アイテム番号: SCP-2882-JP |
Level 3/2882-JP |
オブジェクトクラス: Cernunnos |
Classified |
GoI-1617がSCP-2882-JPと契約する際に撮影した画像。画像左の光る球体はSCP-2882-JPの代表であるとされている。
特別収容プロトコル
現在SCP-2882-JPを収容しようとする試みは、情報社会の安全性を脅かす行為だと社会から非難される可能性があり、財団に対する社会の信頼を大きく損なわせる危険性があります。そのため財団によるSCP-2882-JPに対しての収容活動は、SCP-2882-JPに代わる叡智圏外経由電子的攻撃に対する防衛手段が確立されるまで行われません。
説明
SCP-2882-JPを使役する事が可能なチップ。
SCP-2882-JPは情報セキュリティを保持する能力を持った悪魔実体群です。SCP-2882-JPは2025年に暗号化至上主義団体のGoI-1617("プライバシーを救う暗号主義者達の集い")と何らかの契約を行ったと推測されており、その契約によりSCP-2882-JPは情報セキュリティを維持する労働に従事していると考えられます。
SCP-2882-JPは科学法則、体系化された呪術、統一奇跡論のどの学術領域でも説明することが不可能な方法で、暗号化された情報を不正に解読しようとする行為を妨害します。SCP-2882-JPにEVE(第六生命エネルギー)を捧げることで時空間にどのような影響を与えるのか観測が行われましたが、いかなる観測機器を用いてもSCP-2882-JPの作用による変化を観測することができませんでした。
SCP-2882-JPは解読に必要な暗号鍵を隠匿することに特化しています。SCP-2882-JPは暗号鍵を対抗概念化しているか、特殊な認識災害を引き起こしていると予想されており、SCP-2882-JPによって隠匿された暗号鍵は知性を持った存在に認識されることが不可能になります。隠匿された暗号鍵はSCP-2882-JPに承認された人物や機器のみが認識することができます。
SCP-2882-JPを活用する技術はGoI-1617によって開発され、詳細な動作原理や使用方法は一般に公開されています。そのため、現在の暗号化技術で使用される暗号鍵はほぼ全てSCP-2882-JPによる保護を採用しています。SCP-2882-JPを用いて暗号鍵を隠匿する方法はGoI-1617のメンバーによって開発されました。この技術により、使用者は生命エネルギーや電気エネルギーなどの対価を支払うことで、SCP-2882-JPに保護を行わせることができます。
SCP-2882-JPはかなり高度な認識操作を行うにも関わらず、要求する対価が想定される量より少ないという特徴があります。これはGoI-1617との間に結ばれた契約が原因だと考えられます。
補遺. 2882-JP.1
2025年11月6日に財団日本支部の元システム分析官である雪田弘人ゆきたひろとによる機密情報漏洩事件が起きたことにより、全世界のネットワークを監視するパラテクノロジーコンピュータ、通称"慧けい"の存在が一般社会に認知されることになりました。この暴露はGoI-1617がSCP-2882-JPと契約する間接的な原因になったと考えられています。
以下はその事件の報告書です。
インシデントレポート
元財団職員である雪田弘人による機密情報暴露について
発生日時: 2025/11/6
経緯: 雪田弘人元システム分析官は日本支部内で運営されていた「梟計画」に携わっていました。梟計画はあらゆる暗号化された情報を解読することが可能な計算機を開発し、通信ネットワークを監視する事を目的とした最高機密に属する計画です。梟計画は結果的に暗号解読に特化した神格存在計算機、通称"慧"の開発に成功しました。雪田元職員はその監視活動に携り、財団の諜報活動に関わっていたという経歴を持っています。
報告: 雪田元職員は梟計画や財団諜報機関に関する機密文書を不正に持ち出し、英国の報道機関であるスコーピオン社に機密情報を提供しました。そして2025年11月6日にスコーピオン社は自社の出版物を通して財団による情報収集活動の実態を報道しました。この報道により、財団が秘密裏に使用していた神格存在計算機である慧の存在が一般社会に認知される結果となりました。
慧の存在は情報セキュリティ上の重大な脅威であると見なされ、各国政府機関、報道機関、アンダーソン・ロボティクスやプロメテウス・ラボなどのパラテク企業、世界オカルト連合、壊れたる教会及びマクスウェリズム教会、人権擁護団体など様々な団体や機関から非難の声が挙げられています。
アメリカ合衆国政府 |
我が国が容認している活動範囲を大きく超えており、容認できない。これはアメリカ国民の人権への大きな侵害である。 |
日本政府 |
JAGPATOにおける条約に違反しており、誠に遺憾である。日本政府と財団の間で秘密は厳密に守られるべきだ。 |
プロメテウス・ラボ |
件の神格存在計算機は、電子機器業界の信頼を大きく損なうものです。このような超常技術の発展を妨げる行為は業界全体として受け入れられません。 |
世界オカルト連合 |
正常性維持という活動から逸脱している。 |
マクスウェリズム教会 |
慧は全ての電脳市民の生活を脅かすあってはならない物です。慧がある限り、我々が一つになることはないでしょう。 |
恋昏崎新聞社 |
絶対に許すことが出来ない暴挙だと言わざるを得ません。これは財団による支配の始まりなのでしょうか? |
御魂超党派議員連盟 |
八百万の神々を悪用する事は、神々の品位を著しく下げてしまう。これは神格存在への侮辱である。 |
イニタネティオマリエ |
やめてください。僕たちを丸裸にしたいんですか? |
雪田元職員は内部告発後に逃亡しました。担当部署により追跡が行われていますが、雪田元職員はすでに基底次元外に逃亡したと考えられます。
2001/09/11: |
マンハッタン島でカオス・インサージェンシーによる超常テロ攻撃が発生する。 |
2003/10/14: |
世界で超常テロ攻撃の発生件数が50件を超える。 |
2004/01/31: |
財団諜報機関により梟計画が提言される。 |
2006/05/11: |
梟計画がO5評議会で承認される。当計画が本日より始動。 |
2008/06/07: |
計画担当研究室が日本支部内に設置される。"慧"の開発が開始される。 |
2015/03/16: |
大学院生であった雪田弘人氏が財団に雇用される。 |
2017/02/01: |
"慧"が完成する。 |
2018/05/11: |
科学部門に所属していた雪田研究員が諜報機関に転属され、"慧"を用いた諜報活動に参加する。 |
2020/10/27: |
雪田職員がシステム分析官に昇格される。同時にレベル4の機密情報へのアクセス権限が与えられる。 |
2025/10/01: |
雪田システム分析官が病気療養を理由に二ヶ月の休暇をとる。 |
2025/11/06: |
梟計画の機密情報がスコーピオン社により暴露される。 |
対処: 現在、財団は国際社会に対して慧は正常性維持の為にのみ活用されるので何ら違法性はないという主張を行っています。また、メディア戦略部門は慧がパラテロリズムの抑止に多大な貢献をしているという事実を基に、民間に対して諜報活動への理解を深めるよう世論誘導を行っています。ですが2001年以降、一般市民や組織の財団に対する不信感は依然として強い状態が続いており、今回の漏洩事件はそれをさらに悪化させる可能性があります。
補遺. 2882-JP.2
梟計画とは、増加するパラテロリズムに対抗するべく発案された大規模な電子諜報作戦です。
以下は、梟計画についての計画書です。
機密分類: 高次機密 公開済み
運用期間: 2006/5/11~ (現在も継続中)
提言者: 財団諜報機関
計画概要: 当計画の目的は暗号解読に特化した計算機を開発、製造し、運営する事です。2001年に発生したマンハッタン島における超常テロ攻撃を始め、世界全体での異常物品を用いた破壊行為は増加の傾向にあります。また超常組織の活動もヴェール崩壊前と比べて格段に活発化しており、その数もまた急激に増加しています。当計算機は世界中のネットワークを監視することで、パラテロリズムや異常活動の兆候を観測することを目的としています。この監視活動は財団の正常性維持活動に多大な貢献をすると期待がされています。
なお、当計画は機密性、倫理的理由などから最高機密に指定されます。関係者が当計画について情報漏洩を働いたことが認められた場合は処罰命令が実行されます。
開発計画: 開発される計算機の種類として、神格存在計算機が採用されます。暗号解読における障害は解読に必要な暗号鍵の入手困難性であり、神格存在計算機はこの障害を打破するのに最も適格だと判断されました。
神格存在計算機の開発は、神格存在の多様性及び、呪術的リソースが豊富であることから日本国内で行われることが決定されました。したがって計画担当研究室は財団日本支部内に設置されます。
成果: 梟計画により、神託式暗号解読特化型神格存在計算機、通称"慧けい"が完成しました。
慧は電力を改良型エバーハート共鳴器によってEVEに変換し、論理回路で召喚した神格存在にそれを「供物」として捧げます。そして対価として神格存在が出した神託を利用して暗号文を解読します。尚、かねてから懸念されていた神託を引き出した際に発生するバックラッシュですが、これは奇跡論的図形構築アルゴリズムによって生成された魔法陣によって熱エネルギーに変換されます。
また、想定していない霊的実体が慧に侵入してくるのを防ぐために、慧の周囲を電気奇跡論コンピュータによる結界で防護します。ただし慧自体は結界の範囲に含まないようにします。この結界は内部のEVEを排斥することで、侵入しようとする敵対的な実体や術式を無力化することが可能です。
慧は極めて複雑な問題を解くことに強みを持っており、解読に必要な暗号鍵を煩雑な計算を経る事無く、直接入手することが可能です。例として、RSA暗号の安全性を支えている素因数分解を従来の論理回路を用いて解こうとすると途方もない時間がかかりますが、慧ならば迅速に暗号鍵となる素数を探し出すことが可能です。
慧はRSA暗号など既存の暗号技術に対しては有効ですが、将来現れる技術に対しても有効性を発揮できるかは判断できません。理由として、神格存在計算機はその原理上完全なブラックボックスであることが挙げられます。召喚した神格存在がどの範囲まで解を出力できるか、現在の財団の知見では断定することができません。更なる暗号解読力を確保するために、供物を提供する神格存在を切り替える必要があると予想されます。
ですが、神格存在計算機の「人類が到達できていない叡智圏外の知識を経由して解を出力する」という特性が、防衛側による対策を困難にしているという事実も存在します。
運用: 慧はサイト-̻████にて運用されます。慧はWATCHDOGグローバル異常監視ネットワークを常時監視し、暗号通信を解読しつつ異常な活動の兆候が無いか確認します。慧は独自のアルゴリズムで通信内容の脅威度を判断し、脅威度の高い物をリストアップして財団諜報機関に通達します。通達された情報は財団の収容活動に利用されます。また、要請があれば特定の端末機器のパスワードロックを解除したり、暗号化された情報を解読して抜き出すことも可能です。
追記: 2025/11/6に発生した機密情報漏洩事件により、慧の存在は一般社会に認知されることになりました。各政府機関や要注意団体、企業は慧の存在を大きく批判しており、人道的に容認出来ない等の声明を発表しています。財団は、慧はあくまで正常性維持を目的として使用されるものであり、それ以外の目的で慧を使用することは無いと主張することで諜報活動への理解を求めています。
以下の事例は2025年11月6日に発生した機密情報漏洩事件により、既に公開済みです。 |
懐古主義テロリズム組織の資金援助者の特定
関連事象: 夏鳥思想
慧の成果: 夏鳥思想系過激派組織に資金提供する組織や個人の特定
分析手段: 電子メール等による通信の傍受
結果: 慧が割り出した資金提供者の中には著名な資産家や企業が含まれていました。財団はこれらの内の一部を公表しましたが、残りの資金提供者に対しては援助の件を非公開にする代わりに、今後は財団に対して援助するよう約束させることに成功しました。
高脅威度の宗教団体への対処
関連事象: SCP-2662
慧の成果: SCP-2662によって生成された宗教団体の発見
分析手段: 検索履歴、閲覧履歴、電子メール等の通信の分析によるクトゥルフ系宗教に関心を持つ個人の特定、監視
結果: 慧による監視により、SCP-2662が収容されている財団サイトに襲撃を企てる団体、個人に事前に対処することが可能になりました。これによりSCP-2662の収容違反の件数が劇的に減少しました。
コロンビア系電子ドラッグの撲滅
関連事象: オルタナティブ・コロンビア
慧の成果: アメリカ合衆国で蔓延していた電子ドラッグの流通経路の完全な解析
分析手段: 回収した携帯端末のデータ解析 電子薬物の売買に使用されていた異常アプリケーションの分析
結果: 流通経路を解明したことにより、財団とFBIの共同捜査で北米圏に電子薬物を供給するサーバーを確保することに成功しました。
要注意団体:闇寿司の施設の収容
関連事象: GoI-8134("闇寿司")
慧の成果: GoI-8134が運営する店舗や施設の発見
分析手段: GoI-8134の構成員が所持していたSSDの解析、データ復元
結果: 財団はGoI-8134の活動拠点である店舗を収容するほか、GoI-8134が運営する違法娯楽施設を襲撃することで民間人に対する虐殺行為を止めることに成功しました。
SCP-738-JPにおける収容
関連事象: SCP-738-JP
慧の成果: SCP-738-JP-A及びSCP-738-JP-Bの確保への貢献
分析手段: ブラウザの閲覧履歴へアクセスすることによるSCP-738-JPを閲覧した人物の特定 PCや携帯電話に内蔵されたカメラ、及びウェブカメラの秘密裏の起動による端末使用者の監視
結果: 37組のSCP-738-JP-A、SCP-738-JP-Bを確保することに成功しました。
補遺. 2882-JP.3
要注意団体報告
財団記録部門作成
GoI-1617 ("プライバシーを救う暗号主義者達の集い")
活動状況: 継続中
脅威度: 橙 ●
概要: GoI-1617は暗号技術を用いて社会、政治を変化させる事を目的とする異常技術者団体です。前身となった組織は1970年代に結成され、1990年代から当団体名を使い始めています。特に1998年以後からは政府や財団等の電子諜報活動に敵対的な意思を示し、異常な暗号技術を用いてそれらを妨害しようとしています。
GoI-1617は個人のプライバシーを保護することを積極的に肯定しており、暗号化技術はそれを達成することが可能な手段だと考えています。GoI-1617の最終目的は、個人に関する情報をその本人が望まない限り、何者にもそれを知ることが出来ない完全なプライバシーが保障された社会の構築です。GoI-1617のメンバーは暗号理論の研究者やハイテク企業に所属する、もしくはしていた技術者、その他多くのハッカーなどで構成されています。構成員は情報セキュリティに極めて高いレベルで精通しており、異常、非異常問わず高度な電子技術を駆使することが可能です。
GoI-1617内にはヒエラルキーやレベル制などの階級制度は存在せず、共通のルールを遵守することで横方向の関係を構築しています。組織内では電子技術に関する知識を積極的に共有したり、議論を興すだけでなく実際にソフトウェアやハードウェアを構築することが求められています。また、GoI-1617はGoI-004C("マクスウェリズム教会")と知識、技術の共有を目的とした交流を活発に行っているという報告も上がっています。
GoI-1617は2026年に特定の悪魔実体群と情報セキュリティの安全性の強化を目的とした契約を行いました。この悪魔実体群はSCP-2882-JPに指定されています。GoI-1617は財団が開発した神格存在計算機である「慧」に代表されるような、叡智圏外の知識を活用した電子的攻撃に対抗するためにSCP-2882-JPと契約を行ったと考えられています。SCP-2882-JPを利用した秘密鍵防衛システムはGoI-1617に所属するメンバーによって考案されたと同時に、いかなる権利も伴わない状態で全世界に公開されました。その結果、電子機器を製造する企業や機関はこの防衛システムを機器内に組み込み、使用する暗号鍵をほぼ全てSCP-2882-JPによって保護しています。
以下はGoI-1617のメンバーの内、SCP-2882-JPとの契約を計画したメンバー達によるチャットの記録です。
Gryphon1827
2025/11/6 9:09
Wakakochan
2025/11/6 9:12
見たわよこれ。財団もとうとう超えてはならないラインを超えたわね。
倫理委員会とやらはなにしてるの?
Gryphon1827
2025/11/6 9:14
慧の活動実績を見たところ、個人の検索履歴やサイトの閲覧履歴を見るのは朝飯前って感じだな。
Wakakochan
2025/11/6 9:15
私的な通信もしっかり傍受してるって感じね。いつの時代も諜報活動ってのは変わらないわね。
Wakakochan
2025/11/6 9:15
にしても勝手に覗き見して得た情報を使って脅すってのは何?それで金をぶんどるだなんて!夏鳥思想は私も好きじゃないけど、こんなやり口はただのヤクザよ・・・
人の弱み握って自分たちの味方にするとかえっしぴさん怖すぎっすよ
この方法でオカ連とかに内通者作ってそうっすね
Gryphon1827
2025/11/6 9:17
こんなんじゃ財団の職員も不安で仕方ないだろうよ。
Gryphon1827
2025/11/6 9:20
俺として恐ろしいのはロックのかかったスマホのデータを解析したことだな。それも大量の。
ロックがかかっているスマホはデータが暗号化されていて、作った会社ですらそれを解読することはできないんだ。
Wakakochan
2025/11/6 9:21
昔FBIがプロメテウスに訴えてたわね。捜査の為にパスワードロック解除しろ!って。まあ拒否されたけど。
Wakakochan
2025/11/6 9:25
カメラを勝手にONにして監視するってのもいやらしいわね。部屋でくつろぐ人を撮影するのも正常性維持の一環なのかしら?
部屋で全裸で踊っている自分の映像が財団のサーバーに保存されているってことっすか!?
Wakakochan
2025/11/6 9:27
異常性のないデータは破棄されるらしいから安心しなさい。
Gryphon1827
2025/11/6 9:30
それにしてもこの神格存在計算機ってのはなんなんだ?
神様に供物を捧げて、引き出した御神託で計算するとかなんとか
Gryphon1827
2025/11/6 9:34
よくわからん。デーモンと何が違うんだ?
Wakakochan
2025/11/6 9:37
知り合いに理外研の人がいるの。今度ここに来てもらうってのはどう?慧の仕組みについて話を聞きましょう。対策云々はその後でいいかな?
Gryphon1827
2025/11/6 9:41
よろしく。じゃあまた明日同じ時間に。
Gryphon1827
2025/11/7 9:04
皆いるかな?今日は慧にどう対抗するか話し合いたいんだ。
Wakakochan
2025/11/7 9:06
今日は理外研でオモイカネのプロジェクトに関わっていたF-123に来ていただいたわよ。
今日は慧に関しての対抗策を考えるんですよね?結論から言うと、対策を講じるのは技術的には不可能だと思います。
漏れた情報から推測するに、慧は「暗号を解いている」というよりは「答えをカンニングしている」という認識の方が正しいと思うんです。
Gryphon1827
2025/11/7 9:14
カンニング?マシンパワーにモノを言わせて暗号を解析してるんじゃないのか?もしくは脆弱性をついているんじゃ?
暗号ってのは当たり前ですが、情報を復号化するために暗号鍵があります。それでまあ暗号鍵は絶対に部外者の手が届かない場所にあるわけですが・・・
慧はその暗号鍵を手に入れてしまうんです。
Wakakochan
2025/11/7 9:20
ちょっとまって!それってもう暗号化という技術そのものが成り立たないじゃない。私たちは財団に錠前の鍵を曝け出してるも当然じゃない!
神格存在は人間のを大きく超えた知識と感覚の持ち主です。それを利用して複雑な問題を解いてもらうってのが神格存在計算機の目的だったわけですが・・・・
でもたしか神格存在計算機ってエネルギー効率悪いしリスクも高いって話だったとおもうんすよ
財団はその辺りどうしてるんですかね
そこはまだ情報が無いのでなんとも。ただ、リソースも資金も技術力どれも潤沢な財団だからこそ出来たんだと思います。
Gryphon1827
2025/11/7 9:27
どうするべきなんだ?プライバシーが死にゆく様を見続けるしかないってわけか?
Wakakochan
2025/11/7 9:29
いや待って。いかなる時もセキュリティの基礎に立ち返るべきよ。
Wakakochan
2025/11/7 9:31
慧の暗号鍵の探知はたしかに人智を超えてるけど、これも一種の管理体制の甘さを突いてきたようなものとみなせるのよ。
Gryphon1827
2025/11/7 9:33
神様からしたら、俺たち人類はパスワードをメモに書いて机に貼ってるバカ達ってことか?
Wakakochan
2025/11/7 9:34
そういうこと!だから神の目にもとどかない場所に暗号鍵を隠すの!
理論はわかったけど一体どうやってすればいいんすか?
Wakakochan
2025/11/7 9:35
問題はそこよね。
神様うんぬんとなると、エクソシストとか巫女とかの専門領域じゃないっすか?
Gryphon1827
2025/11/7 9:38
いや待て。ここは悪魔学専門の俺の出番だな。
Wakakochan
2025/11/7 9:40
悪魔って単純なことしかできないイメージしかないわ。神の目をごまかすみたいなことが出来るの?
Gryphon1827
2025/11/7 9:42
悪魔っていうと今じゃ電子を制御するぐらいしかイメージが無いが、もっともっとその種類は多彩なんだよ。
Gryphon1827
2025/11/7 9:45
なんだっているさ。ただやっぱ複雑な仕事させようとすると要求される対価が多くなるってのがネックだな。
Wakakochan
2025/11/7 9:46
じゃあどうするの?
Gryphon1827
2025/11/7 9:48
悪魔と契約しようと思う。
Wakakochan
2025/11/7 9:48
契約?
Gryphon1827
2025/11/7 9:52
俺たち人類が悪魔達に仕事を供給し続けることを約束するんだ。その代わりに、悪魔達に対価の量を引き下げるよう求める。そうすれば悪魔達は安定した仕事の供給を確保できるし、俺たちはローコストで悪魔を使役することが出来るってわけだ。悪魔もエネルギー確保には難儀してるから、この提案は無視できないはずだ。
Wakakochan
2025/11/7 9:54
安価で忠実な労働者を大量に雇うってわけね。さすが一流企業の元経営者は違うわ。
Gryphon1827
2025/11/7 9:56
単にwin-winになるってだけだ。
これはさすがに一般フォーラムで意見を聞いたほうがよくないすか?
Gryphon1827
2025/11/7 9:57
そうだね。明日あたりに持ち込んでみるよ。もし可決されたら、ここにいる皆で契約しに行こう。
Wakakochan
2025/11/7 10:00
いいじゃない。これであなたも今日から暗号主義者よ。
GoI-1617はSCP-2882-JPと契約した事を告知する声明文を発表しました。また、この声明文には財団の活動に対する批判が含まれています。以下はその声明文です。この文書はGoI-1617が設立したサイトで閲覧することが可能です。
今日、私達は常識を超えた存在と契約を交わした。
私達は何よりもプライバシーを尊重する。
たとえ政府、大企業、正常性維持機関だろうとそれを侵害する事は許されない。
だがSCP財団は越えてはならない一線を越えた。
勇気ある反逆者ヒロトがそれを教えてくれた。
彼らが作り上げた機械は人々の守られるべき生活を覗き見てしまう。
それは人々の自由を削り取り、得られるべき安心を取り上げる行為である。
しかし私達はそれに抵抗することが出来ない。
なぜなら、神という存在の力でそれを行っているからである。
かつてショパンの顔を持った神が異常を隠すヴェールを破壊してしまったように、電子回路の中の神が秘密を守るプライバシーを亡き者にしようとしている。
私達はあの邪神を呼び出す機械を止めなければならない。
だがどれだけコードを書き上げても、神の目から逃れることはできなかった。
私達の技術力では神に太刀打ちすることができない。故に私達は悪魔と契約した。
私達は悪魔に委託する。暗号を支持するという崇高な闘争をだ。
もはや神の目でも全てを見通す事は不可能になる。私達は再び安全な電子空間を得る。
だがこれは私達の勝利ではない。同時に財団達の敗北でもない。
これは新しい暗号戦争の始まりである。
補遺. 2882-JP.4
かつて人類は天体の動きや変化、動物の骨に入ったヒビから神や精霊からのメッセージを読み取ろうとしていた。
だが、科学という概念が発明されてからは人々はそういった霊的存在に頼ることはなくなった。
しかしどういうことか、我々は再び神々からの言葉を欲しがっている。高度な情報社会で優位性を得ようと突き詰めた結果がこれなのである。
そしてあの情報を隠す者達もまた同じ方法を選択した。彼らもまた悪魔の力を借りたのである。
今や諜報機関とハッカーとの間で行われていた暗号戦争は、それぞれがすがった霊的存在によって行われている。それも、我々人類が知りえない次元の領域でだ。
これからの暗号戦争は、人智を越えた神と悪魔の戦いなのである。
そうである以上、我々はあの"慧"眼を捨て去るわけにはいかない。
破壊的な不条理が蠢いているこの世界で、我々の眼を曇らせるわけにはいかないからだ。