アイテム番号: SCP-2878
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2878は気密性のクラス3破壊的実体収容室に収容されます。Dクラス職員の収容室入場は、承認された実験手順の一環としてのみ許可されます。非消耗職員の収容室入場は、如何なる状況でも禁止されています。全ての清掃と保守点検は非自律型ドローンを使用して行われます。
更新 20██/07/27: SCP-2878を収容する施設には、少なくとも1班の電気機械対応チームが常時待機する必要があります。SCP-2878が収容違反を起こし、即座に再収容することが実現不可能になった場合、標準型の対-機械兵装を用いた手段による即時終了処分が行われます。
説明: SCP-2878は、主に316点の医療器具用鋼材サージカル・スティールと消費者向け電子機器から構築されている、漠然としたヒト型の実体です。直立時の身長は3.2mですが、通常は猫背の姿勢を取っています。人間を歪めたような体形をしており、太い引き延ばされた腕および胴体と、短く太い脚を有します。二足歩行が可能な半面、主な移動手段は全ての四肢を利用した“ナックルウォーク”です。前肢には鋭い五又の把握用付属物があり、移動中はこれを引っ込めています。外装被覆は本来ラッカー塗装を施された鋼板で構成されていましたが、現在は80%が破損、または紛失状態です。
SCP-2878は人間並み、或いはそれ以上の知性を示しますが、その心理は明らかに非人間的です。対象は一般的な論理的推論や問題解決の分野、そして機械工学とサイバネティック強化改造についての専門知識において優れた技量を有しています。対象はあらゆる社会的な面での知性や意識を欠いているようであり、意思疎通や1レクリエーション活動に従事することはありません。
SCP-2878は捕食性の存在であり、人間に著しく敵対的で、視界に入った者には攻撃を加えます。犠牲者は固定された状態で解剖され、内臓は多数摘出されて移植のために用意が整えられます。廃棄された生体組織は体外で半液状の懸濁体へと加工され、消費されます。
このようにして獲得された人間の内臓は、SCP-2878のデザインにおける既存要素を置き換えるという形で改造に用いられます。SCP-2878は損傷/欠落した構成パーツの修復を優先する様子を見せていますが、時にはまだ機能中の要素を置換することも知られています。20██/02/19現在は、以下の生物学的改造が視認可能です。
- 両肩の間に配置されている、約30歳・茶色の目・黒髪のヒスパニック系女性の頭。下顎が欠損しており、大規模な瘢痕が存在する。全ての感覚は正常に機能しているように見受けられる。眼筋を除いては不動。
- 鋼板が存在しない部位をカバーしている、年齢および民族性の様々な、少なくとも7人分の皮膚。
- 最低3人分の消化器系と数点の不明な機械部品を組み合わせて構築された、複雑な“胃”。胴体内部の大部分を占めている。取り入れ口は頭部のすぐ下に存在するが、明白な排泄手段は無い。
- “胃”の部位を他の生物学的構成要素に連結する循環器系のポンプとして機能している2つの心臓。導管内の液体は人間の血液よりも遥かに粘性である。心臓は両方とも肥大型心筋症の早期兆候を示す。
- 身体全体のマイクロプロセッサに張り巡らされている神経組織。
- 右後肢の下部と置換されている数本の完全な人間の脚。大部分はSCP-2878の重量を支える過程で負ったダメージの結果、深刻な挫傷と部分的細胞死を呈している。
補遺1、事案SCP-2878-B: 20██/07/21の安全基準違反に続き、バティア次席研究員がSCP-2878によって捕獲・殺害されました。SCP-2878はその後、バティア博士の呼吸器系、声帯、中枢神経系の統合を行いました2。バティア博士の死亡から6時間後、SCP-2878は喘鳴および絶叫という形で発声を開始しました。12時間後、この発声は単音節の唸り声に進展しました。48時間後、現地の研究員らは発声内容を不明瞭なスペイン語であると認識しました。事案発生から50時間後、プロジェクト監督者のG███████博士に警告が寄せられ、ドローンに搭載された無線機を介して意思疎通が試みられました。以下がその転写です。
注: 特に記載されていない限り、スペイン語からの翻訳です。
<記録開始、15:07 20██/07/23>
[一連の会話を通してSCP-2878は全く身動きを示さなかった。発言は不明瞭で一貫性が無く、音程や抑揚は激しく変化している。]
SCP-2878: トリノゾク、[不明瞭]
G███████博士: やぁ、SCP-2878。僕の声が聞こえるか?
[SCP-2878は、物理的には、ドローンに気付いた様子を一切見せていない。]
SCP-2878: ノコリ、ヒキサク、[不明瞭]。G███████ハカセ。
G███████博士: 待ってくれ、今、僕の名前を口にしたか?
SCP-2878 [英語]: 助けて。
G███████博士 [英語]: 何を助けるって?
SCP-2878 [再びスペイン語]: カンペキ。トモダチ。キンゾク。ウンザリ。
G███████博士: 君は、僕の話を理解していることを示すことはできるか?
SCP-2878: G███████ハカセ。G███████ハカセ。███-███-████-███3。
SCP-2878 [英語、叫び]: 助けて!
<記録終了、15:09 20██/07/23>
G███████博士は直ちに意思疎通を停止し、サイト管理官K████に事案を通知した。
補遺2、事案SCP-2878-B公式回答:
G███████博士、SCP-2878の性質と保安上のリスクとしての可能性に関する最近の発見を考慮し、貴方が要請した追加の収容プロトコルが承認されました。
貴方の他の要求の審査は心理的評価がなされるまで中断されます。明日の午後、アバラン博士と面談してください。SCP-2878は来週の月曜日に実験を行う予定です。
- █████ ████、サイト管理官補佐