設置してある監視カメラからSCP-276-JPの調査中に死亡したDクラスの職員が確認されると共に新たなSCP-276-JPの特異が明らかになりました。

映像の女性の外見的特徴はSCP-276-JPの調査中に死亡したD-276-02と酷似しています。また、被害者男性はD-276-02が過去に犯した殺人事件においてD-276-02に対して殺人教唆をしたことを疑われていました。しかし、裁判ではD-276-02の単独犯と結論付けられています。

これらの情報からSCP-276-JPによって殺害された人間は(SCP-276-JP-A)となり、生前強く憎んでいた人物が██駅を訪れるとSCP-276-JPと似た性質を持ち、同様の手を用いてその人物を殺害することが推測出来ます。この時、財団職員ではない被害者もSCP-276-JP-Aを知覚します。財団はSCP-276-JP-Aが不特定多数の人間に危害を加えることを重く受け止め、SCP-276-JP及びSCP-276-JP-Aを無効化する手段を現在模索中です。現在までに実行された無効化作戦は全て失敗におわっています。

補遺1: SCP-276-JPの監視担当であるエージェント小野からSCP-276-JPを破壊する願文が幾度となく提出されましたが、██地区担当者に全て却下されました。

破壊するに値する理由があるのは理解できるが、君の提示する手段で無効化できるとは思えない。君はいちエージェントしての責務を果たすことだけを考えてくれ。君はこれ以上このオブジェクトに対して私情を挟むべきではない --██地区担当者

注釈: [心霊の手事件B]における被害者である松本██研究員はエージェント小野の婚約者でした。

補遺2: [心霊の手事件C]から54日が経過しましたが、依然SCP-276-JP-Aは活性状態にあり、一般人の犠牲者は6名に増えました。また、SCP-276-JP-Aにより殺害された人物もSCP-276-JP-Aに変貌することが明らかになりました。財団はSCP-276-JP-Aになったと思われる人物の過去から、恨みや因縁のある人物を特定しようとしていますが、その試みは上手くいっていません。以下は心霊の手事件AからGまでを詳細にまとめたものです。

補遺3: [心霊の手事件C]から二ヶ月経過後に██駅から1km離れた████駅の地下鉄監視カメラにSCP-276-JPが映りました。以下は監視カメラに映った映像です。

この映像を見たエージェント小野は翌日からSCP-276-JPの監視の任に出勤しなくなると共に行方知れずとなりました。エージェント小野の住居へ安否の確認に向かった職員は乱雑な字の書置きを発見しました。以下書置きの抜粋部分です。

彼女2を奪ったあいつが憎い。それ以上に彼女の姿をしたものが誰かを殺めてしまうことに私は堪えることが出来ない。ゆるさない(書き殴られた字)

失踪の同日に、財団に終了させられた財団正規職員のデータに不正アクセスの形跡が発見されたこととエージェント小野との関連性は不明です。

補遺4: 補遺3の映像はSCP-276-JPが発達している証拠であり、SCP-276-JPの脅威はさらに増すものであると予想されます。以降SCP-276-JPの適用範囲が広がる場合、██駅に対して封鎖を含む強行措置を取る必要が考えられます。

補遺5: 行方不明であったエージェント小野が██駅でSCP-276-JPによって殺害されました。駅に設置されたカメラによる監視映像にはSCP-276-JPに対して抵抗もせずに線路へ落下するエージェント小野の姿が確認されました。

補遺6: 補遺5から二日後に██駅で発生した[心霊の手事件I]を最後にSCP-276-JPは消失しました。監視カメラの映像には元エージェント小野であったと思われるSCP-276-JP-A5が確認できます。

補遺7: ██駅では現在(2015年█月█日)、午後10時から午後12時にかけて、SCP-276-JP-A5の姿を財団職員は知覚することができます。SCP-276-JP並びに他のSCP-276-JP-A群の姿は[心霊の手事件I]以降確認されていません。SCP-276-JP-A5はそこに在るだけで一切の反応を示しません。財団のDクラスを用いた調査においても無反応でした。財団は「276-JPに関する警告文」を取り下げ、それに伴い収容プロトコルを大幅に変更しました。

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