SCP-2804-JP
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アイテム番号: SCP-2804-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2804-JPの出現は複数の監視カメラ等において構築された全国監視ネットワークによって即時に把握されます。SCP-2804-JPの出現が確認された段階で周囲のエージェントはクラス-Φ記憶補強材を摂取した状態で出現地点へ移動し、周辺住民の記憶処理及び記録媒体の処理を行ってください。SCP-2804-JPの影響を受けて墜落した人物には財団影響下の医療施設に搬送したうえで適切な延命処置を行います。生存した場合には体調の復帰を待ってインタビューを行ったうえで記憶処理を行い、死亡した場合は自殺であるとのカバーストーリーを流布してください。

説明: SCP-2804-JPは主に日本国内において出現する人型実体です。SCP-2804-JPは二十代ほどの日本人女性と同様の容姿を有しており、外見に大きな異常は確認されません。

SCP-2804-JPは夜間、住宅内に侵入し住人(以下、対象)を誘拐します。この侵入の際、扉や窓に対する施錠は解錠され、現在段階で侵入を阻止した例は確認されていません。SCP-2804-JPは何らかの精神影響能力を有していると推測され、誘拐の際、対象は抵抗することなくSCP-2804-JPに追従することが確認されています。

この対象に選ばれる人物には性別や年齢などの基準は確認されませんが、多くの場合、以下のパーソナリティを有しています。

  • 勤務環境などの現状に不満を持っている
  • コミュニティから孤立している
  • 変化を好まず現状維持を求める傾向がある

対象を誘拐した後、SCP-2804-JPは対象を連れ上空約10mを不明な原理で移動します。この移動は多くの場合徒歩ですが、自転車、列車など別の方法を使用する例も確認されています。この異常性により目撃される事例も複数あると推測されますが、目撃者は多くの場合目撃した記憶を急速に忘却する傾向にあり、現在時点で致命的な収容違反に陥ったケースは存在しません。この記憶影響はクラス-Φ記憶補強材により抵抗可能です。

移動の際、SCP-2804-JPは対象と会話を行おうと試みます。この試みはほとんどの場合において成功し、会話を続ける過程で対象はSCP-2804-JPを特定の人物と誤認します。誤認する人物は多くの場合、対象がかつて好意を抱いた人物であることが確認されています。SCP-2804-JPは自身が誤認されていることを理解したうえで会話を継続し、多くの場合会話は数時間に及びます。これは対象が朝日を知覚した段階で終了します。

対象が朝日を知覚した段階で、SCP-2804-JPは対象を抱擁します。この抱擁と同時にSCP-2804-JP及び対象は落下し、対象は臓器等に重大な損傷が発生したことにより最悪の場合死亡に至ります。また、SCP-2804-JPは現在まで全ての事案において死亡していることが確認されています。死亡したSCP-2804-JPは時間経過と共に不明な原理で消滅し、20██/██/██まで体組織のサンプルは入手できていませんでした。また、特記事項として再度出現したSCP-2804-JPは以前に死亡した記憶を有していることが言動から推測されています。

生存した対象は、SCP-2804-JPと移動した場所を実家の周辺や学生時代の通学路など、自身の経験に関連した場所であると証言しています。また、これらの対象は多くの場合上記のネガティブなパーソナリティを克服しようと試みる傾向が見られます。これはSCP-2804-JPの異常性によるものではなく、その体験による心境の変化であると推測されます。

以下はSCP-2804-JPが死亡した際、周囲で発見される関連文章です。この文章は破損しており、一部のみの回収となっていることに留意してください。

SCP-2804-JP関連文章-1

[判読不能]
03. ミス・[名称未設定]
04. ミス・[名称未設定] [廃棄]
05. ミス・[名称未設定] [没]
06. ミス・[名称未設定]
[判読不能]アナタは無限大! さあ、とろけるような恋を楽しもうね! [判読不能]

この文章より、SCP-2804-JPは要注意団体"博士"に起源を持つと推測され、調査が進められました。その過程で財団の把握する異常関与行先不明人物リストにおいて、"博士"の関与したと推測される複数の人物がSCP-2804-JPと一部一致する可能性が指摘されました。これら複数の人間を使用した例は確認初期の"博士"に見られることもあり、SCP-2804-JPは"博士"の起源に関与する可能性があるという意見も提出されています。

接触記録2804-JP 20██/██/██

20██/██/██、SCP-2804-JPが東京都府中市に出現しました。これを受け財団特殊空中部隊がコンタクトを取ったところ、SCP-2804-JPが応答しました。以下はその会話記録です。

発信者: 名和伍長

対象: SCP-2804-JP

«再生開始»

(前半部は事実確認の為省略)

名和伍長: あなたの目的を確認したい。何故人を攫い、墜落死させるのだ?

SCP-2804-JP: それはもちろん、一番幸せな時に死んだ方が彼ら彼女らのためだからです

名和伍長: なるほど、過去に好意を向けた相手との穏やかな会話を幸せだと判断しているということでよろしいか?

SCP-2804-JP: そうですね、恋する気持ちは止められませんし、それはきっと何よりも代えがたいんですから。だから一緒に楽しむんです、幸せにするために。彼ら彼女らは生きることに疲れてしまった。未来に夢を見れず、延々と停滞するなら、幸せな時間に酔って溺れて死んでしまう方がマシだとは思いませんか? 命は短いんです、それなら恋して死んでいった方がいい

名和伍長: 返答は保留する。では何故あなたがそれを行うのだ?

SCP-2804-JP: 私はそう作られたからです、多分。誰かに恋をさせて、一緒に落ちるために作られた。そのときの名前も記憶も全部忘れて置いてきたけど、多分悪意で私は作られた。でも、そんな悪意の中ですら私は失敗作だったのでしょう。私の名前はミス・[名称未設定]。名前も付けられることなく悪意の煮凝りみたいなまま、飽きられたおもちゃみたいに捨てられた。……のだと思います

名和伍長: 断定しないのはなぜか?

SCP-2804-JP: 私は忘れられたからです。私は名前も付けられることもないまま忘れられて、そしてあの街に辿り着いた。全部忘れて、酔っぱらって、止まって。そのままで良かったのかもしれません。私は人を落とすことしかできません。でも、誰かがそこから思い出した、私の名前を問うてくれた。だから私は寂しい人の恋人になると決めました。とびきりのものを送ると決めました。

名和伍長: とびきりのものとは?

SCP-2804-JP: 彼ら彼女らは生き延びることに疲れ切っていた。先に進むことを諦め、過去に夢見た恋に酔った。それは仕方のないことです。私はそれを否定する気はありません。停滞も、酩酊も、それは時には必要なこと、でも私は忘れることだけは認められなかった。失敗作だから、名前も付けられなかったから、だからせめて私は私以外の全てを覚えてあげたいのです。これは静止し硬直した一方通行の大きなお世話かもしれません。でも、彼ら彼女らだって忘れられるべきではないと信じるのです。激しく落ちて恋をして、短い命を刻み付けるのです。誰が忘れたって、私だけは覚えています。どれほど恨まれようと

名和伍長: 生き延びた彼らは、あなたに感謝しているものも多いが

SCP-2804-JP: ……ああ、ああ、ああ、そうですか、そうですか! きっとそれならあの都に向かうことはない、あなたたちは失敗作ではない! 捨てられる名前のないおもちゃではない。私が覚えている以上に、きっと、もっと、覚えられていく! 恋をして短い命を燃やしていく! でもせめて、あなたたちには、私の大きなお世話が、おせっかいが、あってほしいと願うのです。その為に私は、捨てられた私は名前を得ました。お願いがあります、私の名を、私の名を聞いて

名和伍長: あなたの、名前は

SCP-2804-JP: 私の名前は、ミス・あいをこめて!

«再生停止»

このインタビューより、SCP-2804-JPは要注意団体"酩酊街"に関与すると判断され、周辺情報の調査が行われています。

補遺1: 20██/██/██、"博士"が使用していたと推測される拠点が発見され、調査されました。その調査の過程でSCP-2804-JPに関連すると推測される電子メールが発見されました。このメールは一部が意図的に破壊されており、送受信者の探知は失敗しています。以下はその電子メールの書き起こしです。

SCP-2804-JP関連文章-2

[判読不能]
先日のメールの件、確認させていただきました。
こちらでも調査を行ったところ、私の作成したものであると確認が取れました。

該当の[判読不能]ですが、数年前に作成したものの、飽きてすっかり忘れていたものでした。
それも数か月前にふと思い出した程度で、失敗作という認識すらありませんでした。
[判読不能]
夜の空歩いて自分だけのとこにやってくる特別な何かってエモい感じでしょ?
だから材料も適当に幸せそうな[判読不能]。

今回改めて見て思ったんですけど、愛とか言っておきながら結局殺すのってなんかウケますね(笑)
[判読不能]
酔ってるんじゃないですかね、おそらくあの街関連だし。

ただまあ、おかげさまでいいインスピレーションが浮かんできました。
私が作ったからにはちゃんと表示しておきたいという気分もあるので一回こっそり会うだけ会っておこうと思います。勝手にやってもらってる方が面白いですし。
あとはタグの出し方もちょっと凝ってみようかと思ってます。

[以下、破損により判読不能]

P.S ついでに酔い止めでも出しておきます

補遺2: 20██/██/██、SCP-2804-JPによる墜落現場に散乱したSCP-2804-JP関連文章-1(以下、タグ)において、対象となった人物及びSCP-2804-JPの血液が付着しました。SCP-2804-JPから血液が確認されたのは初めての事例であり、調査を行ったところ血中アルコール濃度は0.25であったことから、SCP-2804-JPは酩酊状態にあると判明しました。これを受け、タグの文面が変化したこと、またタグにアセトアルデヒド脱水素酵素が塗布されていることが確認されました。この変化は以前のタグには確認されていませんでした。以下は変化した文面です。

SCP-2804-JP関連文章-3

オーット! おめでとう! 博士の非売品コレクション、ミス・れんあいじょうずシリーズのミス・あいをこめてを見つけたんだね! ミス・あいをこめてはキュートなミーツガール! 愛するキミの前に現れて天国に連れて行ってくれるよ! しかも何処まででも一緒に落ちてくれるおまけつき! 恋もしたことがないまま大人になって、生きる意味を忘れてしまった子ども部屋のみんな! 彼女がいればきっと今夜の夢は最高にエモエモさ!

恋するアナタは無限大! みんなで好きなシチュエーションを楽しもうね!

01. ミス・あいをこめて[未設定]
02. ミス・[名称未設定]
03. ミス・[名称未設定]
04. ミス・[名称未設定]
05. ミス・[名称未設定]
06. ミス・[名称未設定]

今後も続々新しいメンバーが加わるよ! さあ、楽しもうね!

お詫び ミス・れんあいじょうずシリーズのミス・あいをこめては「愛とか押しつけがましくってキュートじゃないよね」、「酔ってるんじゃない?」等のご意見を受け、一旦ミス・[未設定]とさせていただきました。発見していただいた使用者の方々には大変ご迷惑をお掛けいたしますことを心よりお詫び申し上げます。なお、品質には問題がないため該当商品の回収・返品等は行っておりません。今後はこのような事態が発生することのないよう再発防止に努めて参りますので、何卒ご理解とご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

たのしもうね!

Neoワンダークール重工法務課より

この変化によるSCP-2804-JPの異常性等への影響は確認されていないことから、"博士"が関与したのは血液の有無とタグの改変のみであると結論付けられました。これらの情報をSCP-2804-JPに通達する是非は現在議論中です。

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