SCP-2776
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恒久的な収容下に移される前のSCP-2776。

アイテム番号: SCP-2776

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2776はエリア-11の高セキュリティかつ鉛の内張りを施したヒト型生物用住居に収容します。少なくとも4名の武装警備員が住居の外に駐留することになっています。

収容違反の試みが行われた場合、保安職員はまず、住居の下部に設置されたウェンス-ニュートン電磁石を起動してください。SCP-2776が電磁石を無効化、あるいは影響範囲内を脱した場合は、保安職員はクラスⅢ非致死的電気警棒を用いてSCP-2776を鎮圧してください。SCP-2776が一次収容構造の境界から脱出してしまった場合、保安職員は完全な収容違反防止のために致死的な武力を使用することが容認されます。

収容違反の試みを防止するため、SCP-2776には以下の情報を、真実であるか否かに関係なく信じさせなければいけません。

  • アメリカ合衆国は、自由民主主義国家として存在している。
  • グレートブリテン・その国民・その境界内に起源を持つ団体は、アメリカまたはその資産の安全および安定に対する脅威を及ぼしてはいない。
  • フランス共和国は存在しており、イギリスによって脅かされてはいない。

SCP-2776が上記情報に矛盾する物事に曝露しないことを確実とする手順が失敗した場合、SCP-2776は活性化し、収容違反に繋がる可能性が濃厚となります。

説明: SCP-2776は1789年4月30日から1797年3月4日までアメリカ合衆国大統領の地位に就いていた故ジョージ・ワシントン英国軍高官の高齢時の外観を有する人型オートマトンです。SCP-2776の起源の詳細に関しては補遺2776.3を参照してください。

SCP-2776を構成する幾つかの部品は、粗雑な鉄の骨格・木製のサポート支柱・ガラスの目・18世紀半ばの歯科補綴物などの、作成されたと思われる時代の技術力に合致するものです。しかし一方でSCP-2776は、滑らかな炭素ベースの皮膚層・動力学的に抵抗力を持つ胸部内のアーマープレート・部品に動力を供給する小型核融合炉・現在未解明である、全体的にグラフェンで構成された頭蓋内の情報処理装置などの、付加的かつ高機能な部品もまた数多く有しています。SCP-2776の外側の肉・髪・爪は全て有機的であり、腐敗には耐性があります。

SCP-2776の主要な機械的動力源は上胸部の空洞内に位置する電気モーターですが、SCP-2776の骨格内にある未知の機械的システムと相互作用する超加熱配線を介して、融合炉から各パーツへと直接的に動力を供給することも可能です。これはSCP-2776の異常機能の大部分の背後にある主要駆動力と考えられていますが、SCP-2776が可能としている完全な動力産出量から、活性化時の動力はSCP-2776内の別なソースから生じているはずだと推測されています。この研究は進行中です。

SCP-2776は2つの主要な動作モードを有します。第一のモードはデフォルト状態の”低エネルギー”であり、この状態のSCP-2776は比較的に言って極めて少ない量のエネルギーしか消費せず、知性と感情の兆候を示します。SCP-2776は自分のことを、英国領アメリカのヴァージニアで誕生し、ある時期には大陸軍の総司令官を、その後にはアメリカ大統領を務めたジョージ・ワシントンであると考えています。SCP-2776は自らの機械的な構成に関して弁明することが不可能であり、自分はいつもこの様な姿だったと主張します。

第二の操作モード”高エネルギー”は、SCP-2776が上記3つの情報に矛盾する情報を検出した場合のみ活性化します。活性化モードのSCP-2776は[データ削除 ― 更なる情報は補遺2776.4を参照]

補遺2776.1: 発見

SCP-2776はまず2007年、ヴァージニア州ロアノークで活動しているマーシャル、カーター&ダーク株式会社系列の販売店舗を財団が急襲した時に発見されました。手入れに際し、フェアファックス郡に位置する危険な異常物体の存在を説明する数枚の文書が回収されました。機動部隊ベータ-24(“開拓者たち”)が、ジョージ・メイソン大学フェアファックス・キャンパスの地下にあるオブジェクトを回収するために派遣されました。

以下は機動部隊によるフィールドレポートからの抜粋です。

施設の建物の裏で、隠蔽されたアクセスシャフトを発見した。0.5mかそれ以下だろう。俺たちは深さを約10mと測定して、一列縦隊で降下した。下部の歩道トンネルは俺たちがしゃがむ必要が無いぐらいには高かったが、横並びに立てるほどの幅は無かった。ホールの端に近付くと、トーマスは、過去に崩落したと思われる横に逸れたトンネルがある事に気付いた。適所にはガス灯システムもあったが、動作不能のようだった。

ホールの終わりにはドアが一つだけあった。俺の腕ぐらい太い閂が3本付いた、鉄製の扉だ。閂は閉じた状態で錆びついていたから、切断用バーナーが降ろされるまで待たなきゃならなかった。閂を切った後、俺たちは彼がいた部屋へと入った。標準的な収容室より大きい作りではなかった、多分少しだけ高かったかもしれないが。家具は不足していたが、家庭的だったよ。壁は木材の羽目板で壁紙が貼られ、床は堅木材だった。カーペット、小さな本棚とナイトテーブル、ガスランタンが幾つか。そして彼が、ベッドの上に横たわっていた。ぐっすり眠り込んでいるかのように、俺たちが入っても1インチも動かなかったんだ。

彼は大きな銅管を介して機械に繋がれていた。何ともスチームパンクというか、部屋の他の部分の外観にはそぐわなかったよ。俺たちが部屋の照明を付けて回った時、エイブリーがパイプの一つに躓いて、ぶつかった。接続が切れると、彼は目覚めた。

俺たちの誰一人として、最初は彼が何者か気付かなかった。あれだよ、肖像画で見るのとは随分と違ったからな。自己紹介された時は皆、何の冗談かと思ったね。俺だって手入れで入手したブツを見せられるまでは信じてなかったし、今でもまだ疑わしいとも思う。彼が何であれ、長い時間此処に横たわっていたんだろう。

ステータスチェックと概要報告を手早く済ませた後、俺たちは彼を確保車両に乗せてサイト-23へ移送した。彼はずっと協力的だったし、あまり口も聞かなかった。自動車に関してはやや不安そうだったが、大丈夫だと保障した。

補遺2776.2: インタビュー

以下のインタビューはSCP-2776がサイト-23の収容スペシャリストに対処された直後に行われた。


リチャーズ博士: こんにちは、閣下。

SCP-2776: どういたしまして。

リチャーズ博士: ご自分が何処に居られるかを分かっておいでですか?

SCP-2776: いや。しかし、今日見てきた物を鑑みるに、余り多くのことを知ってはならんのだろうとは気付いたがね。

リチャーズ博士: 貴方と以前話した人たちは、我々がこの施設で何をしているかに付いて話しておりましたか?

SCP-2776: 彼らは頻繁に”収容”という言葉を使っていた。ここは刑務所という事なのか?

リチャーズ博士: いえいえ、刑務所ではありませんよ。実験室といった方が近いでしょう。研究のための。

SCP-2776: 私が、その対象かね?

リチャーズ博士: 当分の間は、そうなります。今が何年かはご存知ですか?

SCP-2776: 私は…私は、12月だと思う。私は病気で、医者が ― マーサもそこにいたはずだ。彼女は何処にいるのだ?

リチャーズ博士: 残念ですが、貴方の死が報告されてから、しばらく時間が経っているのです。200年が。

SCP-2776: (応答しない)

リチャーズ博士: 大丈夫ですか?

SCP-2776: 主が私を迎え給うたはずなのだ、生命が私の身体を去りゆくのを感じた。最後に何か話して、その後に闇が…私には分からない。

リチャーズ博士: 初期検査で、貴方の生理学上には異常な部位が幾つか見つかりました…人間のものではない特徴が。恐らく動力源の故障によって非常用のパワーリザーブ・システムのような物が起動し、内部機構に修理するための時間を-

SCP-2776: 何だって? 動力源? 機構? 待ってくれ、何のことを話しているのかね?

リチャーズ博士: 貴方は、その、我々が言える限りでは、アニマトロニクスなのです。機械です。

SCP-2776: 機…しかしマーサは、彼女は一度として…

(SCP-2776は更なる質問には答えなかった。SCP-2776は続く検査の残りでも無応答状態を保ち、サイト-70の封じ込め状態に到った段階で再び話し始めた。)

補遺2776.3: 回収された文書

以下の文書は、アメリカ合衆国ヴァージニア州ロアノークにある、マーシャル、カーター&ダーク社の店舗への手入れで発見されました。

T、

僕は君の懸念を理解できるし、ボストンにいる仲間たちも同じ気持ちだ。僕らは単純に、国内外からの攻撃を凌げるような火力を欠いていて、とても成功の見込みは無い。これだけは確かだ。

以前君と会った時に話したEHとのやり取りを通して、同僚の知人である一人の紳士に出会った。僕らの運動にとって非常に貴重な存在かもしれない人だ。彼は科学分野の教授で、真に驚くべきプロジェクトを少なからず手掛けている。彼に直ぐ助言を仰ぐよう同僚にアドバイスしたよ、もし僕らの間で合意に達したら彼との協議を開始できる。

君の返事を待っているよ。

J



トリヴァー様、

以前お話ししたように、私がお届けする製品の信用という面で、貴方が機械を内包させるつもりの人物は、その役目に最も相応しい外見であるということが不可欠なのです。これが最も肝要なステップでして、ここで失策をすると最終製品の信用性が台無しになりかねません。

勿論、最終的な決定権は貴方のものです。装置は貴方が誰を選ぼうとも、合わせて変更が可能です。しかし、もし私の方から推奨できるなら、最近モノンガヒラで戦闘後に病を患ったヴァージニア出身の若い将校がおります。私の見込み違いでなければ、彼は今月の終わりを迎えられますまい。紛れもなく悲劇です、しかし、抗帝国感情を持つ若き将校というのはスタートとしては上等な基部でしょう。

将校の名はジョージ・ワシントン、オハイオ領土のブラドック将軍の下で働いておりました。彼が逝く前に会い、この文に付けて送った準備用のお茶を彼が飲む事を確実とせねばなりません。これは、彼の死を安らかなものとし、重要な臓器が損なわれずに残ることを保証するものです。死体を手に入れたら、黙ってそれを除去し、彼が逝ったことは誰にも話してはなりません。私が説明した方法で彼を荷造りし、次のフランス行きの便で私まで送り届けてください。後は私の仕事です。

彼が戻る際には、妻が必要となるでしょう。貴方が信頼して彼のメンテナンスを任せられる人物が。負傷が彼に苦痛を与えることはありませんが、傷跡は見えます。彼女は、彼の内部機構を理解し、必要に応じて調整を行えるようにする必要があるでしょう。その手の女性が雇用下に一人おりまして、ヴァージニアに彼が戻る時に同行させても大丈夫だろうと考えている次第です。

また、彼にはプライベートを持つための邸宅が必要となるでしょう。彼は貴方の戦場の司令官となり、多くの者に自信を抱かせるでしょうが、衆目に曝されてはいけません。もし密接に検査されてしまえば幻想が打ち砕かれるというリスクを抱えているのですから。他にも機械的な理由から、この邸宅は川の近くにある方が好ましいでしょう。

彼が戻る時には、私もご一緒するつもりです。準備は進んでいます、貴方は司令官を手に入れる事になるでしょう。

敬具

デュラン



T、

彼を僕自身の目で見たよ、何とも見事だ! たとえ精査したって、これまでに見た人間に劣らない。あのデュランって男は嘘なんか言わなかった、これこそ我らが将軍、必要ともなれば我らが王だよ。

今は、彼はヴァーノン山の屋敷に、デュランと一緒に来た妻のマーサと一緒に住んでいる。彼女自身も驚異の存在と言っていいね、彼女ほど複雑な機械の扱いに長けた女性を見たことが無い。もしかしたら、僕らのワシントン氏を組み立てる時、彼女はデュランの手助けをしてたんじゃないだろうか。

事を起こすべき時はもう直ぐそこだ。ベンジャミンにも話をして、彼は前進をサポートしてくれている。フィラデルフィアの連中に連絡してくれ、動き始めようじゃないか。

J



トリヴァー様

貴方の御心配は不要なものとお伝えできて光栄です。初期の損失は受け入れ難いものと承知しています、しかし彼らは信用性のある結果を齎すには必要な犠牲でした。アメリカ人がほんの少ししか死なずに圧勝、というのが勿論望ましいものです、しかしそれではとても信じられない。そして、これはより重要な事なのです。お忘れなく。

戦いの潮が貴方の側から引き始めてしまっても、心配ご無用です。ワシントン氏が戦争に負けるようなことはありません、貴方がたの独立は叶いますよ。

敬具

デュラン

補遺2776.4: インシデントレポート

補遺2776.5: インタビュー



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