SCP-2777-JP
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アイテム番号: SCP-2777-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2777-JPはエリア-8132の専用収容房2777-JPに収容されています。収容房の大きさは20m×20m×3mであり、段差によって床は入口から50cm下に位置します。床は凹曲面になっており、中央にSCP-2777-JPが設置されています。収容室内の壁には監視カメラを配置し、SCP-2777-JPの活性/非活性状態を観察します。

報告書執筆現在、SCP-2777-JPに対する調査および実験は、形式部門による非活性化条件の特定が完了するまで見送られています。専用収容房2777-JPに侵入する必要がある場合は、暫定タイムフロー2777-JPに従ってDクラス職員を派遣してください。

説明: SCP-2777-JPは直径1.737mの球状物体です。球面上の1ヶ所に底の直径が0.744m、高さが0.248mの球冠状の隆起が存在する以外に、外形の特徴はありません。分光分析により表層は二酸化ケイ素で構成されていることが判明しており、慣性質量から推定される密度からも全体は二酸化ケイ素を主成分とした岩石で構成されていると推定されています。SCP-2777-JPは地面および床からおよそ38.4cm上空に仮想的な床が存在するかのように振る舞います。このため、SCP-2777-JPは常に浮遊しているように視認されます。SCP-2777-JPは、現時点では不明な周期で後述の異常性が非活性化します。非活性時は前述の浮遊を除き、通常の物体と同様に扱うことが可能です。

SCP-2777-JPが活性化している間、表面から約38cm以内の領域に侵入した物体は一時的に運動を停止します。その数秒後、物体は上記の領域に接触した部分から消滅し始め、十数秒で完全に消滅します。電磁波はこの影響を受けないため、活性化中でも観察が可能です。

SCP-2777-JPが活性化すると、SCP-2777-JPの周囲半径6.77mの床および地面が31ルーメンで紫色に淡く発光します。発光した領域に侵入した人物は、全身にタイリクオオカミ(Canis lupus)に類似した身体的特徴が発現します。また、変化が開始した時点で意思疎通が不可能となります。以下、この状態に変化した人物をSCP-2777-JP-1と呼称します。変化後、SCP-2777-JP-1はSCP-2777-JPの周りを螺旋状に周回しながら、SCP-2777-JPへの接近を試みます。この行動はSCP-2777-JPの38cm以内の領域に侵入するまで継続し、上記の異常性により身体の欠損を起因として死傷する結果となります。初期収容時にSCP-2777-JP-1に変化した人物の経過観察から、これらの影響は不可逆であると考えられています。

発見経緯: 2015/05/02 21:42、日本国秋田県北秋田市阿仁荒瀬向岱12に位置する公園1付近の住民が、紫色に発光する物体に関する通報を現地の警察機関に行いました。上記の異常性により発生した混乱の情報を財団が察知し、エージェントの派遣と調査がなされました。これにより、物体は異常性を有していることが財団の記録下において断定され、非活性化が確認されたため最寄りのエリア-8132への移送が試みられました。しかし、非活性化時期が断続的であったために収容作業は難航し、現状の収容体制が確立するまでに一般人7名を含む12名の死亡者が出る結果となりました。初期収容の後、形式部門により非活性化周期の特定が開始されました。

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図1 40日間での活性/非活性推移

補遺1: 発見時から40日間で記録された、SCP-2777-JPが活性化および非活性化している時間を図1に示します。形式部門所属の曽原研究員は、図1および発見場所や初期収容の状況から、SCP-2777-JPの非活性化は時間のみで表される条件関数トリガーファンクションに依存しており、関数の値が一定の閾値を下回った場合に非活性化するとの仮説を立てました。図2に曽原研究員が仮定した条件関数および閾値を示します。

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図2 想定される条件関数と閾値


図2の関数を読み取りフーリエ変換した結果、SCP-2777-JPの非活性化は約24時間および約1ヶ月を周期とする正弦関数の和である関数(式(1))に依存していると推定されました。

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以降の25日間における観察の結果、上記の仮定はある程度正しいことが判明したため、暫定タイムフロー2777-JPとして非活性化時期の推定に用いられています。SCP-2777-JPの観察実験は継続中です。

通達 2015/10/06

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