SCP-2812


評価: +7+x
アイテム番号: 2812
レベル3
収容クラス:
euclid
副次クラス:
none
撹乱クラス:
keneq
リスククラス:
warning

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SCP-2812-1の現在地、ライムストーン・ビジネスセンターの外にある看板

アイテム番号: SCP-2812

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 観測サイト81-2が、SCP-2812-1から30km離れた██番道路沿いの国道██号線出口付近に確立され、現在は中古車販売店の跡地に偽装されています。このサイトには、現地の法執行官を装った最低3名の財団エージェントと、研究員2名が駐在します。SCP-2812-1の性質と、それが人間の行動や現地の建築・工学に及ぼす影響を考慮して、サイトの職員は4週間間隔の交代制となっており、退去した職員は身体検査と心理評価を受けます。

SCP-2812は現在、それ自体の異常性と、国道██号線、██番道路、██番道路に設けられた財団の道路封鎖で収容されています。SCP-2812-1の影響範囲 (現在██kmと推定、詳細は補遺2812イプシロンを参照) の周囲には境界線が設定され、如何なる状況でも民間人が███████町域内に入ることは認められません。当初、SCP-2812-1が配置された商業施設の周辺にはフェンスが設置されていましたが、既に老朽化しています。SCP-2812-1が存在する建造物のドアは施錠されています。

全てのSCP-2812-2個体には細心の注意を払って接近し、可能ならば捕獲して分析・収容のために観測サイト91-2へ移送します。観測サイト81-2に駐在する全ての財団職員は、小火器戦闘訓練を受け、現地では常に拳銃を携行することが求められます。

説明: SCP-2812はインディアナ州 ███████ の町で発生する2種類の異常現象の総称です。

SCP-2812-1は、ライムストーン・ビジネスセンター1のメインコンコースに設置されている、1930年代のレコードプレイヤーです。プレイヤーはほぼ全体が木材、真鍮、ガラスで構成されており、その他に小さな付属品が取り付けられています (ただし、同年代のレコードプレイヤーとして珍しいものではありません) 。2枚の小さな真鍮の板がプレイヤーの後ろ側に貼られており、次のように記されています。

インディアナ・ライムストーンの皆様へ、1935年のご多幸を願って!

-聴く喜び、メイザーソン・ミュージック-

内部にレコードが見えないにも拘らず、SCP-2812-1は20██年の活性化と発見以来、ジェローム・カーンの楽曲 “イエスタデイズ” の僅かにスローテンポな演奏を繰り返し流しています。曲の再生時間は5分14秒で、その後10秒間の休止が続きます。SCP-2812は目に見えるような類の電源には接続されていないようです。

SCP-2812-1の主な異常性は、SCP-2812-1の効果範囲内のあらゆる人物に認められる、強力な物理的・心理的強制力です。███████の町民たちは共通して “町から逃げなければならない” “帰ってはならない” という考えを抱いています。これは専ら心理的な強迫観念として表出するものの、人間に対しては極めて現実的な物理障壁として表れる場合もあります。影響者は、SCP-2812-1に近付くにつれて、“風に逆らって” または “水の中を” 歩いているかのような感覚、つまりある程度の物理的な抵抗力を感じると主張します。ストレステストの結果、SCP-2812-1の効果範囲内にいる全ての人物は、記録可能な肉体的ストレスを受けていることが判明しました。

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インディアナ州███████に向かう██番道路。

経時的に2、この強制力は激化し、通常は影響者が (該当する場合、家族を連れて) 生活状況に関係なく███████を完全に退去する結果を招きます。十分に町及びSCP-2812-1から“逃げ出す”と3、影響者はそれ以上の強迫観念の兆候を示さなくなります。この行動について質問されると、ほとんどの影響者は“もうこれ以上我慢できなかった”と主張し、自らの決断に満足していると主張します。SCP-2812-1の発見時点で13,400人存在した███████町民のうち、20██年現在の町内に残っているのは僅か190人と推定されています。

SCP-2812-1から離れようとする衝動は、影響の中心部に接近するほどに強まるようです。このため、SCP-2812-1を直接観察するのは困難です。更に、SCP-2812-1の副次異常性によって遠隔からの観察も同じく困難であり、大半のドローンは建造物のドアに辿り着く前に機能を停止します。

また、SCP-2812-1は影響範囲内の人工物にも作用します。町の一角は、町民から放置された場合に通常予想されるよりも遥かに速い速度で老朽化の兆候を示します。一部の主要な道路は大量の陥没穴のために通行がほぼ不可能となっており、███████の店舗や住宅のほぼ全てに破損した窓、ひび割れた歩道、その他全般的な劣化が見られます。これらの効果は、構造物がSCP-2812-1に近いほど顕著に表出します。

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消失する途中のSCP-2812-2個体。

SCP-2812-2は、SCP-2812-1の影響範囲内に出現する、一様に“ユナイテッド・ライムストーン社”の灰色のジャンプスーツを着用したヒト型実体群です。SCP-2812-2個体はSCP-2812-1が配置されている建造物の内部で生成されており、幾つかの重大な相違点を除けば、通常の人間に類似しています。SCP-2812-2個体は、SCP-2812-1の影響範囲内であれば、見たところ意のままに完全消失と再出現が可能であり、この能力を逃走 (追われている場合) や標的への接近に利用します。これによって、SCP-2812-2個体は驚異的な速度で長距離を移動できます。また、標的に接近したSCP-2812-2個体は、口を開けて顎を延伸させ、組成不明のスピーカーコーンを露出させます。その後、SCP-2812-1が流している音楽が、SCP-2812-2の口中のスピーカーから放送されます。SCP-2812-1の影響はSCP-2812-2によって増幅されるらしく、至近距離での放送は██%の影響者に重度の脳出血を引き起こしています。

SCP-2812-2個体は人間への敵意を示し、███████に残っている町民や財団エージェントを尾行することが確認されています。SCP-2812-2はあらゆる場所に出現し、速やかに距離を縮めることが可能なため、これを防ぐのは困難です。しかしながら、SCP-2812-2個体は非物質的ではなく、小火器の発砲で追い払うことができます — 撃たれた個体は消失し、後ほど再出現します。幸い、SCP-2812-1が“オン”状態で長年放置されているため (現時点で█年と推定) 、標的となる町民はほとんど残っていません。標的となる人間がいない場合、SCP-2812-2個体は歩行移動を始め、明確な動機無しに███████をゆっくりと徘徊します。SCP-2812-2個体は、SCP-2812-1がもたらす強制衝動の影響を受けないようです。

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