アイテム番号: SCP-2828-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
旧特別収容プロトコル: SCP-2828-JPの保護の観点から実験を毎日2回、それぞれ0:00から5:00と12:00から17:00の間行います。SCP-2828-JPの痕跡として胃液や胆汁などが発見された場合、2828-JP収容チームと医療部門で議論し、適切な対策を講じます。
説明: SCP-2828-JPはイエネコ(Felis silvestris catus)と同様のDNAをもつ実体です。SCP-2828-JPは以下の条件をすべて満たした際に布団の中に出現します。
- 天原研究員が一般的な敷き布団と掛け布団1を使用してREM睡眠に入る。
- 掛け布団の内部が観測されていない。これには重量センサーなどを用いた間接的な観測も含まれる。
- 掛け布団から約5mの範囲に人間が存在しない。
SCP-2828-JPは以上の条件のうちいずれか一つでも満たさなくなった場合、体毛などを残し消失します。この性質によりSCP-2828-JPの状態を直接判別することが事実上不可能です。そのため、SCP-2828-JPの保護の観点から毎日2回実験を行いSCP-2828-JPの健康状態を間接的に把握します。
SCP-2828-JPは自宅で天原研究員が「自分のものではない毛のようなものが布団から見つかった」と調査を申請したことにより発見されました。天原研究員が猫を飼っていたという記録は存在せず、SCP-2828-JPの由来は不明です。天原研究員は睡眠時にSCP-2828-JPが出現した場合幸福感を訴えますが、天原研究員に精神影響は確認されていません。
実験記録: SCP-2828-JPの特性を理解するため、複数回の実験が行われました。天原研究員には身体に影響のない程度の睡眠薬を投与しています。以下は実験ログからの抜粋です。詳細なログは2828-JP/2クリアランスを所持する職員のみ閲覧可能です。
実験ログ 2020/01/14 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。
結果: 体毛、唾液を確認。
実験ログ 2020/01/14 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。
結果: 体毛、唾液、胃液、胆汁を確認。
補遺: SCP-2828-JPが空腹状態にある可能性が考えられる。
実験ログ 2020/01/15 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿を入れる。
結果: 体毛、唾液を確認。餌は消失していた。
補遺: 以降の実験では給餌も行うよう手順を変更される。
実験ログ 2020/01/15 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿を入れる。
結果: 体毛、唾液を確認。餌は消失していた。体毛は布団に加え天原研究員の衣服に擦り付けたように付着していた。
実験ログ 2020/03/07 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿を入れる。
結果: 体毛、唾液を確認。餌は一部消失していた。体毛は布団に加え天原研究員の衣服に擦り付けたように付着していた。また、布団の一部が損傷しており、内部から綿が露出していた。
補遺: 布団は新しいものに取り換えられた。以降の実験では、財団製の高い切断耐性を持った布団カバーを使用される。
実験ログ 2020/03/08 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿を入れる。
結果: 体毛、唾液、胃液を確認。餌に変化は見られなかった。体毛は布団に加え天原研究員の衣服に擦り付けたように付着していた。
実験ログ 2020/03/08 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿を入れる。
結果: 体毛、唾液、胃液を確認。餌に変化は見られなかった。体毛は布団に加え天原研究員の衣服に擦り付けたように付着していた。
実験ログ 2020/03/09 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿を入れる。
結果: 体毛、唾液、胃液を確認。餌に変化は見られなかった。体毛は布団に加え天原研究員の衣服に擦り付けたように付着していた。
補遺: SCP-2828-JPが綿を誤飲している可能性が考えられる。
実験ログ 2020/03/09 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿と催吐剤を入れる。
結果: 体毛、唾液、胃液、催吐剤を確認。餌に変化は見られなかった。また、催吐剤は一度飲み込まれた形跡があった。
補遺: SCP-2828-JPに催吐剤の効果はなかったと考えられる。現在、医療部門と2828-JP収容チームで効果的な治療法について議論中。
実験ログ 2020/03/10 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿と催吐剤を入れる。
結果: 体毛、唾液、胃液、催吐剤を確認。餌に変化は見られなかった。また、催吐剤は一度飲み込まれた形跡があった。
実験ログ 2020/03/10 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿と催吐剤を入れる。
結果: 体毛、唾液、胃液、催吐剤、イエネコの死体を確認。餌に変化は見られなかった。検死の結果、死因は腸閉塞による腸の壊死であったと断定された。イエネコの死体に異常性は見られなかったため、天原研究員の要望により埋葬された。
実験ログ 2020/03/11 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿と催吐剤を入れる。
結果: 内部の状態に変化は見られなかった。
実験ログ 2020/03/11 12:00-17:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。布団の中には猫用の餌を入れた餌皿と催吐剤を入れる。
結果: 内部の状態に変化は見られなかった。
補遺: 天原研究員により、次回の実験で布団の中に猫用の餌を入れた餌皿に加え天原研究員が購入した猫用の玩具を入れるという提言がなされた。オブジェクトへの過度な感情移入であるとして議論されたが、SCP-2828-JPが既に異常性を喪失していることが示唆されることが考慮されて許可された。
実験ログ 2020/03/12 0:00-5:00
手順: 天原研究員が条件に従って通常通り睡眠を取る。天原研究員の要望により、布団の中には猫用の餌を入れた餌皿と天原研究員が購入した猫用の玩具を入れる。
結果: 内部の状態に変化は見られなかった。
以降、SCP-2828-JPの痕跡は確認できなくなったため、オブジェクトクラスはNeutralizedに変更されました。