SCP-2818-JP
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SCP-2818-JP内の斜行リフト。

アイテム番号: SCP-2818-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2818-JPが存在するエリアは機動部隊アトレッド-9 ("イレブンナイン") と機動部隊アトレッド-13 ("ニュートリノ") が管理および警備し、外部からの不正な侵入を阻止します。周辺地域の情報は偽装し、SCP-2818-JPの存在を隠匿します。

現地の研究チームと復元チームは識別子BおよびTの部屋に位置するリアクターの調査を重点的に行います。得られた情報は時間異常部門による整合性の精査ののち、監督評議会に共有してください。

説明: SCP-2818-JPはリヒテンシュタイン公国のトリーゼンベルクで発見された地下構造物です。壁面にコンクリートが用いられた地上部が存在し、地下構造物への移動に利用される斜行リフトの乗降場が設置されています。地上部と斜行リフトは破壊困難な稼動隔壁によって分断されており、隔壁の稼動には網膜認証による身分証明および財団が定めるレベル5以上のセキュリティクリアランスが要求されます。適切なクリアランスを提示していない人物がSCP-2818-JP内部に侵入した場合、対象者はセキュリティシステムによる致死性のミーム殺害エージェントに罹災します。財団がSCP-2818-JPを建造および所有した記録は存在しません。

SCP-2818-JPが存在するエリアは財団研究施設の建設候補地であり、2018年に行われた調査段階ではSCP-2818-JPは存在していませんでした。監視下に出現していたことから第三者により建設された可能性はなく、複数の調査結果により、現実改変の発生を原因とするSCP-2818-JPの出現可能性は否定されています。

SCP-2818-JPに設置されている斜行リフトの型番"JHY66"は2020年に財団によって開発された超深度敷設用リフトのものと一致します。JHYリフトシリーズは地中に存在する財団施設への移動および運搬に用いられ、2021年現在ではJHY66はその最新モデルです。SCP-2818-JPに設置されている斜行リフトには経年劣化が確認されており、設置後35年から40年時点の劣化の程度に等しいと評価されています。この老朽化を理由として、SCP-2818-JPが時空間遡行によって未来から出現した可能性が調査チームによって指摘されています。

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リアクター (識別子Aの部屋で撮影) 。

SCP-2818-JPには30個の部屋が存在し、倉庫や仮眠室、監視室などがあります。特筆すべき点として、いくつかの実験室と思われる部屋の内部にはリアクターが1台ずつ設置されています。これらの部屋の入り口には識別子と推測される文字が刻印された金属製プレートが取り付けられています。リアクター内部は部屋内に設置されたモニターから観察することが可能であり、内容物は例外を除き土と、場合により開花している植物 (以下"花"と表記) です。リアクターは合計で13台発見されています。

リアクターの内容物は各部屋ごとに異なります。以下は探索可能な部屋の一覧と内容物の状況です。


識別子: A

内容物: 内容物は土のみ。花は存在しない。


識別子: B

内容物: 土とユリ (Lilium) に見える外見的特徴を持つ花。このリアクターは稼働しておらず、強制的な停止を試みた痕跡が確認されている。


識別子: C

内容物: 植物学的に分類困難な未知の花。花を構成する要素は時折変異する; 鉱物のように見える花弁や、スライスされたハムのように見える葉が実例として確認された。


識別子: E

内容物: 内容物は土のみ。花は存在しない。


識別子: H

内容物: 内容物は土のみ。花は存在しない。


識別子: I

内容物: ユリに見える外見的特徴を持つ花。リアクターに内部環境を操作可能な端末が取り付けられており、リアクター内部を超高温/超低温/真空にすることが可能だが、内容物の花に影響は発生しない。


識別子: L

内容物: 内容物は土のみ。花は存在しない。


識別子: M

内容物: 内容物は土のみ。花は存在しない。


識別子: N

内容物: リアクター内が土で満たされている。花の存在は確認できない。


識別子: T

内容物: ユリに見える外見的特徴を持つ花。このリアクターは稼動していない。リアクター内部からは異常な重力値が確認されており、内部の時間流の深刻な遅延あるいは遡行の発生が推測される。


識別子: W

内容物: 土とユリに見える外見的特徴を持つ花。


識別子: X

内容物: 土とユリに見える外見的特徴を持つ花。


識別子: Z

内容物: 紙にクレヨンで描かれたように見える花の絵。

SCP-2818-JPに存在するリアクターの構造は、財団によって製作が検討されている異常性試験リアクターの完成予想図と酷似します。開発検討中の異常性試験リアクターは内部に異常現象を人工的に作り出すことで致命的な世界終焉をごく小規模に再現し、生命の絶滅に関わる特に重大なK-クラスシナリオに該当する事象の発見および対処法を研究することを運用目的としています。詳細は資料「ヴァクシネーション・プロジェクト」を参照してください (レベル001/∇機密) 。前述の時空間遡行によりSCP-2818-JPの全構成要素は未来から出現したと考えられており、各リアクターも異常性試験リアクターと同一のものであると推測されています。そのため、各リアクター内部では、K-クラスシナリオに該当する異常事象が再現されていると判断されています。

補遺2818-JP.1: SCP-2818-JP出現経緯の考察

SCP-2818-JPで確認された全13基のリアクターについて、予想される設置時期にずれがあることが確認されています。最初に設置されたとされるリアクターは識別子Tのリアクターです。このリアクターの修繕痕跡と内部システムから回収および復元されたエラーログファイルから、時空間異常により引き起こされるKクラスシナリオの再現実験が行われ、途中でリアクター内部の環境が一時的に外部へ流出したことが判明しています。

復元された複数のログファイルから、実験時に目的としていた事象 (局所的時間流の加速) とは異なる時空間異常が内部で発生した可能性が指摘されています。リアクターから観測された重力異常は時空間遡行の可能性を示しており、実際には宇宙収縮などを起因とする時間流逆転が発生したと考えられています。この時間流逆転が外部へ流出したことにより、SCP-2818-JPが現在に出現したとする仮説が有力視されています。全容を解明するため、内部システムに残されているデータファイルの回収と復元が急がれています。

補遺2818-JP.2: 時空間パラドックスの考察と関連事項

現在財団で開発が検討されている異常性試験リアクターは構成要素にThaumielクラスおよびDanger-Criticalクラス相当の異常存在の性質を元に開発された応用技術を利用するため、初号機の制作にあたり莫大な費用と年月を要するとされています。このため、現時点での財団の内部状況では、2060年時点で異常性試験リアクター初号機となる1台の制作が限界と考えられています。しかしながら、SCP-2818-JPは2060年前後の未来から現在へ時空間遡行して出現したと考えられており、発見されているリアクターの台数は前述の想定に対し大きく矛盾しています。このパラドックスから、以下の連鎖的未来改変の発生が予想されています:

  1. SCP-2818-JPが識別子Tのリアクターの事故により、現在に出現する。
  2. 現在のリアクター開発研究チームに識別子Tのリアクターの情報が共有される。
  3. 手に入ったリアクターを基に飛躍的に開発技術が進歩する。あるいは識別子Tのリアクターを流用する。
  4. 未来で新たなリアクターが製造される。
  5. SCP-2818-JPが識別子Tのリアクターの事故により、新たなリアクターと共に現在に出現する。
  6. 現在のリアクター研究チームに新たなリアクターの情報が共有される。
  7. 得られたリアクターを基に飛躍的に研究が進歩する。あるいは全てのリアクターを流用する。
  8. 未来で更にリアクターが製造される (5に戻る) 。

監督評議会はSCP-2818-JPおよびリアクターをEmblaクラスに副次指定し、異常性試験リアクター製造計画に利用することを検討しています。ただし、SCP-2818-JPの来歴を完全に理解できていないことや、識別子Tのリアクターが未来において事故を確定的に惹起する可能性を理由として流用計画は保留されています。

現在の財団が上記の問題を留意しているにもかかわらず、未来の財団が識別子Tのリアクターのによる事故を阻止しない/できていないことは、未来の財団によって事故が黙認されている可能性を示しています。この事故は未来視点では過去改変を引き起こしていますが、現在において致命的な結果には至っておらず、リアクターの実質的な複製に役立っています。

一連の連鎖的未来改変が意図的なものと仮定すれば、13台のリアクターが存在する理由を説明することが可能です。しかしながら、計画では異常性試験リアクターは最終的に13台より多く製造される予定です。調査により、最後に制作されたリアクターは識別子Bのリアクターであることが明らかになっていますが、このリアクター以降、未来の財団が新たなリアクターが制作しない/できていない理由が不明です。

各部屋に設定されているアルファベット識別子は「ヴァクシネーション・プロジェクト」に準じた各K-クラスシナリオに付与されている接頭辞とされていますが、2021年現在BK-クラス:世界終焉シナリオとされる終焉事象は提唱されていません。識別子Bのリアクターは稼動していないにもかかわらず内部で終焉事象が再現され続けている特異なリアクターであり、内部システムの復元に成功していないことも含め調査は難航しています。

リアクター内部で終焉事象の再現に成功しているということは、内部で発生しているK-クラスシナリオ相当の現象は現実でも発生させることが可能であり、実際に世界終焉シナリオとして発生する可能性があることを証明しています。BK-クラス:世界終焉シナリオは現状では仮定上の事象ですが、財団はこれを「BK-クラス:確定的世界終焉シナリオ」と称し、重要な研究対象として調査しています。


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