アイテム番号: SCP-2760
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2760-1とSCP-2760-2は現在、サイト30空中収容区画の5号および6号収容室に収容されています。両個体の相互作用は、互いの士気を維持するため、週単位で行うことが認められています。各収容室内の監視システムは、SCP-2760のいずれかの個体がシステムの操作を試みた場合、追加の保護を配備できます。
説明: SCP-2760は、中国神話に見られる龍を模して作られた、自律性のスカイダンサー人形2体です。各個体は多彩に着色されているUVコーティングされたナイロン製の布切れで構成されており、平均して長さ約6mです。構成素材には不整合が発見されていないにも拘らず、両個体は他の店売りされているスカイダンサーより著しく軽量です。SCP-2760個体を製造した組織に関する情報は発見されていません。
SCP-2760-1とSCP-2760-2は両方とも空気浮上による飛行が可能です。どちらの個体もごく一般的な近接空間内の風の動きを制御して自分自身を推進させます。飛行のためには非常に軽い揚力を必要としており、典型的には各個体周辺の風速は平均して1時間当たり20~30㎞です。実験により、各個体は強制 (制約を課せられた状態、少ない社会的相互作用、物理的損傷)の下では1時間当たり50kmの最大風速を発揮できることが示されました。SCP-2760個体は空中では一定の形状を保っておらず、人間に近付いた際にはしばしば動きながらぐったりした様子を示し、一片のゴミを装って自身を隠蔽します。通常、SCP-2760個体が風を操るのは対流圏へ上昇するときのみであり、その後の移動は乱気流に依存しています。高高度での飛行中、両個体は口と後部から空気を排出し、その目的地の一般的方向に向かって急速な身悶えと痙攣を引き起こします。この行動の目的と空気排出穴の配置は、現在調査中です。
SCP-2760-1とSCP-2760-2は、数種類の動物に見出される認知力と同等の知覚力を示しています。SCP-2760の他個体は報告・発見されていない為、各個体は1対1の相互作用のみが観察されています。研究者たちはSCP-2760個体が通常は群れで生活しているという説を唱えていますが、個体が食糧や保護を必要としていない事から、可能性は低いと思われます。各個体が繁殖可能かどうかは判明していません。
補遺2760-B523: SCP-2760は日本の群馬県、伊勢崎にある農家の屋根で休息しているところを回収されました。自動車ディーラー[編集済]のマネージャーである█████ ████████は、店の前に展示してある最近購入したスカイダンサー人形の不自然な監視記録について従業員から知らされたと述べました。問題の映像の更なる見直しにより、SCP-2760の両個体が発見されました。
<記録開始: 2025/5/23 14:12>
22:12:43 - SCP-2760の両個体が、自動車ディーラーの正面に位置する、チューブ状の腕を持つ人型の非異常性スカイダンサーに接近。
22:12:56 - SCP-2760-1がスカイダンサーの周囲を回り、強い突風を吹き付ける。スカイダンサーは反応しない。
22:13:13 - SCP-2760-2がスカイダンサーを膨らませるための送風機に気付き、繰り返し体当たりする。SCP-2760-1がSCP-2760-2に協力する。
22:14:43 - 両個体はスカイダンサーを送風機から除去することに成功。スカイダンサーは一瞬空中に浮かび上がった後、地面に落下する。SCP-2760-1とSCP-2760-2は苦悩しているように見える。両個体は不安定かつ不規則に動き始める。
22:15:02 - 両個体は敏速に上昇し始める。
22:19:15 - 自動車ディーラーの従業員が店を出るが、壊れたスカイダンサーには気付かない。22:19:30に再入店。
22:19:30 - 22:19:30から22:24:19まで動き無し。
22:24:19 - スカイダンサーが僅かに動き、SCP-2760と同様の、上向きに自身を推進する挙動を示し始める。新たな個体は22:24:58にカメラ映像の外へ無軌道に飛んでいく。
結: 機動部隊ラムダ-4("野鳥観察")が、暫定的にSCP-2760-3と指定されたSCP-2760の新個体発見のために派遣されている。SCP-2760-1およびSCP-2760-2の異常能力の完全な範囲を判定するため、他のスカイダンサーや空気を主体とするオブジェクトとの更なる実験が許可されている。