SCP-2880
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中途復元されたSCP-2880-A35、収容前█████ ███████ 博物館で展示中のもの。

アイテム番号: SCP-2880

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 現在既知の149個の各SCP-2880-Aはサイト74の確保収容保管庫2880-Aに分解の上で収容されています。試験目的でこれらSCP-2880-Aの一つを完全状態の85%を超える割合で復元を望む者は、研究活動前にサイト司令部へ通知するようにして下さい。もしSCP-2880-Aを試験目的で使用する場合、適した場所で監視下においた上でSCP-2880-Aの組立と取置きを対にして行うようにして下さい。また試験目的の必要無い限りは、職員は復元されたSCP-2880-Aに対しその表面に素手で触れぬようにして下さい。

SCP-2880-Bの既知の人工物のうち安全に移転させる事が出来る物は、同じくサイト74の確保収容保管庫2880-B1からB32に移されています。SCP-2880-Bへの接触が許される研究員は最低でもレベル2クリアランスを持ち、これにサイト74考古学課所属の者を一人監督に付けるものとします。

SCP-2880-Bの建造物群等の移転が出来ない物は、太平洋南部一帯に置かれた暫定区域2880-B1からB68に保存されています。暫定区域2880-B1からB68への配属職員は、各自の配属先施設におけるカバーストーリーについて現地区域主任から説明を受けるようにして下さい。

説明: SCP-2880-Aは統一された様式を持つ土器類の破片収集物です。各SCP-2880-Aは復元された場合、最大幅で直径約30cm、最高部で高さ約6cmを持ちます。

任意のSCP-2880-Aはそれと対を成す別のSCP-2880-Aと共にそれぞれ元の形の90%以上の割合まで復元され、かつ互いの上方に2mの何もない空間が置かれない限りは、異常な性質を一切示しません。後者の条件はSCP-2880-Bにより安全策として故意に仕組まれたものであると思われます。

復元されたSCP-2880-Aの表面に人間1が素手で触れると消失します。0.07秒以内に、触れたものと対となるSCP-2880-Aの元に被験者が再出現します。諸々のSCP-2880-Aは対を成すように繋がっており、常に相互間で被験者をもう片方のSCP-2880-Aの元へ転送します。被験者と共に3 m立方内に収まる大きさであれば、身に付けた衣類や手に持つ物といった品々もまた、SCP-2880-A自身を除き共に転送されます。被験者の消失時においては、消失する被験者と同体積量の流体(試験の大多数では空気か水です)が被験者の再出現地点から被験者の消失地点に転送されます。被験者が流体の体積量の消失により生じた真空を埋め、また被験者の消失により生じた真空を流体の体積量が埋めるという事と思われます。

SCP-2880-Aにより転送された被験者は、たとえSCP-2880-Aが水没されていない場合であっても、しばしば到着時に塩水で覆われており、一貫して通常時よりも深部体温が著しく低下する2事が示されています。SCP-2880-Aを繰り返し使用すると、被験者の大多数は方向感覚の緩やかな失調、船酔い、頭痛を報告します。またSCP-2880-Aの長期間に渡る使用は、被験者に対し連続した聴覚障害、並びに視覚及び触覚への幻覚症状をもたらします。これら幻覚症状において頻発する幻像には、嵐や、沿岸部の大規模な都市風景の描写が含まれます。

SCP-2880-Bは財団がサヴァキ文化と指定するもので、先史青銅器時代の太平洋の島に置かれた社会であり、SCP-2880-Aを作り出し利用していました。およそ紀元前2500年から紀元前1700年までの間、SCP-2880-Bは台湾からハワイに渡る太平洋西部の膨大な数の島々を影響下に置き、ある時点から次第にラピタ文化や他の先史ポリネシア文化グループに置き換わって行きました。SCP-2880-Bの消失はSCP-2880-Aの破壊と共に起きたものと思われます。人の移動及び資源の輸送といった交易面でのSCP-2880-Aへの依存が、SCP-2880-B社会の衰退に対し最も有り得る原因であったと考えられます。

現時点では何故SCP-2880-Aが破壊されたのか、また何故SCP-2880-Bがそれらの再構築をしないと判断したのかは分かっていません。

補遺:
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