アイテム番号: SCP-2861
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2861-1実体はその墓地の敷地内に残したままにします。敷地には境界線が確立されており8時間シフトに就いている財団セキュリティ職員が1時間毎にパトロールを行います。許可を受けていない人物が墓地へ入ろうとした場合は拒否し、土地の改修プロジェクトが進行中であるとの説明を行います。
墓地の敷地内にある管理人用コテージとビジターセンターを財団が再利用しています。最低でも3名のレベル-3収容スペシャリストが墓地内にいるようにします。追加の職員や重機による支援の要請は近くの財団サイトへ行います。SCP-2861へ割り当てられる全ての職員は精神的トラウマに対する救急措置の訓練を事前に受けなければなりません。
████/██/██時点において、墓地内に埋葬されている全ての棺にはデジタル圧力計が備え付けられており、赤外線カメラネットワークを通じた監視が行われています。これらのシステムのいずれかが地下での非典型的活動を示唆した場合、職員は即座に対応する場所に位置する棺を掘り起こします。結果として回収された人間は、その生死に関わらず、更なる調査や治療のために財団が改造したビジターセンターへと移送します。
説明: SCP-2861はオランダ、██████にある████████墓地に影響する現象であり、地下に埋葬されている棺に生きた人間が自然発生します。影響を受けた棺はSCP-2861-1と呼称され、墓地から回収されるとSCP-2861の影響は止みます1。
炭素年代測定法ではSCP-2861-1実体は18世紀から19世紀の間に作成されたことが示されています。棺はオークとマツの木から質素に作成されており、外部に装飾はありません。棺の内部も同様に質素であり緩衝材はありません。注目すべきことに全てのSCP-2861-1実体には実在するレジャー旅行代理店のロゴを真似た図像がスタンプされています。これらの図像にある代理店の名前は実在の旅行会社とは一致しません。
SCP-2861-1実体の最初の5体は、墓地管理人が特定の墓から「叫び声や激しく打ち付ける音」を聞いたという報告を地元警察にした後に回収されました。続く財団の調査において、収容スペシャリストは棺の1つの中から極度に動揺しているものの様態は安定している女性2を発見しました。報告された墓の残りが調査され、本来埋葬されていた人物の部分的に腐敗した死体とともに最近死亡した4名の死体が棺から回収されました。異常実体の出現度合いを確かめるため、さらに█個の墓が掘り起こされましたが、回収された棺に注目すべき内容物はありませんでした。
1980年の財団によるSCP-2861の初期観測以後、継続的にSCP-2861-1実体内部に人間が自然発生しており、しばしば様々な度合いの精神障害を抱えています。報告された全ての人物はSCP-2861-1内に出現する以前の記憶を保持していませんが、ほぼ全ての事例において寝間着やそれに類似する軽い服を着用しています。さらにいくつかの事例では、ホテルの無料アメニティに似た物品3がSCP-2861の犠牲者の服の中に入っているところを回収されています。これらの製品の供給元を辿る試みが進行中です。
補遺 2861-1: 現在の全ての生存者4の中で、ヤコブ・ファン・ダイク氏(回収時に34才)が最も明晰であると考えられています。ファン・ダイク氏はSCP-2861-1の7番目の実体から回収され、新たに埋められた死体のある棺へと移動したことにも関わらず普通でないほどに冷静な態度を示したことが回収時に注目されました。
ファン・ダイク氏の治療セッションの監督に任命された医療職員のデ・グラーフ博士は、ファン・ダイク氏の非典型的な自制と他のSCP-2861ケーススタディとの関連について現在調査を行っています。
補遺 2861-2: 現在、SCP-2861による異常出現の全ての既知の生存者はDSM-5精神疾患分類における統合失調型パーソナリティ障害5に一致すると考えられる振る舞いを見せています。定期的にインタビューが試みられるものの、一貫した会話能力のある生存者とのインタビューではしばしば有用なデータを得ることができません(ケース抜粋はインタビューログ2861-██-████を参照して下さい)。
インタビューログ 2861-██-████
注: このインタビューはオランダ語で行われ、英語に翻訳されています。
インタビュアー: マーティン・デ・グラーフ博士
インタビュイー: ヤコブ・ファン・ダイク氏、SCP-2861-██より████/██/██に回収。デ・グラーフ博士: 明かりの強さはこれで良いでしょうか、ヤコブさん?
ファン・ダイク氏: 少し明るすぎます。
デ・グラーフ博士: もし明かりがこれよりも弱くなれば、あなたは何も見えなくなってしまうでしょう。
ファン・ダイク氏: ええ。そうでなくて残念です、本当に。目を閉じることは思い出す助けになりますが、完全に同じではありません。
デ・グラーフ博士: 何と同じなのですか?
ファン・ダイク氏: 死んだように眠ることと同じです。それは体験でした。最も高級なスパのような。
デ・グラーフ博士: あなたが目を閉じる時、何を考えるのですか?
ファン・ダイク氏: 墓6です。
デ・グラーフ博士: そこへ戻りたいと思いますか?
ファン・ダイク氏: それは私が知る最も平和な場所です。そこが好きではないとして彼らが狼狽えたことに私は驚きません。もしかしたら次の休暇にでも私は戻るかもしれません。
デ・グラーフ博士: 分かりました。あなたの滞在のために我々は最善を尽くしましょう。
ファン・ダイク氏: 時々私をあそこへ戻して下さい。あまりにも居心地がよく静かなのです。
補遺 2861-3: SCP-2861-1実体の木材から、多くは血痕や人間の爪の断片であるDNAサンプルが回収されています。これらの痕跡の炭素測定では最も古いサンプルは約200年前のものであり、一方で最も新しいものはおよそ1970年のものであることが判明しています。█件の事例では、1つのSCP-2861-1実体から1名以上の人間の遺伝物質が回収されています。
████/██/██時点において、財団はSCP-2861-1実体より██名の生きた、あるいは新たに死亡した人物を回収しています。これらの事例では一貫して窒息した者たちはパニックになり棺に損傷を与えている一方、生存者たちは棺の中身を乱さないようにしています。
SCP-2861の被害者により棺の木へ刻まれた言葉には、████/██/██まで、木へエッチングされた次の文が付随していました:「Uw zorgen zijn genoteerd」7。