SCP-2860
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アイテム番号: SCP-2860

オブジェクトクラス: Euclid (旧Safe)

特別収容プロトコル: SCP-2860は、サイト-19のタイプS標準人型アノマリー収容房に収容されます。標準的な備え付き家具に加え、SCP-2860のかつてのオフィス内の調度品が当該収容房へと移送されました。要求に応じて医療支援が提供され、心理学的健康に対する検査を二週間毎に実施します。職員がSCP-2860の異常性に予期せず曝露するリスクを抑制するため、SCP-2860は生命活動中の有機体との交流の前に、特注の革手袋を着用することが義務付けられます。

説明: SCP-2860は、かつてのハロルド・トンプソン博士、46歳、コーカソイド系の男性です。収容される前、SCP-2860は延べ十年間、サイト-19の実験的オブジェクト目録作成研究室にレベル2研究員として勤務していました。この以前の期間において、SCP-2860はいかなる異常性質を示したことがありません。

生命活動中の有機体がSCP-2860の手に直接接触する状態に陥った場合、オブジェクトの異常性が発現します。このような接触がなされると、有機体がほぼ瞬間的に大理石のバルク体へと転化する結果となります。この様式で転化した物質に対する分析により、有機体を覆う無機体および有機体中に含まれる無機体 (骨組織等) は、SCP-2860の影響を受けないことがわかりました。高速度写真を用いた観察により、転化現象は全体が同時に起きているのではなく、接触点から伝播していることが示されました。この転化過程がどのように開始されるのか、あるいは持続するのかを確かめる試験が現在進行中です。

SCP-2860の皮膚に存在する個々の微生物が異常性への曝露によって転化するため、この能力の応答性が微視的領域にまで達していると見られています。この結果、SCP-2860の手袋を着用していない手から、露出の数秒後に大理石の極微細な粉末が形成されます。

SCP-2860の異常性の試験により、得られる大理石は、様々な地理的領域から産出される大理石の組成と一致していることがわかっており、具体的には下記のとおりです。

• ユール (アメリカ合衆国)
• パーベック (イギリス)
• マクラナ (インド)
• カッラーラ (イタリア)
• ペンテリコ (ギリシャ)

本稿執筆時点で、SCP-2860の異常性によって同一組成の大理石が連続して得られたことはありません。

SCP-2860の異常性は2004年10月17日に初めて発現し、これはオレゴン州、ポートランド付近の異常芸術スタジオへの襲撃で回収された実験的異常物体から放出された微粒状物質に、SCP-2860が予期せず曝露した事故後のことです。その物体は、真鍮の尖端部がある中空の鋼棒で、SCP-2860と同一の異常性を有していました。この棒は側面に"# 5"と刻印されていました。SCP-2860が一体どのようにして棒からの微粒子状物質の放出を促したのか、微粒子状物質の組成が何であったのかは、微粒子状物質が放出後即座に消失したため、現在不明です。棒は、微粒子状物質の放出後に、異常性質を喪失しました。この物体以外の実例が現在も未確保であるかどうかに関しての調査が進行中です。トンプソン博士は死亡したものと扱われ、家族には、カバーストーリー#31 (研究室での事故) を伝えたうえで標準死亡補償を支給しました。SCP-2860の元妻および息子の最新の写真を毎年提供することで、SCP-2860の精神的減退を抑止しています。

補遺: 2860-1: インタビュー記録2860-1

補遺: 2860-2: インタビュー記録2860-2

補遺: 2860-3: 改訂 2015年10月6日時点で、SCP-2860の異常性の応答条件が、手へに直接接触から、部位に拘らず肉体への直接接触へと拡大しました。その結果対象は、無菌環境外において、露出している全ての領域がほぼ常に大理石の微細な粉末に覆われるようになりました。SCP-2860は、異常性の常時使用が絶えず不快感を引き起こすと訴え、結果的に、SCP-2860易刺激性を高めました。この変化を反映し、特別収容プロトコルが改訂されました。オブジェクトクラスがEuclidへと格上げされました。

補遺: 2860-4: 改訂 2016年11月7日時点で、SCP-2860の異常性の応答条件が、オブジェクトから抜け落ちた毛髪への直接接触にまで拡大したのみならず、生死を問わず全ての有機物を転化するようになりました。これにはSCP-2860自身の表皮の角質層も含むため、SCP-2860の肉体に、ほとんど常時大理石の粉塵が堆積する結果となりました。抜け落ちた毛髪は、SCP-2860の異常性を永久に維持していると見られています。SCP-2860の皮膚が転化する結果として、ほとんど常時不快感を催す状態にあると対象は訴えました。執筆時点で、SCP-2860は、鎮静薬を投与されなければ睡眠できず、自力で食事する全ての試みは、途中で食品が転化する結果となるため、食事を静脈注射で行わなければなりません。現時点で、SCP-2860の内部組織は同様の異常性を示していません。

SCP-2860の異常性によって生成された大理石の粉塵を繰り返し吸入したことで、SCP-2860の肺に粉塵の沈着物が形成される結果となりました。この沈着物により、珪肺症および進行性の重篤な繊維症を激化させる結果となりました。大理石の粉塵がSCP-2860の眼球にほとんど常時堆積し続けることで、オブジェクトの角膜への深刻な摩擦、ひいては両方の眼球が大部分失明する結果となりました。これらの状態を軽減する治療が現在進行中です。この変化を反映し、特別収容プロトコルが改訂されました。

補遺: 2860-5: インタビュー記録2860-3

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