SCP-2822-JP
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アイテム番号: SCP-2822-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2822-JPはその異常性発生の条件より、強硬的な収容を行う必要性がありません。SCP-2822-JP発生の可能性がある人物は外科手術により指定部位の切除が行われたうえで定期的な監視が行われます。現在SCP-2822-JPの影響を受けていると考えられるコミュニティは監視体制に置かれ、SCP-2822-JP行使対象の移動は阻止されます。

説明: SCP-2822-JPは特定の形質を持つ知的生物(以下、対象)が行う一連のジェスチャーによるキネトグリフ1です。形態としては上肢にあたる部位と指にあたる部位を使用して行うものであり、一般的なヒトにおいては"両手を握手するように組み合わせる"と表現されます。

SCP-2822-JPがキネトグリフとして有意な影響を及ぼすためには対象が以下の形質を持つことを必要とします。

  • 二足歩行を行う
  • 頭部に一対の角が存在する
  • 足指が存在しない、もしくは蹄等の器官に置換されている

このため、現生人類においてSCP-2822-JPが発生する可能性は著しく低いと考えられますが、過去の事例及び伝承等において類似した存在の事例が確認されています。

SCP-2822-JPが発生した場合、対象の半径100mに存在する知的生物は対象へ強い宗教的信仰心を覚えます。この影響はクラスA記憶処理、もしくは影響範囲を長期間離脱することにより排することが可能ですが、フラッシュバックの事例が確認されており、完全な治癒には至りません。

SCP-2822-JPによって発生する宗教形態は一定しませんが、以下の内容が共通点として挙げられています。

  • SCP-2822-JPを宗教的儀礼として最高位に位置付け、日常的に同様の動作を行う
  • 対象が自身らの上位存在であり、信仰対象であると主張する
  • 信仰者以外のコミュニティに対しては排他的である
  • 極端な禁欲主義である

これらの特徴を有することから、多くの場合SCP-2822-JPによって発生した信仰者は信仰者同士でカルト的傾向を持ったコミュニティを形成し、周囲から孤立する傾向にあります。

SCP-2822-JP実例 (SCP-2822-JP-24)

SCP-2822-JP-24の発生は兵庫県██市に存在したGOI-9519"ライフラフト"2の小規模コミュニティが宗教法人の設立手続き申請を行ったことにより調査され、発見されました。該当団体における対象(以下、SCP-2822-JP-A)は拘束されたうえで、SCP-2822-JPの発生を強制されている状況にあり、酷く衰弱していることが確認されています。この状況とGoI-7424内の他コミュニティによる要請を受け、SCP-2822-JP-Aの収容作戦が検討されています。

以下はSCP-2822-JP-Aを中心としたコミュニティより救出されたGoI-7424構成員に対するインタビューです。

聴取記録2822-JP 20██/██/██

担当者: 渡辺研究員

対象: 金元 ██氏 (GoI-9519"ライフラフト"構成員)

«再生開始»

[事実確認のため省略]

渡辺研究員: では金元さん、話せる範囲で構いません。どうしてあのような状況に陥ったのかを教えていただけますか?

金元氏: はい。私たちのコミュニティが彼を見つけたのは、だいたい8ヵ月前ほどでしょうか。仲介者らが察知して、最も近い私たちのコミュニティに保護を頼んできたんです

渡辺研究員: 砂浜に漂着していたとか

金元氏: そうです。とりあえずその場では一般的な応急処置を行って、医療が整っているコミュニティに協力をあおぎました。そのおかげでなんとか意識も戻ったんですが、彼は我々とは発声器が違ったため、意思の疎通が困難だったんです。一応、一部の文化に共通点はあったようで私たちに敵意がないことは分かっていたようでした、不安そうではありましたけど、攻撃するようなことはありませんでした

渡辺研究員: 確かにそれは困難だったでしょう。私たちは発話によるコミュニケーションを主に行いますもんね

金元氏: ええ、そこで意思疎通を試みようと様々な方法が考えられました。外見からも現代社会に溶け込むことは困難でしょうし、せめて私たちとくらいは協力できるようにと。彼自身も私たちが何をしているのか何となく分かっていたんでしょうね。いろいろな方法に付き合ってくれました。それがどうして

渡辺研究員: 金元さん、話し辛いのであればまた次の機会でも構いませんよ

金元氏: いえ、大丈夫です、話を戻しましょう。何か月かかけて様々な方法を用いたところ、結果として手話が彼の文化と比較的類似していたんです。それを使って会話をしてみよう、という話になりました。私は彼と手話を使ってコミュニケーションを取り始めました。細かいニュアンスはまだまだでしたが、いくつかの単語や表現が一致し始めて。みんなでよかったと言い始めていたんです。彼も喜んでいて。だから、私たちは教本に載っていたジェスチャーを、彼は、分かっていなかったのかもしれませんが、その、ジェスチャーを

渡辺研究員: 金元さん

金元氏: そのとき、私たちは彼を讃えなければならないと思い至ったのです。彼は素晴らしいものです、私たちが共に存在できるものではありません。彼には全てを捧げなくてはなりません、彼に触れることは許されません、彼が離すことを許せません。当然じゃありませんか、彼こそがこの世界の在り方であり、このジェスチャーが福音なんです

[金元氏が両手を握手するように組み合わせる]

渡辺研究員: インタビューを終了します

«再生終了»

SCP-2822-JPが発生するジェスチャーは日本手話において一般的に"友達"を指すものであり、広く使用されていますが、現生人類が上記の特徴を持ち合わせないことから、強硬的な収容は行われていません。

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