クレジット
タイトル: SCP-2820-JP - ぐるぐる模様
著者:semitatsu ©
semitatsu
作成年:2022
アイテム番号: SCP-2820-JP
オブジェクトクラス: Euclid
スピログラフにて描画される模様の例。SCP-2820-JPには分類されない。
特別収容プロトコル: SCP-2820-JPはその特性により完全な収容が不可能です。市販されたスピログラフによりSCP-2820-JPの発生が認められた場合、財団エージェントは該当人物及び周囲の人物に対しカバーストーリ―「かんしゃく」を展開し、必要に応じて記憶処理を実行してください。また、財団は機動部隊せ-10(“船乗り”)によってインターネット上の関連サイトを監視し、SCP-2820-JPが発生するスピログラフの3D設計図データがアップロードされた際には即座に削除してください。
説明: SCP-2820-JPは米国のケナー社から196█年に発売された「スピログラフ」に類似する定規を使用して描画を行った時に偶発的に生じる催眠現象です。この時、特定の直径を持つ歯車の組み合わせにて幾何学模様を描き、または指でなぞり、その模様を15秒以上注視することで、描画した人物に原因不明の特有の症状を引き起こします。
SCP-2820-JPは198█年█月█日に広島県東広島市██小学校より「レクリエーションの授業中に複数の生徒がヒステリーを起こした」との通報を医療機関が受け、機関に潜入していた財団エージェントおよび財団での再現実験により発見されました。
財団では市販されるおそれがある実用的なサイズの範囲を考慮し、最大直径20mmから300mmの範囲で調査を実施しました。現在判明しているSCP-2820-JPと症状については以下を参照してください。現在または過去に発売されたことがある██社███種類のスピログラフを調査した結果、SCP-2820-JP-1を発生させるおそれがある商品は3種類、SCP-2820-JP-2は1種類存在しました。SCP-2820-JP-3は一般的なスピログラフと比較して大きく、市販のものでは描画不可能でした。
|
外側の歯車の直径 |
内側の歯車の直径 |
中心からの穴の位置 |
症状 |
備考 |
| SCP-2820-JP-1 |
54mm |
██mm |
█mm |
焦燥感。描画継続の欲求亢進。 |
時間経過またはクラスC記憶処理により改善する。 |
| SCP-2820-JP-2 |
124mm |
██mm |
█mm |
描画継続および周囲の人間に対して同様の模様を描画することを促す。 |
このときの精神状態は「楽しい」と表現される。クラスD記憶処理により改善する。 |
| SCP-2820-JP-3 |
227mm |
███mm |
██mm |
自身の体に曲線模様を切創として刻む。 |
確認されたケースでは出血性ショックにより絶命する。 |
実験記録2820-E-34 - 日付198█/██/██
対象: D-8960
実験担当官: 織田博士
目的: SCP-2820-JP発生条件の確認。スピログラフは財団で実験用に作成されたものが用いられた。
<記録開始>
[中略]
D-8960: なあ、いつまでこのおもちゃで遊べばいいんだ?
織田博士: 私の指定した通りに使ってください。
D-8960: わかったよ。…ほら、描いたぞ。腕が疲れてきた。ちょっと休んでもいいか?
織田博士: その模様を見つめてください。
[D-8960が溜息をつく。その後22秒間に渡って模様を注視する。]
織田博士: 何か身体に異常はありますか?
D-8960: …いや、別に無い。それより他の模様を続けてもいいか?なんなら先生も一緒にどうだ?
織田博士: [10秒間の沈黙] 私は結構です。身体以外に異変などはありませんか?
D-8960: 見てくれよ、綺麗な模様だろ?
織田博士: はい。私も使ったことがあるので分かります。
D-8960: 分かるか?楽しくなってきた。なあ先生、他のも用意してくれよ。こんな実験ならいくらでも協力する。
織田博士: 今はこれだけを使用してください。異常はありませんか?
D-8960: 部屋の外にも職員がいるのか?入ってきてくれよ。楽しいぞ、みんなでやろう。いろんな模様を試したくなる。
織田博士: そうですか。[2分間の沈黙] 十分です。実験を終了するので鉛筆を置いてください。
D-8960: 待ってくれ、まだもう少しいいだろ?あんたらが何をしたいのか知らないが、これだけじゃ意味無いんじゃないか?
織田博士: 実験を終了します。鉛筆を置いてください。
D-8960: 他のやつも呼べよ!色んなやつに描かせてみればいいじゃないか!
<記録終了>
博士の制止を聞かず、D-8960は25分間に渡って描画を続ける。その後監視職員により拘束されたが激しい抵抗が認められたため鎮静剤を投与された。28時間後の事情聴取ではD-8960は当実験について「よく覚えていない」と回答している。
分析: 別の実験により、あらかじめ描画されたSCP-2820-JP-2を指でなぞり、注視することでも同様の結果が得られている。SCP-2820-JP発生契機として描画という行為は必須ではなく、"模様に沿う"行為が重要であると思われる。(織田博士)
事案記録2820-I-02 - 日付2021/10/12
<事案内容> 機動部隊せ-10(“船乗り”)により、インターネット上の動画共有サイトにて「3Dプリンタで懐かしおもちゃを作る!」というタイトルの動画がリアルタイム配信されていたことが分かりました。配信者は3Dプリンタを用いた玩具などの作成過程を普段から配信していた忽那 ██氏と判明しています。以下は一部内容を書き起こしたものです。
<配信開始>
[中略]
忽那氏: じゃーん!これ、知ってる人いますか?もしかすると子供の頃遊んだよーって人もいるかもしれません。これね、スピログラフって言います。懐かしいなぁ。
忽那氏: こうやって、ペンを差し込んでぐるぐる回すと… [氏がスピログラフを使用する] ほら!綺麗な模様が簡単に描けます!
[描いた模様をカメラに映す。以後7分間数種類の模様を描画する。]
忽那氏: お!これなんか綺麗ですよ![氏がSCP-2820-JP-3をカメラに映す。]
忽那氏: なんだか止まらなくなりますね!楽しいです!
忽那氏: あはは![氏が自身の胸にペンを突き立てる。そのまま皮膚を切り裂きながら裂創により胸から腹部にかけて点対称模様の描画を始める。動画のコメント欄には混乱や動揺を表すコメントが表示される。]
[氏が模様を書き終え、笑いながら画角外に出る。ドアの開閉音の後、女性の悲鳴が聞こる。無人の部屋を写した状態のまま6分後、配信が終了される。]
<配信終了>
配信は動画サイト運営側によって強制的に終了されたと思われる。
補遺2021-10-12: 事案記録2820-I-02に関して、忽那氏は最寄りの病院にて処置を受けたものの、出血性ショックにより死亡したことが確認されました。処置を担当した奥野医師は現在行方不明になっています。
補遺2021-11-06: 補遺2021-10-12に関して、奥野氏の遺体が██県山中にて発見されました。死因は自ら手首をサバイバルナイフで切り落としたことによる失血死です。雨により一部消失しているものの、血液が意図的に周囲の地面に塗布されていることが分かりました。以下は奥野氏が所持していた手記の抜粋です。
[中略]
10/12 胸部に40cm以上に渡って重度の切創を持ったPtを処置。創縁は不規則であり鋭器による損傷ではない。また、特定の図形をかたどっているように見える。いずれにしろ人間の所業とは思いたくないほど悲惨であった。切創に沿って焼灼・圧迫止血を施したが癒着困難。失血に対し輸血処置も施したが出血多量により亡くなった。
10/16 夢の中にあの模様が現れた。記憶に焼き付いたように離れない。今までにも悲惨な外傷を処置してきたが、あれは何か異常だった。週末は気分転換としてキャンプに行く予定。
10/20 目を閉じると模様が浮かぶ。日数が経つほど鮮明になる。頭がおかしくなってきたのか。昨日から頭痛と嘔気がある。念のため近医にメトクロプラミドを処方してもらう。
10/22 症状の改善がみられない。自分のものではない内言が浮かぶ。あの模様はなんだ。描かなければ。
10/24 治らない。あたまが痛い。おかしい。彼らを呼ばなければ
10/25 よばなければ
ルミノール反応検査によって、遺体の近傍の血液は曲線で構成された点対称の模様を描いていたことが分かっています。模様の直径は約1.2mでした。特筆すべきこととして、現場を調査した警察科学捜査官3名が翌日から無断欠勤および失踪しています。3名は現場にて模様に沿って血液のルミノール反応検査を実施していました。
補遺2021-11-15: 3Dプリンタの普及に伴い、SCP-2820-JPが市販品によらず発生する可能性を鑑み、オブジェクトクラスの変更が検討されています。また、SCP-2820-JP発生条件の精査をするための試験が申請されています。
ページリビジョン: 8, 最終更新: 05 Jul 2023 16:04